だだもれ

2014年08月31日

土曜はひつじこ実家。家の壁が壊れて、 ただ直すのか、ついでにリフォームなのか、 いっそ建て替えなのか、みたいなことでもめていたので、 無理矢理私が状況を整理してみた。 どうやらうまく行ったらしいが、正直とても誉められたものではない。 一歩間違えば詐欺師の手口だ。

プロジェクト運営や売り込みと、やることは同じ。 関係者が求めているものは何か。食い違いは何か。 邪魔しているものは何か。そういうことを整理して、 どうにかする。おおよそのルートと避けるべきことは 前もって想像しておくが、あとはその場のノリだ。 ここの所会社でも口先三寸でどうにかすることばかりしているので、 そういうスキルが鍛えられたようである。実に良くない。

しかし一度に気持ちよく合意に至っても、 それを維持し、実際に実行する所まで持っていくには絶えず見ていないといけない。 そっちの方が神経を使う。他のことなんて全然できない。 コードを書けないのはそのせいだが、 今はコードを書いている場合ではないのでそれでいいんだろう。 問題は、プログラムの技が錆びつく危険があることと、 全く仕事しているように見えないことと、 自分でも全く仕事している気にならないことだ。 本当に仕事をしていないのかもしれない。

その件が落ちついたところで福島へ出発。 飯の後「不愉快な話しようぜ」と言って、弟と両親を無理矢理 テーブルにつかせた。もちろん癌の話だ。 今後の方針と、木曜医者に何て言うかである。

父は腫瘍マーカーを気にしている。 減ってるならまだ手術しなくていいんじゃないか、ということだ。 そうかもしれないし、そうでないかもしれない。 原発巣が縮小を続けていて、そこからの転移の危険がないのであれば、 急いで手術する必要はない。しかし、何かの拍子に 制御不能なほどの速度で拡大に転じる可能性はあるし、 小さくなったからといって転移しないとは限らない。 しかし一方で、すでに転移がある場合、手術によってそれが活性化するかもしれない という怖さもある。そもそも転移がすでにあるなら、手術は無駄どころかマイナスだ。 原発巣が転移巣に増植抑制シグナルを出している可能性があるとは良く言われるし、 手術によるダメージで免疫が弱って転移癌細胞との戦いが 不利になることもあるかもしれない。 短期的には点滴からの糖分と、それを抑えるインスリンによる 癌細胞の活性化がありそうだし、 そもそも手術でまともに食えなくなれば長期的に 栄養状態が悪化し、やれる運動も限られるから肥満の解消も難しくなる。 食えなくなるので痩せるだろうが、筋肉量を減らさないのは難しい。

とりあえず、腫瘍マーカーは前回の診察時に採血しているので、 明日私が代理で行って結果をもらえるかを聞いてみる。 もらえれば、木曜の診察前に意思決定のためのデータが一つ得られる。 しかし、通常の治療手順から言えば腫瘍マーカーなんてどうでもいい、 ということは父に再三言っておいた。 医者に腫瘍マーカーが見たいと言っても「あんたらわかってないな。無意味だ」 と言われるし、事実言われている。 現状科学的根拠がある治療としては、手術以外の選択肢はないのだ。 ただ、その「科学的根拠のある治療」での生存率が40%を切っている というだけのことである。

「切らなければ死ぬ」は医者にとっては100%だ。 そして、「早く切るほど生存率が上がる」も医者にとっては確実で疑う余地もない。 糖尿と肥満、筋肉量が急ピッチで改善中であるということは、 医者にとっては考慮に値しない。 抗癌剤の後2ヶ月以上空けて手術した経験はなかろうし、 まして、手術をしなかった経験もないだろう。 経験がないことは何も言えないので、経験のある手順を勧めようとする。 切れば30%くらいの確率で5年以上生きるのであって、 抗癌剤が効くほど確率が上がるという経験的な事実からして、 もう少し高い確率になるだろうとも言える。 「オレが切らなければお前は死ぬのだ。切れば30%もの確率で生き残れる。 切りたくないなどと言う理由がわからん」というわけだ。 何が食い違っているかと言えば、 「切らなくても死なないかもしれない」あるいは「早く切るよりも少し待った方が 生存率が上がるかもしれない」とこちらが思っていることである。 医者はそれを間違いだと確信しているが、 それをうちらに納得させるのは難しい。 無治療のデータは乏しく、手術を延期したデータも乏しい。 術前療法で腫瘍が消えたケースですら手術するのが普通であり、 放っておいた時にどうなるかなんてほとんどデータがない。 もちろん、何か理由があって手術できなかったケースはあるだろうが、 大半は手術できないほど状況が悪化しただけであって、当然経過は悪い。

もちろん、こちらとしては、「わからないんだから可能性はある」 なんて生温い判断をするわけには行かない。そんなことをすれば弟は死ぬ。

折衷として、肺をさっさと片づける、という選択肢はあるだろう。 肺は切ってもさしたる後遺症は出ない。肺活量は落ちるが、 鍛えればそれほど問題ではなくなる。 それで一つ安心できる要素が増えるのだから、悪いことではない。 しかし、原理的に言えば、肺を切って安心できるのであれば、食道も切るべきだ。 肺を切らないと安心できないのは、それが急に大きくなったり、 そこから転移したりするのが怖いからである。 だがその危険は食道の方がよほど大きい。 一度も大きくなったことがない肺癌と、一度もう一回倍加すれば 完全に食道を塞いでしまうほどに大きくなった食道癌とでは、 危険度が違いすぎる。食道の外壁まで癌が貫通していたはずで、 癌細胞が残っているならいつ血管に入りこんで流れていくか知れたものではない。 とはいえ、肺を片づけておくのは魅力的な考えだ。

とりあえず、腫瘍マーカーの値をもらってこよう。とっくに結果は出ているはずだから、 木曜より前にこの情報を得ておきたい。診察の場でいきなり出てきても たぶんまともに考えられなくなる。 というわけで、明日は病院。行ってもらえなければ仕方ないが。

弟が痩せない。かなりの運動量ではあり、体は締まってきている印象がある。 だが、手術の邪魔になる腹と胸と首の皮下脂肪が減らない。防風通聖散でも飲ませて 減量を加速すべきなのか。まあそのへんは木曜に漢方医に連れていくので、 そこでアドバイスをもらえばいいだろう。 今はとにかく水泳に励んでもらうほかあるまい。 荒療治としては、一日二食に落とすという手があるんだが、 蛋白が不足して筋肉がつかない危険もあるのが厄介だ。

2014年08月29日

そういえば、読影医のレポートには「肺転移巣に著変なし」 と書かれていた。転移巣じゃなくて別の癌って話だったんじゃないの? 聞いたら、読影医が勘違いしただけで別の癌だとのこと。 しかし、未だに私はそれを信じられないでいる。 肺と食道が別物だという診断を下したのは別の病院の医者であり、 しかも「あまり肺の細胞が取れなかったんで確実ではないけど」 という但し書きがついている。 がんセンターでは改めて肺癌細胞の採取は行っておらず、 病理サンプルが元の病院からがんセンターに送られてきている気配もない。 一体何を根拠に別の癌だという診断を下したのだろうか? これはステージの見積りについても同じことが言えて、 元々の根拠は別の病院でやったPETっぽい。 しかしあのPETはバックグラウンドが大きくてはっきりと言えるようなものではないと、 別の元放射線医が言っている。膵臓の近くに集積があってヤバい、 というのはPETでの診断の話だろう。 これがもしCTで見てもリンパ節が腫れているということであれば明らかだろうが、 これも根拠を聞いていない。

たぶん、どうせ手術するので切ってからステージを確定させればいいと 思っていたのではなかろうか。ステージが3であれ4であれ 年齢から言って手術しないという選択肢はないはずで、 であるならばステージを正しく定めることに意味はない。 抗癌剤やって手術、ということは変わらず、 手術すればステージが決まるからだ。 であれば、ステージの見積りに手間をかけないのは合理的だということになる。

2014年08月28日

がんセンター。

PET検査の結果が出たが、外科医はそれについては触れず、 血栓なくなったんで手術です、いいですね、 という感じに会話が始まった。 PETどうだったの?と言ったが、 PETがどうあれ手術することに変わりはない、と言われた。 とりあえずPET検査のレポートには「集積なし」と書かれていた。 光ってないんじゃん!10万も払って検査してるんだから、 まずそれを言えよ! 結局診察中に画像は見せてもらえなかった。

データを焼いてもらうよう頼んだら、 何に使うのかと聞かれた。 知り合いの医者に見せてお話を聞きたい、 と言ったら、鼻で笑われたように見えた。 見えただけで、そうではなかったのかもしれない。 こちらが過敏になっていただけかもしれない。きっとそうだろう。

