だだもれ

2016年06月28日

五本木クリニックという病院の人が非科学的な医学モドキを批判するブログをやっている。 非科学的なものを比較的好む私としては、そういうものを読んで バランスを取らねばならない。

湯で髪を洗う話。 うちの家族は5年くらい洗剤を使わずに入浴しているが、 そんなに臭いのだろうか。これは第三者に評価してもらわないと結論が出ないな。 自分ではわからんわけだから。 なお、洗剤を使わないで入浴するなら糖質制限もした方がいいと思う。 糖質を食っていると皮脂が増える印象があり、 脂を落としにくくなるし、酸化して臭ったりもしやすくなる。 そもそも、脂は落とす必要があるのか?落とす方が良いのか? これも何かしらの検証が必要になるのだろう。 しかし、皮膚が弱い人でない限り、どっちでもいいから好きにしろ、という事になる気はする。 うちは皮膚が弱いのが多いので、洗剤は使わない方がトラブルが少ない。

妊婦に葛根湯。 同意。そもそもほとんどのケースでは効かないと思う。 汗が出ず寒気がすることが最低限必要だが、そういう風邪は多くない。 もう一つ葛根湯の話。 ゆっくり効くとか言ってる人は漢方を商売にしている人だと思うんだがな。 葛根湯なんて効果がすぐ出る薬の代表格だと思う。効果時間はかなり短く、 毎日飲むような薬じゃない。麻黄だぞ麻黄。エフェドリン。

漢方が薬を足しまくるのは、副作用軽減のための工夫だったり、 複数の症状を一緒に相手にしたり、 相乗効果を狙ったものであったりする。 残念ながら臨床試験でまともに確認されているわけではなく、 実は一種類で効くんじゃないかという疑惑は常にあるし、 そもそも本当に効くのかも怪しいところがある。 薬効があると断言できるのは大黄くらいかもしれない。

朝飯抜くと身体にいいというのは嘘という話。 脳出血するような人は朝飯を食べない、という逆の話だったりはしないのだろうか。 この手の観察研究では相関しか取れない。因果はわからないだろう。

2016年06月27日

祖母の葬式が終わった。200人くらい来たそうだ。 火葬にも通夜にも葬式にも参加していないので、実感がない。 11月の誕生日に何か送ることはもうないのか。

弟の状況が悪い。食わない。動かない。持続的に脚に痺れがある。 加えて傷の治りが悪く一部皮膚が壊死を起こした。 7/4までに定位照射できる状況でないのは明らかで、2週間延期。 自発排尿もできず、カテーテル留置のまま一ヶ月待つという。 血液検査ではアルブミンが下がっており、明らかに栄養が足りていない。

定位照射が遅れれば、その間化学療法も行えず、 肝転移が大きくなるのは間違いない。 最悪の場合の倍加時間は3週間だ。2週間照射が遅れただけでもかなり大きくなる。 ましてそれ以上遅れたらどうなってしまうのか。 何のために手術したのかわからなくなるぞ。

とにかく蛋白質と脂肪を必要量食べないとマズい。 蛋白質は最低60g、理想的には90g欲しい。 また、身体を起こしている時間を増やす必要がある。 寝ていると傷付近が圧迫されて血流が悪くなり、治らない。 寝たきり老人が床ずれを起こすのと同じ原理だ。 また、座っているだけでも、寝ているのに比べれば格段に筋肉を使うので、 衰えにくい。むろんのこと、できるだけ立ったり足踏みしたりしたいところだ。 また、麻薬の量を減らして嘔吐と眠気と諸々の抑制を軽減したい。 痛みが強くなっては論外だが、手術前と同じ量の麻薬が必要とは思えない。 麻薬が減れば食欲や活動性が改善する可能性がある。 排尿障害に麻薬が関係している可能性もあるし。 漢方も何かしらの役には立つだろう。 あと、尿路カテーテルを入れっぱなしにすると行動を制限するし、 感染の原因にもなる。自己導尿の方がいい。 それなら排尿能力が戻った時にすぐにやめられるし、 行動も制限しない。おしっこバッグを腰から下げて歩くなんて大変で、 絶対動くのがおっくうになる。動いただけでも痛いし。

と思うのだが、強制することはできん。 本人の希望が第一、などという綺麗事を言うつもりはない。 単に強制しようとしても不可能、というだけのことだ。 病気でしんどい中ああだこうだ健康な奴に言われるのはムカつくだろうし、 私は医者ではないわけで、聞く価値があると思われなくても仕方ない。 栄養が足りなければ傷が治らず、 傷が治らなければ放射線治療ができず、 放射線治療ができなければ癌は大きくなり、 癌が大きくなれば死ぬ、という理屈は単純だが、 理屈によって現在の行動を決めるのはそう簡単なことではない。 「○○すべきなのはわかっているができない」という物言いは健康な人間でも頻繁にする。 会社にいればそれを何度となく聞く。ならば「やらない」と言えば良さそうなものだが、 そう断言できるわけでもない。 精神的にしんどければしんどいほど、未来を意識するのは困難になるわけで、 病人にそれを求めるのは容易ではない。

