パンもどきを作ろう

メシばかり食っていると飽きる。 いくら豆をいれたり麦を入れたりしようと、飽きるものは飽きるのである。 そこで、パンを作ろう。

ただし、パンといってもあの市販されているようなパンとは全く違う。 パンという名前では呼べないかもしれないような異質な物体である。 粉を練ってひろげて焼くだけの代物なのだ。 それなら手間もかからないし、 練ったものを保存しておけばいつでも焼いて食べられる。 イーストで発酵させないのでふわふわにはならないが、 薄くのばして焼けばせんべいみたいにパリパリになるし、 厚めに焼けばもちもちした感じになる。 その時の気分で変えられるのもいい。

材料

材料は当然小麦粉なのだが、 普通の小麦粉ではおいしくない。 それというのも普通の白い小麦粉は精製してふすまや胚芽をとっぱらった ものだからだ。栄養もないし、味もない。 イーストで発酵させて、塩やらバターやらで味をつけてはじめて味がするものである。 そこで、小麦全部を粉にしてしまった全粒粉を使う。 これなら栄養もあるし、味も濃い。何もつけなくても、 食パンをそのまま食うのに比べて格段に楽だ。 これが1キロ400円くらいで買える。 挽き方がいろいろあって、粗いのから細かいのまであるが、 細い方がネバるし応用範囲が広い。

作り方

アホみたいに簡単である。まず粉をとってボールに入れる。 次に塩ひとつまみと油少々を入れる。油はオリーブオイルだと香りがつくが、 嫌いならなんでもいい。事実私は好きではないので、 キャノーラ油を使っている。次に水を入れるのだが、ここで注意がいる。 粉によって必要な水の量が違うのだ。 粗い粉だと水を吸いにくいし、細かい粉だと良く吸う。 また、後で書くように他のものを混ぜるとまた水の量が変わる。 だいたい、荒挽きの粉3合で水1合程度なので、それを参考にしてほしい。 とりあえずは粉の4分の1の量から始めるのをすすめておく。

そうしたら手でこねる。水が足りなければ足し、失敗して水が多すぎれば粉を足す。 そうしてある程度均一になってねばりが出たら、冷蔵庫にいれて一時間以上おく。 だいたい手でさわってネバっとしない程度が目安である。 ネバネバするくらい水が多いと、あとでのばす時にちぎれたりして苦労するし、 なべにもくっつく。

一時間以上たったら、鍋やらフライパンで焼く。 あたためてからのせるとくっつかないので油はいらない。 ふたがあればあった方がいい。 オーブンやらトースターでも焼けるだろうが、試してはいない。 焦げない程度に数分焼けば食える。焼き具合は好みでいいだろう。 なお、冷蔵庫に入れた状態なら数日はもつので、 食べたい量ちぎってのばして焼けば数分で食べられる。 途中で保存が効かず、数十分かけて炊かねばならないメシに くらべるとそこが利点である。 ちなみに、待ちきれないならこねてすぐ焼いても、 多少ネバりがなくなるものの十分食える。

混ぜる

他にいろいろと食っていればいいが、これをえんえん食いつづけるような 状態になると、さすがに栄養に問題が出る。 ただの小麦よりは相当マシとはいえ、足りないものはいくらでもあるのだ。 そこで、他のものを混ぜる。混ぜるのはライ麦全粒粉がいい。 栄養が補われ、風味が変わるからだ。キロ380円である。 配合比率もお好みで良いが、 私はめんどうくさいことをせず、 1:1でまぜるのをすすめておく。味も濃く、栄養も多い。

また、つけるものがない場合はこれに干しぶどうなどを入れてもいい。 そうすると、なにもつけなくてもおいしく食べられる。 他にも油のかわりにバターを使ったり、 イーストをいれて発酵させてふくらましたりと、 いろいろと工夫できるだろう。 もっともあまり工夫すると手間が増えて利点が失われはするのだが。

まとめ

このパンの利点をまとめると、

といったところだ。メシばかり食っているのも飽きるし、 弁当がほしかったところでもあるので、 私としてはこれの作り方を知って大助かりである。


もどる