手術しなかったらどうなるのか、とか、 手術を延期したら危険なのか、とかいう質問に対しては、 術前化学療法と手術はセットなので手術するのが当然、 とのことで詳しい返答はもらえなかった。 手術をしないで放置した人なんていないらしいし、 抗癌剤をやめて2ヶ月もすれば増殖が再開されるものらしい。 しかし、術前療法の後で数ヶ月放置した例なんてたぶんないんだろう。 前回がんマーカーも測定してもらう話になっていたが、 「測定する必要ない」とのこと。 確かに手術をするなら必要ないのだが、 月に一回は保険が効くのだしやってくれてもいいじゃん見たいんだから、 と言って、血液検査を入れてもらった。 ついには、家族がゴチャゴチャと惑わすようなことを 言って本人がかわいそうだとか、 ここはパブリックな病院でプライベートな病院じゃないんだとか、 言われた。 術後の後遺症が心配、ということに対しては、 「来ている患者さんを見てほしい。みんな歩いて元気に来ている。問題ない」 との返答。頼もしいとも言えるが、医者がそう断言していいのかという気もする。

こっちとしては、現時点の状況を踏まえて、 手術をすることが生存率を上げるのかどうかを知りたい。 そして、やるとして今すぐにやらねばいけないのか、 先延ばしにすることがどのように危険なのか、 ということを理解したい。 危険が増大しない範囲で先延ばしにすれば、 それだけ生活の質が高い期間が伸びるし、 体も鍛えられ、脂肪も減らせ、 糖尿も軽減できるのだ。そう聞きたくなるのはそうおかしな話でもないだろう。 また、術後の後遺症がどのようなもので、 それが生きられるのであれば十分に我慢できるものであると納得したい。 さらに、再発の可能性が60%以上あるとしても、 手術をしない限りは必ず死ぬのであれば挑む価値がある。 それを納得したい。そのための論理が欲しいわけである。 しかし、それを医者に説明しろと言うのは酷な話だ。 そんなことまでするだけの給料はもらってないだろうし、 そんなことまで要求できるほど金を払っているわけでもない。 にも関わらず、だからといって引き下がるわけにも行かない。 なにせ命がかかっている。

新しい情報。 抗癌剤のあと二ヶ月も経てば癌が増殖してくる、とのこと。 だから小さくなっているうちにやるのだと言う。 ちょっと調べたくらいでは、抗癌剤をやめた後どれくらいで増殖が再開されるかの データが見つからない。 抗癌剤をやめる時というのは、抗癌剤をやっていても増殖が再開 されてしまう時が多い。また、体力的な問題で中止した場合は 体がボロボロになっているのでそれもまた参考にならない。 術前療法程度の抗癌剤治療で中止した場合のデータってあるんだろうか。 医者や研究者レベルでないと答えられないだろう。

もう一つはダウンステージングについて。 仮にステージ4の再発率が90%で、ステージ2の再発率が40%だという時、 術前療法によってステージ4がステージ2まで縮小すれば、 再発率は40%まで落ちたとみなせる、と取れる発言だった。 リンパ節転移がなければ、すでに弟の癌はステージ1とすら言えそうなサイズまで 縮小しており、それならば5年後生存率は80%にもなる。 ならば手術しないなんてありえない、という論理展開だろう。

しかし、それは本当か。 元々が小さいほど転移の確率は低い。 デカくなるほど遠くに転移する確率が高い。 手術で取り切れるのであれば、転移がなければ再発しない。 抗癌剤で小さくなったとしても、 一旦大きくなった歴史がある以上、元々小さかったよりも 転移の確率は高いはずだ。 まして弟の癌は食道の壁を貫通している。転移の確率は相当に高い ように思われる。 にも関わらず再発率が同じであるとすれば、 ダウンステージングするほど抗癌剤が効く場合には 体に散った癌細胞も十分に殺せている、ということになる。 抗癌剤は散った癌細胞をそんなに都合良く殺し尽せるものなのか。 そして、そもそもダウンステージングした患者の生存率の統計など あるのだろうか。 臨床病期(CTやPETや内視鏡で決めたステージ)での統計と 病理病期(手術で取った後顕微鏡で見て決めたステージ)での統計を 比べれば、術前療法でステージが落ちた人がたくさんいる場合には 病理病期での生存率が臨床病期の生存率より高くなるはずだが、 開けてみたらもっと進んでた、というケースがあれば 相殺されてしまう。 「効いた人は生存率が高い」という曖昧な言い方しかできない 程度のデータしかないのではないのか。

とか書いておいてなんだが、医者の言うことはもっともだ。 まず前提として、癌細胞がゼロでなければ必ず再発して死ぬ、 という世界観がある。この世界観を了解するならば、 抗癌剤だけやって放置することなどありえない。 また、糖尿や肥満が手術の妨げにならないのであれば、 手術を延期するだけ進行するわけで、 延期するという選択肢はありえない。 データがあることだけを考慮し、データがないことの影響は ないものとして考えるならば、至極まっとうな事を言っている。 糖質摂取の癌への影響はデータがない。 放置した時の影響はデータがない。 抗癌剤と手術の間隔の影響についてもデータがない。 言い方がきつくなるのも、患者がおかしな情報に ふり回されているのを助けるためであればまっとうだし、 それをうちらはありがたがるべきなのだろう。

しかし、医者の言う通りにしていれば、糖質制限などしなかったし、 今もSU剤を飲み続けていたはずだ。 それが癌の成長にどう影響したかはわからないが、 少なくとも体脂肪率と血糖値の改善はこれほどには ならなかったはずである。 インスリンが癌の増殖を促進する、 血糖値が高いほど癌の予後が悪い、 といった報告は論文のレベルで存在しており、 エビデンスとしては弱くても無視する気にはなれない。 許容できる手間、コストであれば、 やった方が良さそうなことはなんでもやるだろう。 そして実際、PETで集積がほとんど消失するほど 抗癌剤が効く、という状態になったわけで、 なおさらこれまでやってきたことが無関係とは思えなくなってくる。 現在の医学から言えば「たまたま」で片づけるのが合理的だろうし、 医者もそう思っているのがありありとわかるのだが、 とてもじゃないがこれを「たまたま」とは思えない。 3月から4月にかけての腫瘍の成長はとんでもない速度だったはずで、 3月には普通に食えていたのが、4月には水を 飲みながらでないと物を食えない状況に陥っていた。 それだけの増殖速度だったものが、1回の抗癌剤で 9割以上体積が減り、そして最後に抗癌剤をやった7/16 から1ヶ月以上経っても増殖の傾向はない。 効きが悪いと思われた肺も、 8月初めのCTと今日もらったものを比べても縮小傾向にあるように見える。 もし来週出る腫瘍マーカーが減少していたとすれば、 抗癌剤が終わった後も腫瘍が縮小しているという可能性が出てきやしないか。 ちょっとだけ様子見ちゃダメ?と言いたくなるのも無理のないことではなかろうか。

で、来週どう返答するか。最後は弟が自分で決める。 しかしそれはそれとして、私は自分だったらどうするかを 考えるべきだろう。まず、腫瘍マーカーがデカくなっていれば 手術する。これはたぶん迷うべき点ではない。 9.8あったCEAが少しでも上がるなら、癌が反撃に転じた可能性がある。 そこで延期は命取りになるだろう。 問題は減少していた場合だ。延期したくなる。 だが、延期するという選択肢を医者が認めてくれるのか。 毎月CTを取れるのかとか、自費でもいいから二週間に一回腫瘍マーカーを 計ってくれとお願いしてできるのかとか、そのへんがわからない。 病院や国家財政に余計な負担をかける行為であり、 パブリックに考えれば我侭以外の何物でもないのだ。 医者としても面倒くさかろう。

後遺症の軽い肺を先に片づけて、食道はやらないといけなくなってからやる、 という選択肢もあると思うんだけどなあ。肺だけなら食事や運動に ほとんど影響が来ない。

書き忘れた。もって帰ってきたPETデータを早速見てみたのだが、 なるほど集積は見当たらない。 4/3のデータでは真赤になっていた肺と食道胃接合部だが、 今回は肺が少し青く、食道も青っぽい程度だ。 食道は周りも同じくらい青いのでよくわからない。 一方、肺は周辺が真っ黒なのに腫瘍が青いので、 まだ癌細胞が生きているのだろうという気はする。 しかし炎症反応でもこの程度の色はつくので、 死んだ癌細胞を掃除している最中だというだけかもしれない。 ただ、癌細胞が一つ残らず死んでいると信じることはできない。 そもそもPETは5mmくらいはないと見えないわけで、 5mmもあれば中の細胞数は億単位である。 一つでも残れば再発するという世界観に照らせば、 PETなんてやる意味がないわけだ。

なお、4/3のデータは絶食が甘かったのか全体にぼんやり光っていて かすかに光っている場所があってもわかりにくかったのだが、 今回は糖質制限のおかげで実に綺麗だ。 心臓も胃も肝臓も暗い青で普通よりずっと暗いので、 リンパ転移などがあれば見えやすかろう。それでも何も見えない。 少なくとも、現時点で明らかなリンパ節転移はないんだろう。 読影医によるレポートにも「集積なし」とあったのだし、 専門家的にもPETでわかる転移はない、ということは言えるのだと思われる。 そのレポートはもらったデータに入っていなかったのだが。