希望とか、愛とか、感謝とか、そういうのが必要なんだろうか。 それとも、そんなものは関係ないのだろうか。 生存率と性格は相関しないという研究結果もあるが、 ステージ4に関して言えば大きく差が出ると書いている所もある。 科学的に言えば、「関係があるという証拠はない」という程度で結論は出ない。 ならば、「相関があるかもしれない」と考える方が建設的だろう。 それは「性格を変えてポジティブになることで事態が好転するかもしれない」 ということだからだ。

泌尿器科の医者は話をするのが難しい感じだった。 「神経によるものだからすぐには治らない。一ヶ月尿路カテーテル留置」 という話だったが、なぜ神経によると断言できるのかは説明がなかった。 また、自己導尿という選択肢があることを言ってくれなかった。 尋ねたところそういう選択肢もあるということは認めたが、 そのメリットデメリットについて説明してくれることもなかった。 「入れっぱにするか自己導尿にするかは患者の好み」 と言うならば、その選択肢を提示すべきではないのか。 弟は「自分で管入れるなんて嫌」と留置することを認めたが、 おそらく管が入っていることを理由にあまり動かなくなるだろう。 「管入ってるから動けない、とか言うなよ。動けよ」と言っても返事をしなかった。 なにせ邪魔だしあのまま動くのは苦痛だ。無理もない。 だから第一に提示する選択肢を自己導尿にしてほしかったのだが、 思うようにはいかない。だが医者を責められん。医者はそれを期待していいほど良い待遇で 働いてはいないのだ。

とはいえ、確かに神経臭いのは確かだ。腰から下に痺れ感がある。正座した後のような感じだそうだ。 感覚と運動両方が障害されている。しかし動かせはするし感覚もあるので、軽度なのは間違いない。 排尿に関しては軽度でも尿閉させるに十分、ということなのだろう。 「何かしらの治療をしなければ治るはずもなく、計画されているのは放射線くらいだ。 そして放射線の効果はすぐには出ない。なので一ヶ月は治らない」 という医者の判断は妥当なものなのだろう。 しかし、排尿障害に関する文献では、留置期間は短くし、自己導尿を勧めよ、とあることが多い。 それが感染のリスクを下げ、自己排尿できるようになる可能性を上げる。 病院で起こる感染の30%以上が尿路カテーテル留置が原因とまで書いている 文書まであるのだ。 細菌尿症リスクは30日後にはほぼ100%、と書いていることもある。 自己導尿に関するこの文書 を読むと、なおさら自力でやった方がいいように感じてくる。 何より感染リスクが恐い。ただでも免疫が落ちた状態で感染なんかしたらマズいんじゃないのか。

脊髄損傷の排尿障害ガイドラインを見つけた。あるじゃないか。 CQ23に「長期間の尿道カテーテル留置は推奨できない」とはっきり書かれてるぞ。 印刷して持っていった方がいいかなと思うが、看護師さんにまずは相談しよう。

2016年06月26日

うしおととらのアニメを最後まで見た。熱い。 39話にまとめるのは無茶だったが、 細かいことはどうでもいいと思えるクソ熱さでたまらない。 こんなすごい終わり方だったか。 漫画ってすごいなあ。 だが、もう何年もすごい漫画を読めていない。 きっとたくさんあるはずなのになあ。

今日は弟の見舞いで一日病院にいた。 なんとなく横に座ってああだこうだ言っていただけだ。

状況は、それなりに良いことと良くないことがある。 良いことは、座っていられる程度には回復しつつあることと、 時間をかければ大便を自力で出せるようになり、 脚のしびれも改善傾向にあること。 悪いことは、食欲がないことと、傷の治りが悪いことだ。

食欲がない。単純に限られた種類の食べ物に飽きたということもあるだろうが、 どうもそれだけでもないようだ。 ソイジョイと豆乳と生クリームくらいしか食えないのは手術直後から変わらないのだが、 その量が減っている。ソイジョイと豆乳をセットにして一日3回、 という程度では、カロリーは700、蛋白質は45gで、明らかに足りない。 生クリーム200mlを加えればカロリーが1500ほどになり足りるのだが、 それでも蛋白質は不足である。 そんな状況で、生クリームも半量飲めずに捨てるような状況だ。実にまずい。 いろいろと食えそうなものを持っていくのだが、どうにもうまく行かない。 弟は元々食に保守的で、スパイスやハーブなど食べ慣れないものが苦手だ。 それが変わらないまま糖質制限に突入したものだから、 どうにも食べられるものが減ってしまっている。 その上、以前よりも苦手なものに敏感になっており、 わずかにナツメグが入っているだけでハンバーグを食えないと言う。 たまごサラダの類でも、メーカーによる微妙な味の差で食えたり食えなかったりする。 例えば、セブンイレブンのたまごサラダはアウトで、サンドイッチの中のたまごサラダは大丈夫。 確かに惣菜のたまごサラダの方は変に白身が固くて味も悪いのでわからんでもないが、 そんな贅沢言っていられる状態かよまったく。