医者が「もしリンパ転移がなければステージ1で80%治る」 みたいなことを言っていたのは、このPETの結果を見ての発言かもしれないな。 しかしそれはそれで「一つでも残ったらアウト」という世界観と矛盾する。 前のPETでリンパ転移があるとみなされているわけで、 今回なくなっていたとしても、それはPETで見えなくなっただけのことだ。 癌細胞がゼロになったと信じることはできない。 一度N1がついた以上、今もN1とみなすべきではないのか。

そういうことは他にもあって、もしかしたら 「ゼロにならないとアウト」と厳密に考えている わけでもないのかもしれないという気はする。 例えば、乳癌では抗癌剤で小さくなれば切る範囲を縮めることがある。 それでも生存率が下がらないようだ、ということが知られているからだ。 しかしこれは「一回でも癌になった場所はアウト」という話と矛盾する。 「ダウンステージングの結果手術可能になる」という話もそうだ。 腫瘍がデカすぎて切れない場合に抗癌剤で小さくなっても、 元々癌細胞がいた範囲がデカいことに変わりはない。 切れる所を切っても、元々癌だった領域を残せば そこには癌細胞が多少なりともいそうな気がする。 しかしそれでも手術可能になったとして手術するわけである。 それで大丈夫なケースが十分な数あるからだ。

つまるところ、「一つでもあったらアウト」というわけでもなく、 「十分に減ればオーケー」というラインが どこかにあるのだろうと思われる。 そして、もし本当に「ゼロでなくても十分に減ればオーケー」 と考えているのであれば、それは癌細胞が増えずに 大人しくしたままでいる可能性や、 何らかの原因で癌細胞が死んだり殺されたりする可能性を 認めていることになる。それを認めなければ、 1個でも残れば必ず再発して死ぬことになるからだ。 ここの不整合はどう考えているのだろう。 あるいは、癌の種類によってそのへんが違ったりするのだろうか。

漢方クリニックの予約取った。弟を連れていく。 ダメでもともとだ。ちょっとでも調子良くなればめっけもんである。 そのうちひつじこを連れていきたいので、その前に下見を兼ねて。

というわけなので、CEDECの最終日は行かない。 会社に金出してもらって申しわけないが、埋め合せは 別の所でやる。でもまあ、夜の宴会くらいは行けると思う。 宴会行ってる場合じゃないだろという気もしなくはないが。

ひつじこがギリギリのところで怒らずにいてくれている。 これは漢方が効いているに違いない。 漢方を10種類以上ちょっとづつ買ってみたので、 これからいろいろ試してみよう。

2014年08月27日

「薬局製剤漢方194方の使い方」という本を頂いた。 役に立つ。そして何かと文章が面白い。

大黄甘草湯は胃腸が炎症して嘔吐がある時に、消炎しつつ下から 出す、という薬らしい。単なる便秘薬として使うなら 麻子仁丸の方がいいのか。

打撲による内出血はオ血なのか。通導散を使うと。

小柴胡湯はサイコ3.5、ハンゲ2.5、オウゴン1.5、タイソウ1.5、ニンジン1.5、 カンゾウ1.0、ショウキョウ0.5。 桂枝湯はケイヒ2、シャクヤク2、タイソウ2、カンゾウ1、ショウキョウ0.75。 桂枝湯を半分にして、小柴胡湯を2/3にして足すと、 だいたい柴胡桂枝湯になるのだが、だいたいだ。 調合まではしないという前提を置くと、必要な薬の種類が増えすぎる。 常備薬として何を置くかは悩ましい問題だ。

2014年08月26日

「長生きしたけりゃデブがいい」という本を読んだ。 BMI30あっても大して寿命は縮まない、というのはいいんだが、 それならば何故運動とかトランス脂肪酸とか言い出すのか。 「おまえはそれでいいんだ」と全身全霊で言えばいい。 「目指すべきはマッチョデブだ」とか言うのはインチキではないのか。 マッチョデブはそもそもデブじゃないだろ。 運動して筋肉つけるような人はそもそも太らない。 「歩くだけでいい」と言うが、一日30分も歩く意思があったら 問題があるほど太ることはまずないように思える。 炭水化物の食べすぎは良くないと言うが、 炭水化物を食べすぎるからこそ太るのだ。減らしたら痩せるだろ。

糖尿病になっても太っても寿命には大して影響しないから気にするな、 とはっきり言えばいいと思うのだが、 それが事実に反するからこそマッチョデブとか言い出すんだろう。 肥満と糖尿がヤバいのは統計に十分現れている。 死亡リスクが顕著に現れなくても、諸々の病気になる確率は跳ね上がるのだ。 進歩した医療によって死なずには済むが、生活の質は明らかに下がる。 170cmで85kgくらいまでは問題ないとあるが、 弟を見ているととてもそうは思えない。 70kgまで減った今ですら、健康的なレベルには程遠い。 「筋肉質で活動的なのであれば」という条件がつくのは明らかだ。 そんなのは少数派だろう。「健康なデブもいる」というのは 間違いではないだろうが、「だからデブでいい」とは到底言えまい。

この本の主旨は、「太っていることが即悪いわけではない」 「痩せようとしすぎると健康を害する」というあたりにある。 栄養不足に陥るくらいならデブの方がいい、という程度のことだ。 編集が売れそうな題名をつけたのが悪いとしか言いようがないが、 実際問題それくらいの題名をつけないと、内容的には 大して面白くないのだから仕方ないのだろう。 最終章が漢方なのもどうだかなあと思うし。

日本の漢方はパターン認識でできている。 何が起きているか、何が原因かはわからないし、知る気もないが、 とにかく何々という薬で治るタイプだ、ということがわかれば、 病気は治せると考える。 「がっちりしてて汗かいてなくて肩凝りがある風邪患者は葛根湯で治る確率が高い」 みたいなものをどれだけ積み上げられるかが問題で、それが全てだ。 正直学問としてはどうかと思うが、実用的ではある。 求めているのは病気を理解することではなく、治すことだ。 十分な率で治せるのであれば、それ以上を求める必要はない。 西洋医学の補助として使うのであれば、なおさらそうだ。

一方、中医学はだいぶ違う。理屈を使って打率を上げる方向に進化しており、 多少なりとも応用性を高めようとしている。 ただ、その理屈が西洋医学とあまりに違いすぎているために 食い合わせが悪い印象はあるし、どうせメインは西洋医学だとするならば、 ここでそんなに理屈をこね回すのはコストパフォーマンスが悪い。 「漢方薬の考え方、使い方」に書かれた理屈は正直使いこなせる気がしない。 とは言え、この理屈があれば、ある状況にある生薬が適合するかどうかを 多少は予測できるし、成分を加減したりもできる。 しかし、現状日本において漢方の主役は100種類だかある既成の調合済みの 薬だ。普通の医者や素人にとって、素材を煮て薬を準備する という選択肢は事実上ありえない。そうなると、加減するということ自体がない。 加減や混ぜ合わせをするくらいなら、その100種類に加減したものや混ぜ合わせた ものを追加して元々の種類を増やす方を選ぶ方が良く、 ツムラが用意している150種類から最も適合するものを選ぶ、 と単純化してしまう方が現場では実践的である。 素人が漢方をやる場合はなおさらそうで、そのへんで買える20か30種類のうち どれを家に置いておけば最も効率が良いか?という問題になる。 なおさら中医学の出る幕はない。

2014年08月25日

五苓散は水分分布改善の第一選択。便秘は麻子仁丸が無難。 湿疹は十味敗毒湯や黄連解毒湯。喉のうるおいが足りない時や空咳が出る時は麦門冬湯。 風邪には麻黄湯、葛根湯、桂枝湯。 長引いたら柴胡桂枝湯か小柴胡湯。鼻水と気管支症状がある風邪は小青竜湯。 急性期の漢方はそんなもんか。 家に何を置いておくかは考える必要があるが、 それ以前にまずは実験しておかないといけない。 麦門冬湯はすぐ試せそうだな。体に異常がなくても効果はわかるだろう。

あとは、慢性症状に関する実験はどうしようか。 排尿障害、手足の冷え、ドライアイ、口渇、たまに出る脇腹でのつっかかり感、 左耳難聴、ハゲ、風邪を引きやすい、脇腹の脂肪が何故か取れない、 精巣静脈瘤、昔ローを食らって以来の右足首の違和感、足の親指の痺れ、 こむらがえり。 生活に支障がなく、物によっては治る見込みもなさそうなものだ。 これらが漢方でどうにかなったら面白い。 うち、手足の冷え、口渇、こむらがえり、足指の痺れは治る実感がある。

今日は足が冷えている。ここ数日出ていなかった症状だ。 昨日は外出していたこともあったし、 ゆえあって大黄甘草湯を飲んだので、十全大補湯を飲んでいなかった。 まさかあの量で効いているのか。 実験の質を上げるために、しばらく八味地黄丸だけにするつもりだが、 それで冷えが軽減せず、十全大補湯にしてから治れば、 十全大補湯が効いているということになる。

大黄甘草湯は良く効いた。大正の漢方便秘薬を規定の量の倍量飲んで寝たところ、 朝かなりたくさん出た。西洋薬で下す時のように不自然な出方はしないので実に良い。 なお倍量とは言うが、医療用の標準量のものは大黄4gを用いており、 4錠で1.6gというのは40%でしかない。市販薬の規定量は、 少なくとも漢方については大抵半分以下なので、無視して倍飲んだ方がいいように思う。 もちろん物によるし、余裕があるなら規定量から始めて徐々に増やすべきなのだが、 風邪の急性期や便秘など時間がない時にはいきなり倍量でもいいんだろう。 効きすぎて副作用が出るよりも、効かない方が辛いのだ。 大して辛くないならそもそも薬なんて不要なのである。 しかし、常備薬にするには大黄甘草湯はキツすぎるかもしれないな。 買ってしまったので置いてはおくが、 ひつじこ用には麻子仁丸の方が無難かもしれない。 もっとも、ひつじこは虚弱だとばかり思っていたが漢方的には実証気味であるらしく、 麻黄や大黄でも大丈夫なのかもしれない。 だいたい昔から葛根湯飲んでたわけだしな。 それに、大黄甘草湯は芒硝が入っているような下剤よりはマイルドっぽい。 うちは家族揃って実証ということでいいのか。

むしろ私が一番虚証なのかもしれん。なにせ一番寒がりだ。 私以外の3人はまるで布団かけないもんなあ。腹出して寝てる、とかいう以前に そもそも着てなかったりとか。

漢方に関して行うべき実験。風邪に使えるか試す。 これには麻黄湯を試したい。鼻水が出たら小青竜湯を試し、 空咳が出たら麦門冬湯を試す。 次に風邪の予防。補中益気湯を飲んでおくのが簡単だが、 他の実験の優先順位の方が高いだろうな。 で、試したいのが、駆オ血剤の効果。 桂枝茯苓丸を継続して飲んだ時に何が起こるかが知りたい。

柴胡って主作用何なんだろ。「和剤」とか書いてる本もあるが、よくわからん。 「気を巡らせる」って何なんだよ。 西洋医学的にはステロイド的作用と言っているが、 それはそれで本質ではなさそうだ。 何やら効くんだろうからそれでいいんだが。

夕方分の八味地黄丸を飲んで20分、座っているだけなのに汗が出てきた。 首から上が熱い。ほてりという奴だろう。附子の効果だ。 また、今日の午前中は足が冷えていたのに、温まっている。 ただこれは歩いた後なので確定とは言えない。 数日でなくなるので、それまで飲み続けてみよう。 継続的にこのほてりが出るなら、八味地黄丸は合わないということがはっきりする。

家族はPETの結果待ちでそわそわしているのだが、 それで医者の治療方針が変わるようなことは考えにくい。 医者が方針を変え得るとすれば、 明らかな遠隔転移が出て手術をする意味がなくなった時くらいだ。 だから、これはこっちの問題だ。 そのまま手術に突入する条件を考えておかねばならない。 集積が消えていても手術をするのか、 集積が大きくなっている時に限って手術をするのか。 最終的には弟が自分で決める他ない。 決めるための材料を持っていなかったとしても、それを決められるのは本人だけだし、 そうすべきだ。しかし私も素人なりに材料を集めよう。

漢方は少なくとも助けになる。 一度漢方医に連れていきたいものだが。

ひつじこ達が帰ってきた。てっきり木曜くらいまで実家にいるものだと思っていたが、 オタマが帰りたいと言ったそうだ。

2014年08月24日

一元製薬の十全大補湯が、100錠あたり ニンジンが4.39gしか使われていない。 日本薬局方によれば、一日分のニンジンは3gだ。 3gになる量は68錠で、一日3回なら一回23錠にもなる。 だが、一回4錠が標準と書かれている。 一方クラシエのエキス錠の場合、 12錠あたり1.5gのニンジンを使用している。 倍量飲めば3gとなり、これは無茶な量ではない。 この差は何だろう。

一元製薬の方は、エキスではなく粉末を使っている。 エキス、というのは煮汁を乾燥して作った粉だ。 揮発性の成分は飛んでしまっている。 さらに、汁に全成分が移行するわけでもなく、ダシガラに残ったまま 捨ててしまう成分も多い。 一方、素材の粉には様々な成分が残っているし、 一切無駄になることなく飲んでしまえるので効率は良い。 ただし、繊維その他の不溶性の成分が混ざるので、体積が減らずかさばる。 一元製薬としては、こんなに少ない材料であっても 粉末であることでより多い材料を使ったエキス製剤と 同等の効き目が出ると主張しているのだろう。 しかし、それが本当なら、材料費が安くて済むのだから 皆がエキスをやめて粉末にしそうなものである。 そうしない理由がどこかにあるのだ。

ひつじこ実家。母上に防已黄耆湯を試してもらうべく置いてきた。 最近は漢方っぽくない漢方薬が多く、 これも「コッコアポ」という名前で売られていた。パッケージも漢方っぽくない。 いいことだと思う。 ついでにシノンに小建中湯を試させようと思ったのだが、なかった。 子供用漢方といえば小建中湯、というくらいにメジャーらしいので 一度試そうと思ったのだが。

アルドノアゼロを7話まで見たわけだが、何故か面白くない気がする。 話が適当すぎる。 姫が正体を明かして戦艦を動かすなんてのは相当重要なシーンのはずで、 端折っていいものじゃない。そもそも、戦闘中に済むことじゃないだろう。 思い返してみればこの前も面白くなかった気がするし、 下手をするとその前も怪しい。 つうか、マリト大尉のトラウマは一体何回繰り返されるんだろう。 もはやギャグとしか思えない。 3話は面白かった気がするのだが。

2014年08月22日

漢方が熱い。正直おもろい。 漢方の薬剤師のブログは大抵面白いのだが、 とりわけ香杏舎銀座クリニック にある文章は別格に面白く、タダで読めていいのかと思うレベルである。 これを読んで、漢方はインチキだと思うのはかなり難しい。 そもそも私はインチキとは思っていないのだが。

私は気功とか鍼灸とか漢方とかには効果があると思っている。 少なくとも、漢方の効果はゼロではない。 私は脚がつらなくなった。口渇もほとんどない。 そしてひつじこはここ数日怒ってない。 今日はかなり危険な臭いがしたが、寸前で踏み留まっている。

そういうわけで、オタマにも試してみたくなった。 まずは錠剤を飲む練習からということで、 味がなく害もなさそうなミヤリサンで練習させている。 エサはどらやきだ。 「甘い物を食べると痒くなるよね。だから痒くならないようにお薬を飲む練習をしよう」 というわけである。今のところ3から5回水を飲んでやっとこさ飲み込める感じだが、 いずれほぼ1回で飲めるようになったら本当の漢方を試してみようか。

何で試すか。ロート製薬のヌルい漢方は舐めても甘いので 丁度いいかと思ったのだが、血流改善の薬はないようだ。 あざや虫刺されがなかなか治らないのはひつじこから受け継いだ性質なようで、 血の巡りが悪い印象がある。 補中益気湯でもいいかと思って裏を見たが、 「5歳以下は飲ませないでください」とある。 自己責任ということだ。まさか重篤な副作用があるとも思えないが、 こう書かれると気分が悪い。 専門家に相談すべきということなのだが。

2014年08月18日

「漢方薬の考え方、使い方」を買って読んでいる。難しいと言われている のは実にもっともだ。情報量が多すぎる。字がびっしりで、 段落が10行20行続くのが当たり前。しかし、内容の密度はすごい。

漢方が体や病気をどう捉えているかをある程度理解して用語も 覚えないと話にならない。その次に、各個の生薬の属性を ある程度覚えないといけない。そうでないと調合された方剤 を扱いようがない。実践しながら読まないとダメだろうなこれ。

2014年08月17日

ひつじこ実家の壁が壊れた。そんなこともあって 家を建てることについてちらりと調べている。 私の実家は6部屋ある平屋で、2300万くらいかかったらしい。 すげえな家。桁が違う。

昼間、胃に不快感。八味地黄丸の地黄による胃もたれだろうか。 あるいは、単に生クリームのせいだろうか。 とりあえず、今日も口渇はない。

東京駅の隣にある丸善で漢方の本を見てきた。 補完代替医療ガイドブックによれば、 鍼と漢方には一定の効果が期待できそうな感じだし、 弟の件だけでなく、うちの家族の健康増進のためにも 多少は知っておいて損はなかろう。そう思ったのだが、 実際に本屋まで行ったところでおじけづいた。 これ、どこまで本気になるべきなのだろうか? 本だけで2,3万使うくらいの本気を出すべきなのか、 「とりあえず癌患者は十全大補湯飲んでたらいいんじゃねえの? あとは専門家におねがい」 で済ませておくべきなのか。 ひつじこの西洋医学との相性の悪さを考えると、 漢方はそれなりには勉強しておいて損はない気はするのだが、 なんというか、本気を出すのがためらわれる分野なのだよなこれ。 癌関連の医学書を3万円分買って読むのは何ら抵抗がないが、なにせ漢方だ。 漢方だぞ?

とりあえず福田本を一冊中古で買った。 あと、すごく評判がいいが取っつきにくいと言われている 本を一冊買った。あとは結構図書館にあったので予約。 このへんだろう。あとは実践。 漢方出してくれる医者が近くにいればいいんだが、病院巡りするのも手間だ。 自力でやれるに越したことはない。

体重が減らずに体脂肪率だけ減るというのは不安だな。 体重計がそれほど体脂肪率を正確に測ってくれるとは思えない。 本当に減っているのだろうか。

2014年08月15日

芝居は見に行けばいいと思うなあ。結婚式に行く予定はあるわけで、 同じくらいの留守タイムだろう。

凄まじく空いたが仕方ない。twitterから拾ってきて再構成する。もう覚えてない。

6日のこと。

仕事中メガネのネジが飛んでなくなった。 元々ゆるんでたようだ。仕方ないのでいつもの通りセロハンテープ。 今まで壊れたメガネをセロハンテープで応急処置して使ってた期間は 合計すれば年単位になると思われる。 今回はネジさえあれば綺麗に直るはずだが。

その後何日か忘れたが、メガネ屋に行って無事直してもらえた。 メガネドラッグはアフターサービスが良く、今回もタダで直してもらえた。 しかし正直、受けたサービスの対価をその場で払う方が私は気が楽だ。 それが高いのは嫌だが、まあそんなもんかなと思える値段なら払う方がいい。

7日のこと。

今の仕事になって8ヶ月近く経つ。 未だに「誰に何で満足してもらうことを仕事とするか」がはっきりしない。 商品というかサービスというかが満たさねばならない条件は ある程度わかっているが、それを全部満たせば売れる(というか使ってもらえる) というわけではないし、 それを全部満たそうとすると大切なものが抜け落ちることになる。 「何故客はうちの商品を選ぶのか?」と絶えず問いかけないといけない。

満たすべき条件を満たすための作業は、必要とわかっていて、 しかも、可能とわかっている作業だ。 これは効率化すればするほど良い。同じ結果が得られればいいだけのことだからだ。 そしてこれを効率化しないと、 必要かどうかも可能かどうかもわからんことに割ける労力がなくなる。 客が欲しいと言ったものを作っているとどんどんジリ貧になるものだ。 すでに客になっている人の言うことしか聞かなくなるので市場が広がらないし、 積極性がどんどん失われて受け身になっていく害もある。 さらには、客に使われる立場になるために交渉力を失い、 こちらの労働条件や士気が確実に悪化する。 「これが欲しかったんだよ」と言わせるようなものをこちらから提案できなければ、 長期的には「死あるのみ」なのである。 これは直接金を取る製品では当然のこととして受け取られているはずだが、 間接部門のサポートであってもこれはあてはまる、ということは あまり知られていない。 言われたことをやってりゃいいと思ったら死ぬんだがな。

しかしそれはそれとして、仕事の8割は、可能かつ必要とわかっている 言うならばつまらん仕事だ。それを確実にやらねば未来どころか現在がなくなる。 明日を迎えるためには、今日食べねばならない。 だから、大事でないというわけではない。 ただ、それだけではダメだということだ。 ある程度はそれを犠牲にしてでも未来に投資する必要がある。 どれだけ締切やバグに追われていても、長期の投資を絞らずに耐えないといけない。

癌にいいサプリはあるか。福田一典氏のブログには山ほど書かれているが、 いちいち試していられない。何を指針とするかだ。 まず、体に入ってくる量が多い物質ほど影響が大きい、 と考えるのはある程度合理的だろう。 だから、真っ先にすべきは糖質制限である。糖ほど大量に入ってくるものはない。 次が蛋白だが、蛋白は食えば全てアミノ酸なのであって、 動物か大豆主体であれば質は問題にならない。 次が脂肪で、オメガ3と中鎖を摂れということだろう。 オメガ3は魚を常食する食生活へのシフトが済むまではサプリで補充する。 弟は魚より圧倒的に肉が好きだから、そう簡単にはシフトできない。

さて次は何か。繊維だろう。それも水溶性繊維だ。どうにか大量に食べた上で、 これを腸内で短鎖脂肪酸に変えてもらうために腸内細菌をたくさん飼う必要がある。 繊維の多い食生活へのシフトが済むまでミヤリサンで菌を補うのは 悪いことではあるまい。繊維を何で取るべきかは考える必要があるが、 とりあえず野菜食え、それも煮て食え、あとワカメ入れろ、でおおよそは済ませられる。 果物は果糖がついてくるので難しいのだ。

さて問題はそこから先だ。ビタミン、ミネラル、そして微量の植物性物質。 そこまで手を出すべきなのか? とりあえず口内炎が出てる時期には気休め程度に思ってマルチビタミンを置いてきた。 そして先日、何かと癌治療で見かける十全大補湯を送りつけた。 正直、ここまではコスト的には耐えられる範囲だ。 月1万円くらいまでのコストは、少なくとも数年の範囲は耐えられる。 市販漢方の錠剤を一種類飲むくらいならここに収まる。 たぶん、ここまでだろうなあ。煎じ薬まで行くとコストも手間も馬鹿にならないし、 怪しいサプリの類や、怪しい治療法の類はとても手を出せない。 免疫療法はピシバニールの注射くらいなら安いからいいが、 それを超えると一気にインチキの臭いがする値段になる。

弟が新東京病院を退院。がんセンターにて内科受診。内科医的には 血栓は確かにあったとのことだが、新東京では見つからなかった。 とりあえずd-dimerは高いのだから、どっかにあるんだろうということではある。

その後、外科。本来の医者が休みだったので、その弟子と思われる人が代わり。 そこそこ話ができた。手術は8末から9頭を予定していて、再建経路は心臓の前。 本来食道がある場所ではないが、本来の経路は奥すぎて、 何かトラブルがあった時に対処が難しくなるそうだ。 また、気圧の関係でつなげた胃が胸に引き込まれてしまうことがあるらしい。 虎ノ門病院でやっている腸を使った手術についても聞いたが、 安全性を優先するのでやらないとのこと。 手術が大きくなれば治りも遅くなるし、その間免疫が手薄になったり、 血行悪化による低栄養低酸素で残った微小転移が促進されることにもなる。 生存を優先するならやむをえんのだろう。 しかし、一生寝転がったり逆立ちしたりする権利を失うってのはなあ。

さらに手術準備外来。飲み込み訓練、呼吸訓練、あたりのレクチャー。 手術後のスケジュールもあって、次の日にはもうICUの中を歩かせるらしい。 食べるのは問題がなければ一週間後。その間は腸にチューブをつないで栄養をつっこむ。 絶対糖質だよねそれ。 あと、食い物の持ち込みはやめてくれとのこと。 かといって糖質制限への対処は無理っぽい。 入院中の食事は米まみれになるのは避けられないのかもしれない。 その段階でフォシーガを飲めればいいが、錠剤はきついよなあ。 砕いて粥に混ぜて飲めればいいんだろうが, それができなければインスリン祭になるだろう。

入院中はインスローなる糖尿病患者向けの高カロリー飲料があるとの話を聞いた。 その日のうちに売店で買ってどんなものか確認しようと思っていたのだが、 結局確認したのは14日。普通にカロリーの半分が糖質だった。 吸収が遅くなるようにしました、くらいの感じっぽいぞこれ。 パラチノースが主成分で、これは酵素による分解が遅いだけで、 フルクトースとグルコースになることに変わりはない。つまりしっかり糖質である。 全然ダメだろ。ゆっくりであってもインスリンが出ない糖尿病患者にとっては 同じなんだよ。そういうわけで、2本買ったが弟に渡さずに2本とも 持って帰ってきた。さっき1本飲んだが、実にマズい。

豆乳でいいと思うんだがなあ。いざ手術となったら医者に相談しよう。

弟としては、PETで光っていれば手術をすることは納得している。 ならばそれでいいのだろうが、本当にそれでいいのかはわからない。 たぶん永遠にわからないだろう。

9日のこと。

漢方を調べている。癌専門病院の中に漢方を出す部門があり、 そこの人が書いた本を読んだ。本当なら効き目はあると言えそうだ。 単に金になるということでもあろうし、 あるいは偽薬効果が大きいということかもしれないが、 害がなくコストが許容できれば、効果についてはそれほどとやかく言わない。 効果がわからないのは他も同じだからだ。 普通に売られている風邪薬ですら効いたと思ったことがないわけで、 「確認できない限りやらない」なんてことは言わない。 だいたい科学的根拠があると言われる抗癌剤にしても 「弟で効くかどうか」は事前にはわからなかったのである。

漢方はとにかく胡散臭いが、胡散臭さの源泉の一つが用語にある。 虚だとか実だとか、そういうのだ。腎とか肝とかも何か違った響きがあって胡散臭い。 まず、虚とか実とかいうのは、検査がロクになかった古代に どうにか診察するためのパターンみたいなものだ。 何分検査がロクにない時代のことなので正確なことはわからないわけだが、 それでもマシな診断をするための経験則は積み上がってきたわけである。 よくわからんにしても、漢方をやるなら無視できない要素になる。 まともな専門家に診察してもらえるなら任せればいいのだが、 まともな漢方医を探すのも面倒だし、まともかどうかを判断するのも容易ではない。 なので、割に合う範囲で知っておくのは悪いことではないだろう。 というわけで、自分で試す。勝手に診断して勝手に薬を選んで飲み、 どうなるかを試すことにしよう。

虚とか実とかいうのは、つまり元気がないのかあるのか、ということだ。 体温が低いのか高いのか、痩せてるのか太ってるのか、等々である。 声の調子とか、腹の柔らかさとかも対象になる。 要素ごとにバラバラだったらどう診断するんだろうと思うし、 「太ってれば実」はないよなと思うのだが、まあそこは踏みこむまい。 昔は過剰に太ってる人なんて珍しかっただろうからな。 とにかく、熱が高い人に発熱する薬を飲ませれば逆効果、 というようなことを言うための概念と今のところは理解している。

腎とか肝とかの用語だが、まずはこれが腎臓や肝臓とは何の関係もないものだ ということをわきまえておく必要がある。 それぞれの臓器が何をやってるかわからなかった時代の用語だし、 そもそも普段使っている腎臓とか肝臓とかいうのは元々漢方で使っていた 腎とか肝とかの用語から持ってきたものなのだ。順番が違う。 仏教用語の人間(じんかん)から人間(にんげん)という言葉を作ったようなものだろう。 そういうわけなので、「生命エネルギーが足りないのが腎虚」 みたいな言葉を見て「腎臓が生命エネルギーの中心とかねえよ」 と反応する必要はない。 ただ、全く関係がないと言うほど関係がないわけでもなく、 消化器系、循環器系、呼吸器系、といったあたりの分け方はできているので、 西洋医学との対応が取れないわけではない。 ただ、臓器をバラバラに見ることはあまりない、というだけのことだ。 例えば消化器系は「脾」という言葉で表されていて、ここを良くする薬は 膵臓に効くかもしれないし、胃に効くかもしれないし、 腸に効くかもしれないわけである。

で、値段。そのへんで買える市販薬は、一種類あたり一日300-400円で買える。 錠剤で300とか1000個とか入っているものであれば、一日150円くらいまでは落ちる。 月5000円を切るので、まあまあ許容できるコストとなる。 また、おおよそ顆粒は若干高い。個別包装せねばならないからだろう。 外出するのに持っていけるので便利、ということに払うコストでもある。 そして、これは試してはいないが、 漢方薬局で煎じ薬をブレンドしてもらう場合は、一日分1000円 くらいになるようだ。ただしこの場合、市販薬であれば複数種類 買う必要があるようなものを一緒にしてもらえるかもしれず、 あまり多種類買うなら安いかもしれない。 月3万払うとなると、数ヶ月で終わりにする目論見でやるべきだろう。 術後回復するまでとか、そういう感じだろうか。

市販薬にも、実はいろいろある。錠剤であっても、 素材の粉末を固めたものと、素材を煮た汁を乾燥させたものを固めたものの二種類ある。 後者はエキス製剤と言われ、そっちの方が品質が安定するが、 揮発性の成分は消えてなくなるので、元々の漢方と効能が同じとは言い切れない。 素材によっては炭酸カルシウムの粉だったりして水に溶けずエキスにならない ものもある。そういう薬は元々の名前が「〜散」とか「〜丸」とかで、 つまり煮た汁を飲むのではなく、 素材粉末をそのまま飲んだり、何かで固めて飲んだりする形態だ。 そういうもののエキス製剤では何かが失われている可能性が高い。

そのへんで買えるものの主流は利便性からエキス製剤がほとんどだ。 ただし、たまに素材粉末のものもある。原材料に「トウキ末」のように「末」 とついていればそれだ。クラシエの八味地黄丸の場合はどちらもあって、 エキスの方が元の素材の使用量は多いように見えるのに、 飲む量は一回4錠で変わらない。よくわからない。 漢方系ブログによれば、やはり素材を買ってきて煮て作るのが 最高という意見が多いのだが、 実際問題やってられないというのはある。水が半分になるまで煮る必要があり、 それに30分とかかかる。味も臭いもキツかろう。 錠剤の利点は味の心配をせずに済むことなのだ。 名前が「〜湯」のものはエキスでも可とし、 それ以外は素材粉末か、その錠剤を選ぶのが無難だろうか。

癌治療に良く使われるのが、十全大補湯らしい。 代謝促進、免疫刺激、等々いろいろあるようだが、 とりあえず元気にして血を作らせる薬ということになっている。 癌研有明病院の人が書いた本でも、一番登場頻度が高い薬だ。 福田一典氏の本でもこれが基本っぽい。 癌治療で弱ってる人を回復させるとか、 その後も飲み続けて再発防止とか、そんな感じである。 この「全体的に元気にする薬」を補剤といい、他に補中益気湯がある。 補中益気湯は主に胃腸を元気にし、十全大補湯は造血能を上げるらしい。 後述するが、ひつじこが風邪で寝込んだ時に試しに買ってきてみた。 効いているかはわからないが、三日でおよそ回復したので 害はなかったとは言えるのではなかろうか。 しかし、抗癌剤で受けたダメージを回復させるとか、 手術のダメージを回復させるとかには造血系をターゲットにする 十全大補湯の方がいいのだろう。

他によく出てくるのが、血の巡りが悪いのをどうにかする薬。「駆オ血剤」という奴だ。 オはやまいだれに於で、出てこないのでカタカナで書いた。 「女性の月経不順に」みたいな感じで店に置かれている当帰芍薬散が 癌患者にはよく使われるようである。 毛細血管拡張とか、発熱とか、利尿とか、そのへんの作用がセットになっている。

それにしてもこの漢方という奴は厄介だ。効くのかどうかがさっぱりわからない。 自分で人体実験するしかないだろう。 間違った薬を飲んで体調が悪化するならそれはそれでいい。 「毒にも薬にもならない」ということはないことがわかるからだ。

10日のこと。

ひつじこ実家。人体実験第一号として、近くの薬屋にあった猪苓湯を買ってきて 飲み始めてみた。排尿障害や口渇は改善するのか。しかし3日分だからな。 そんなもんじゃ変わらんか。 一応、小便の出が良くなった気がするが、99.9%偽薬効果だろう。 飲んでる間口渇がなかったのは評価できるが、これも怪しい。 そしてたった3日分で1300円は高い。

「エシャレット」はらっきょうらしい。 本当は「エシャロット」。日本のらっきょう業者が おしゃれ感を演出するために「エシャレット」という名前で売っているのだそうだ。 そして、小売もそのへんの事情を知らず、らっきょうを「エシャロット」として 売ってしまっているケースも多々あるらしい。 この前試したのは一体どっちだったのか。

11日のこと。ひつじこが熱を出して寝込み、なんかてんやわんやだった。 記録が残っていないので何をしたか思い出せない。 たぶんオタマを連れて補中益気湯やらOS-1やらを買いに行ったりしたんだろう。

12日のこと。

なので、オタマと外出。私は大きな本屋で漢方の本を漁りたかったので、 「大きな本屋行ってみない?」と誘い出して八重洲ブックセンターまで行った。 もちろん、本を見ている余裕などあるわけがない。 アナと雪の女王の絵本を買い、早々に出てきた。 その後東京駅の地下のプリキュアな店でリボンを買ってやった。 本当なシノンも連れ出したかったのだが、丁度寝ていたので置いてきたのである。 だからひつじこがちゃんと休めたかはわからない。

道中のオタマの退屈はソイジョイとブランパンの買い食いによってカヴァー。 問題なく食え、道中容易に手に入り、オタマが喜ぶ食糧と言えば、 ソイジョイかブランパンくらいなのである。

オタマは甘いものを食べると痒くなる。 だからオタマは甘いものはそれほど食べたがらない。 しかし以前ひつじこ実家でそうめんを食べて痒みが出たことがあった。 甘くないのに理不尽に感じたらしく、「そうめんは食べない」とお怒りだった。 そこで、「うどんや御飯はおなかの中で甘くなるんだよ」と教えておいた。 これで論理がつながる。不憫なことだが、体調が悪い時に糖質を食うと てきめんに痒みが出るのだ。いずれ頑丈になれば多少は食えるようになるだろう。 今でも幼稚園の給食くらいはさほど問題なく食えているのだし。

そういえば本屋で、「これとーちゃんが書いた」とオタマにアピールする 悪趣味な遊びを2回ほどした。3回やれるようにしたいが、 そのためにはもう一冊書かねばならないし、 加えて前二冊が売れ続けていないといけない。さすがに最初の本はもう無理だろう。 しかしそう思う一方、未だにアマゾン順位が4万以下に留まっているので、 本屋から消えてなくなるにはもうしばらくかかるのかもしれないと思ったりはする。

でも正直、アレはもう改訂しないといけない状態で、 このまま放っておくのは忍びない。とはいえ、改訂できる余裕などあるはずもない。 一番いいのは、あれを不要にする本が出て本屋から駆逐してくれることだ。 そうすれば改訂する必要がなくなる。ずっとそう思っている。 あれ、今から書き直すとしたらどうするかなあ。

13日のこと。

とりあえず時間もないので、弟に十全大補湯を2週間分送りつけておいた。 害にはなるまい。抗癌剤のダメージを多少でも回復させてくれることを期待する。 白血球が少ないままなのだ。

ひつじこがそこそこ回復したので、近くの漢方薬局に連れていって どんな感じなのか試そうと思ったのだが、お盆で休みだった。そりゃそうだよな。 元々私には季節イベントの感覚がないのだが、 ひつじこが寝込んだせいで余計にわからなくなっていた。

14日のこと。

がんセンター。血栓は数値としてはなくなっていた。でもワーファリンは予防的に継続。 先週に引き続いて弟子と思われる外科医の診察だったが、 おかげでまた質問ができた。漢方についてはお勧めはしないとのこと。 術後に六君子湯で回復が早まったみたいな研究はある、みたいなことは言ってたので 完全否定しているわけではないのだろうが、 「データがないものは積極的には勧められない」 という立場なのであればそれはそれで良いと思う。 勝手にやろう。もちろん告げる必要はあるが。

あと、再発率を聞いた。「人によるから単なる目安」 「ステージの診断も、本当は開けてみないとわからない」等々の予防線をはりつつも、 「60-66%くらい」との答えをもらえた。 まあそうだよな。これをはっきりと聞いておくことには 意味がある。再発率、と言うとわかりにくいが、これはほぼイコール死亡率である。 66%ということは、サイコロ振って4以下だったら死ぬ、ということだ。 それでも手術をするか、という決断が求められている。 医者が用意したレールにわけがわからんうちに乗るのでは、ダメだ。 意識としては自分で選び取らなくては、今後まずいことになる。

午後は雨の中オタマと公園。会話が妖怪ウォッチやらプリキュアやらに影響されていて、 なんというか幼稚園児だ。あの手のアニメを見せる必要はないといえばないのだが、 積極的に隠す理由もない。楽だし。 プリキュアはたぶん一緒に楽しんで見られるので、できれば一緒に見たいのだが、 まだ気に入った話をえんえん繰り返す状態で、 「次の話を見たい!」みたいな状態になってない。 もう少し待つとしよう。どうせ余裕もないしな。

傘振り回してまいんちゃんソング。エルサの魔法でスケート場を作って、 その上でハニュウが全って回る。 このフリーダムで再現のないクロスオーバーっぷりが素敵だ。

試しに八味地黄丸のエキス製剤を買ってきて、今日から飲んでみることにした。 比較的薬効の強い附子が混ざっているので、 良くも悪くも何かの変化はありそうなものである。 2週間くらいで何か変わるかなあ。

十全大補湯の大瓶を通販で注文。私が長期的に飲み続けて何が起こるか試す。 やはり弟だけに試させるのは不安だ。あいつ自分の体に鈍感だから、 何か起こってても気づかなかったりしそうだし。 八味地黄丸との飲み合わせが不安だが、 かぶってるのは地黄と茯苓と桂皮でさしたる量じゃない。 つうか、むしろ何か起こる方が情報が得られて助かる。 風邪ひきにくくなったりするといいなあ。

15日のこと。

ひつじこはほぼ復。風邪だったのか、それとも別の何かによる発熱だったのか。 ひつじこはオカルト属性なので、精神的負荷があると体を壊す。 ひつじこ実家でそこそこ事件があったので、それと無関係ではないのだろう。 なお、ひつじこは西洋医学と相性が悪いという属性も持っていて、 薬の副作用が大抵強く出る。何を飲んでも胃腸の調子が悪くなるのだ。 そういうわけで、以前から葛根湯を使っていたのだが、 今回勉強してみて、葛根湯はひつじこにはたぶん合わないということがわかった。 なにせひつじこは胃腸が弱く、体力がない。 葛根は発汗剤だが、筋肉の緊張などを抑える作用がある。 元々緊張してないダラリとした勢いのない人に用いれば、 余計にダラリとすることになる。また、麻黄は血管を拡張させ、心臓に負荷をかける。 胃腸も刺激する。そんなわけで、ひつじこ用の風邪薬を漢方でやるとすれば、 補中益気湯のような補剤でおだやかに改善するか、 香蘇散や桂枝湯を使うべきなのだろう。たぶん。 桂枝湯の場合、シナモンが発熱を促し、芍薬が消炎作用を持つ。 香蘇散は生姜やミカン、紫蘇などの香り成分で胃腸を良くするものらしく、 これも薬効が穏かなようだ。胃腸が辛い時にはいいのかもしれない。 咳や鼻水、解熱などに対しては、また別の何かを使うことになる。 まあまた風邪を引いたら、 もう少し真面目に調べてから合いそうなものを調達してこよう。 あるいは、その漢方薬局に行くか。 とりあえずは補中益気湯でいいんじゃなかろうか。少なくとも悪くはならんだろ。

まあ、いろいろやって全く変化がわからんようなら、完全に気休めということで良い。

八味地黄丸で排尿障害が軽減したらいいけどなあ。 そういえば、今は珍しく口渇がない。まだ3回しか飲んでないが。 あとこれで改善の可能性があるのは、末梢の冷えと排尿障害か。 しっこの勢いが上がるとは思えんけどな。物理的に膀胱の出口が狭くなってるわけで。

15日夜。口渇ないなあ。いつもならもう来てそうな気がするんだが。 尿の回数は普通に多い。末梢の冷えはさすがに夏なのでよくわからんな。 寝起きに脚がつるかとか、眼精疲労があるか、とかいうあたりも観察していこう。

2014年08月06日

8/4のPETがキャンセルされていなかったことが発覚。 新東京病院の医者は、がんセンターの医者に 「一週間くらい入院させます」と伝えたそうだが、 それがPETやら診察やらをキャンセルすることになるかはわからない。 実際ならかったようだ。

それで電話が来たらしく、その時に弟は内科医を通して PETの予約をやり直したい旨を伝えたようだ。 明日内科医の予約が入っていて、両親だけが言って 予約を取る話をしてくるようだ。

なお、あまりに弟が退院したいと言うので、医者も折れたらしい。 明日早朝の血液検査で何かの値(たぶんINR)が範囲内になっていれば 退院できるようだ。退院できるならば、がんセンターには弟も 行くことになる。私も行った方がいいよなあ。 時間が時間だけに確実に会議を欠席することになるので若干躊躇 してしまうのだが、まあ仕事どころじゃないよね。

仕事してる実感なんてまるでないんだが。 次から次へと物が出来ていくが、全部私以外の人がやったことだ。

2014年08月05日

弟は新東京病院にてヘパリン点滴中。ワーファリン開始。 調整がまだうまく行かないので、入院延長。 木曜はがんセンターの外来の予定だったが、たぶんキャンセルだな。

一週間足止めだなあ。まあd-dimerという血栓の出来てそうな度合いが 正常値0.5とかの所で5.8もあるので、血栓があることは間違いないのだろう。 これが十分に落ちるまでは危険すぎて手術できないとのことだが、 実際どれくらい危険なんだろうか。癌を放置するのも同様に危険なわけで。

弟の血糖値は空腹時に60を切るくらいになっており、 抗癌剤で入院していた時から見れば相当に改善している。 最近運動していたのが効いたのだろう。 HbA1cが改善し始めているはずだ。 しかし、8/1の血液検査では中性脂肪が159、LDLコレステロールが200超えで、 まだまだ改善が必要だ。 もっとも、2月か3月の検査では中性脂肪が400とかあったはずで、 それに比べれば相当に改善している。 だがまだだ。運動がここから先へ進むための鍵になると思うわけだが、 たぶん時間があればそれほど運動しなくても改善するんだろう。 ここ2ヶ月くらいは寝たきりに近いレベルだったが、 それは抗癌剤治療と、そのダメージのせいだ。

にしても問題はPETだな。この入院のせいで中止になってしまっており、 改めて頼まないといけない。しかも、前に頼んでオーケーしてくれた医者は内科医で、 今は主治医が外科医になってしまっている。

夏井氏の講演動画を見たが、一般向けだからか議論が粗い。 体は180gのブドウ糖を使い、220gの蛋白質があれば合成できると言う。 そしてその後、焼き肉食べ放題で400gとか食うでしょ?と言う。 いや、その中の蛋白質量は80gかそこらだ。全然足りんだろ。 その前に、脳はブドウ糖がなくても脂肪で動くと言っているんだから、 180gも使うのはブドウ糖が潤沢にある時の話だろう。 糖質を食べなければ脂肪でまかなうので、 そんなにブドウ糖は使わず、よって蛋白質を消費して糖新生する量は わずかで済み、よって筋肉は減らない、という流れにする必要がある。 しかし、そのデータがないのだろう。 糖質制限時にどれくらい筋肉が壊されるのか、というデータがなければ、 これをはっきりとは言えない。 もっとマクロに見て「筋肉減った人いないよ」と統計を出してもいいが、 それもまだ確かなデータがないわけだ。 どっかの論文、とかだと素人的にはピンと来ない。

やっぱり、糖質制限に関して半信半疑でいる、 医者でない人間の立場から書かれた本が必要な気がする。 自分の体で確かめられることと、疑いの余地がなくシンプルに理解できる理屈、 それに比較的身近な範囲で取られた統計、 をメインにして、断言を避けつつ妥当と思われる 選択肢を論理的に導いていく必要がある。 論文がどうとか、なんたら遺伝子がどうとか、統計の細かい話とかに 踏み込むと、素人にわからない所にウソがあった時に困る。 素人は素人が論理的に到達できる範囲での選択肢をまず考えるべきだ。 それを持った上で、専門家の意見を聞く方が納得のレベルが高くなる。

糖質は余ると脂肪になる。その脂肪は、まずは飽和脂肪酸だ。 糖質食べるのって、飽和脂肪食べるのと変わらないんじゃないの? 必要に応じてオレイン酸に変換されるはずだが、 それは食べた飽和脂肪酸でも同じだろう。

弟、ワーファリンが多すぎたようで、4つから3つに減らしたようだ。 そして、血液検査は3日後までやらないと医者が明言。 なんで?と聞いたら、ワーファリンの量を変えた後血の状態が落ちつくまで それくらいかかるからだと言う。ということは、金曜より早く退院できる望みはなく、 木曜の診察はキャンセルということになる。 ヘパリン点滴も延長らしく、そうなると歩き回ることすらできない。 本当に血栓ってそんなにリスクあるの? 血栓リスクとしては肥満と癌、抗癌剤があるが、 癌は小さくなったし、抗癌剤はもうやらない。 肥満はこれから運動で叩く。 であれば、リスクは減る一方なはずで、 こんなところで足止めを食い続けるのはどうかという気がしなくもない。

NHKスペシャル 病の起源 第1集「がん〜人類進化が生んだ病〜」を見た。 「人類だけが癌になりやすい」は良く聞く話で、 野生動物が癌になるまでもなく死ぬことを考慮に入れても 説明がつかないほど癌が少ないそうだ。 この番組では、人類が年中発情期になるように進化したことが 影響していると言っている。 精子をつくりっぱなしになることと、癌化に関連があるという。 この仮説を検証する方法はあるか?なければ役に立たない。 さしあたって、癌化した細胞がどれくらい精子の 分裂機構を持っているかを調べねばならない。

もう一つ、脂肪酸合成酵素の高性能化。脳をデカくするために必要だったと言う。 癌細胞は分裂のために脂肪酸を大量に必要とするが、 あるものだけでは足りない。だから合成する必要がある。 脂肪酸合成酵素を叩くタイプの抗癌剤が開発中で、ここに目をつけている人は大勢いる。 しかし、それ本当に脳の巨大化と関係あるか? 脳の脂肪酸組成上、DHAやEPAなどが多いはずだが、これは合成できない。 オメガ3油を大量に食える環境にあった、ということではないのか?

次が日照の問題。紫外線を多く浴びるほど癌が少ないと言う。 もしそんなことがあるならビタミンDが関連するだろう、ということだ。 さて、これを確認するには、低緯度地域と高緯度地域に同じ人種の集団がいる時に、 癌の発生率がどれくらい違うかを見ればいいのだが、 残念ながら地域が違えば経済水準が違うので単純に比べられなくなる。 ビタミンDをサプリで摂るのは悪いことではないかもしれんな。 安いし、副作用は問題にならないだろう。 日照を当てにするのは不確定要素が多いので、 ある程度の量を口から摂っておきたいところだ。

最後が夜間勤務。夜働く人は癌になりやすいという。 それ、睡眠時間とか、食生活とかに差はないの? とりあえず、夜寝ることでメラトニンなるものが作られ、 それが癌を抑制するそうだ。ネズミの実験では差が出ているようである。 メラトニンのサプリは日本では買えない。 夜寝ろってことだな。

全体にこの番組、誘導的すぎて信用ならないわけだが、 ビタミンDをサプリで補充するくらいは悪くないかもしれない。

FASを標的とする抗癌剤の話。正常細胞を壊さないと言うが、 正常細胞だって脂肪合成するぞ。脂質合成をブロックしたら一体何が起こるんだ?

漢方薬の可能性はあると思うが、インチキを引かない確率は低かろうし、 保険が効かないので相当に高くつく。 長く続けられなければこの手の支持療法は意味がない。

メトロノミック化学療法について調べると、 かなりの率で動物病院が引っかかるのは何故だ。 人だと倫理やら訴訟やらが問題になってなかなか踏み切れないが、 動物ならあっさり試せるということなんだろうな。

2014年08月04日

結局血栓は見当たらなかったが、CTで左脚に血栓があった形跡 のようなものがあるという。d-dimerという血液検査項目が、 正常値の0.5をはるかに超える5.8になっており、 どこかにあるんだろうとのこと。 ワーファリンとヘパリンを併用中。 退院は早くて水曜日。木曜の外科の外来は行けるんだろうか。

PETの予約はキャンセルされたようだ。 内科医に頼んでPETを入れてもらったわけだが、 外科医に頼み直さないといけない。 標準治療で行くならばPETなんてやるだけ無駄なので、当然歓迎されないだろう。

PETを標準治療の観点から意味あるものにする理屈を考えないといけないのか。

2014年08月01日

今日も弟の病院。がんセンター。

循環器科受診。胸部エコー。どうも血栓が見当たらなかったらしい。 しかしCTの脚の方に何か写っているらしく、 その循環器科医が勤務する新東京病院への入院を勧められた。 血栓が出来やすい体質かの検査と、 脚まで含めたCTの撮り直しをし、 ヘパリンとワーファリンの治療をするためだと言う。 地元帰ってやっても良くね?という問いに対しては、 脚に血栓があったら福島までの移動の最中に 剥がれて飛んで大変なことになりかねない、との答え。 入院の準備なんて何もしていないので、 両親は一旦福島に帰っていろいろと持ってこねばならない。 また、糖質制限食にどれくらい対応できるかもわからないから、 かなりの確率で食糧を運ぶ羽目にもなる。 しかし、検査がやり直しになるとか、時間のロスがあるとか、 移動が危険とか、そういう理由があったし、 糖質制限にも対応できるとか言ってたし、 あんまりこっちがああだこうだ言ったせいかちょっと険悪な感じになりつつ あったので、新東京病院の入院を決断。 でも、普通に自力で病院まで行ったわけで、その間は車に揺られているわけだし、 車を降りてからは歩いているわけだ。なんだかなあと思う。

新東京病院は松戸にある。畑の中にやけに立派な建物があってひどい違和感だ。 病室へ行くにもカードキーがないと行けない。 がんセンターのように勝手に入っていって面会時間を無視して 病室に入ったりはできなさそうだ。

食事に関して相談。栄養士は糖質制限を知らなかった。 提案されたのは普通に糖尿病食。糖質60%。 主食抜いておかず増やすとかも無理らしい。 主食を出さないことすらできず、「残すなり捨てるなりしてくれ」とのこと。 そして、全部食べてもなお蛋白質が足りてない印象。 下の売店に一本だけソイジョイがあったので、 買って置いてきたが、あれも糖質が少ないとは言い難い。 明日食べ物を届けるまでは悲惨だ。 筋肉が落ちることは避けたいのだが、どうにもならん。 明日運ぶまでは我慢してもらう他ない。 点滴しっぱなしでは勝手に外出してコンビニ行くとかできんもんなあ。 売店は品揃えが絶望的だし。

入院はおそらくヘパリン点滴が5日間。そこが最低ラインだろう。 もう少し長引くかもしれない。それだけの間プールに 行ける日が減り、運動できず、糖質制限を徹底できない、 というのはあまりにも痛手だ。せっかくやる気になってたっぽいのに。 こうなると何としても弟には入院中から運動してもらわねばならないし、 糖を伴わない蛋白質を差し入れねばならない。 まずはゆで卵だろうなあ。

で今日の検査だが、まずは採血。次に造影剤を注射して、造影CT。 医者が夜まで帰ってこないというので、私と両親は一旦退散。 両親はそのまま福島へ。私はひつじこの実家によることにした。

で、ひつじこの実家でダラダラしていたところ、 夕方に弟からメール。「CTで肺動脈にはないっぽかった。脚は疑わしいので明日エコー」 とのこと。やっぱりないんじゃねえかよ! つうか、医者夜まで帰ってこないんじゃなかったのかよ! 夕方に帰ってくるならそれまで残ってたよ! にしても、脚のエコーは昨日すでにがんセンターでやって、何もなかったはずだ。 がんセンターのエコーを信用していないということか? まさかエコーをやったことを知らんのか? これ、明日のエコーでも何も出なかったらどうするんだ? 退院できるのか?それならそれで歓迎だが。プールに行ける日が増える。

車で20分かからない所にひつじこ実家があるので、 そちらで御飯をご馳走になり、オタマと風呂に入ってから、 会社へ出発。21時前に出社して、日が変わるくらいまで仕事。 一番心配していたネタが片づいていた。 そして、次に心配していたネタがこれからの第一位。 いや本当にヤバいな。少なくとも年内はこのヤバさは改善しないだろうなあ。

さて、明日も一応病院に行く気なのだが、 面会時間が15時から20時だ。これ、医者の診察を一緒に聞きたくてもこの 制限に引っかかるのかね?とりあえず早目に行ってダメならひつじこの実家で待機 することにしよう。卵を持っていって、そこでゆでるか。どうせ余ってるしな。

アルドノアが大変面白いのだが、すげえなこれ。

SAOも結構好き。今回は沢城なのでなおさら。名前シノンだし。


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