食いたいものが別にあるなら糖質だろうがなんだろうが食ってもいいかなと思わなくもないのだが、 血糖の上昇幅がかなりエグく、糖質制限を解除するのはかなり危険だ。 ソイジョイ一本で20程度は上がる。糖質1gあたり3以上の上昇で、 完全に糖尿だ。この状態で糖質を普通に食えば血糖値は200や300まで上がる。 確実にインスリン注射が必要になるし、血糖値が変動すること自体が身体に負担をかける。 そして何より、本人に糖質制限を解除する気はない。

かといって食わずにいれば点滴でブドウ糖をつっこまれ、結局はインスリンの出番になる。 血糖値が65を切ると点滴、というルールになっているようなのだが、 一度は66で危ないところだった。 どうにかえり好みせずに食ってほしいんだがな。 胃の不快感の多くはロクに嚼まずに食うことや、一気に食うことによるはずで、 ゆっくり噛んで食えば問題ないと思うのだが、「性格的にそんなことはできない」とか言いやがる。 ソイジョイだって一本一気に食わずに半分づつ食えばいいのに。

雪印のカマンベールはしょっぱいのでアウト。確かに言われてみればしょっぱい。 私、気づかないうちに飲み物一緒に飲んでたんだろなたぶん。単体では食わんレベルだわ。 成城石井のブリーは数日前に少量食べられたので、今日も買って置いてきた。 今ごろ食っているといいが。 明日はうちでたまごサラダを作って持っていく。 スパイスなしでトマト煮込みハンバーグを作れば食うかもしれないので、 それはひつじこにお願いしよう。前回と同じ作り方でナツメグとセージだけ抜けばたぶん食う。

糖質制限の基本は肉チーズ卵なんだけどな。肉は嚼まないと食えないものだと嫌がるので ハンバーグにしないといけない。ああもう面倒くさい。 チーズはしょっぱいと食えないし、そもそも食べ慣れてないので食える種類は限られる。 ゴーダ食えたら簡単なので、一応うちのを切って持っていってみよう。 卵はゆで卵そのままは食わないとか言うのでたまごサラダにしてみる。 ああもう本当面倒くさい!

まあしかし弱っている時にはそういうふうになるものなんだろうとは思う。 食欲がそもそもなく、食事が苦痛でしかないのだ。 痛い思いをして手術を受け、医療用麻薬で痛みをどうにか鎮める日々の中、 いきなり祖母が死んで考えたくないことまで考えてしまわざるを得ない状況。 だが、そうであっても、生きてもらわねば困る。 やれることをやるしかない。

そして傷が治らない。皮膚が一部壊死したようで、「ダメになった所を取りました」 と医師が言っていた。 傷が塞がらなければ予定通り放射線をかけることはできず、 その間に癌が進行すれば今度こそ終わりだ。 癌が進行しなくても、傷が治らず化膿でも起こせばそれで命取りになりかねず、 そこまで行かなくてもせっかく入れた金属を抜かねばならない状況になる可能性がある。 そうなれば何もかもが無駄で、事態はさらに悪くなる。 そんな状態では化学療法など不可能で、緩和ケア直行だ。 だから何としても傷を治さねばならない。 寝ていると圧がかかって血行が悪くなるので、 頻繁に体位を変えてくれ、とのことだったが、 弟は寝転がっているとピクリとも動かない奴なので困る。 食うか食わないか、やるかやらないか、動くか動かないか、 みたいな感じで、中庸がないのだ。 ちょっとづつ食えよ!楽な運動を長く続けろよ!みたいなことをさんざん言っているわけだが、 これに関しても同じことが言える。寝かせておくと動かないので、寝かせてはダメだ。 というわけで、座らせることにした。座っていれば全く動かずにいることなどできない。 座っているだけでも多少は筋肉を使うので、リハビリも兼ねて一石二鳥だ。 疲れるとか言ってる場合じゃない。 もう勝手に歩いてもいい時期だし、むしろ歩くべきなのだ。 痛いから歩かない、とか言ってる余裕はない。わかれ。

最初はしんどそうだったが、座っているうちに筋肉を使うことを思い出してきたのか、 楽になってきたように見えた。12時あたりから18時あたりまで6時間ほど座っていたので、 そう悪くもなかったのだろう。疲れたようで18時には昼寝してしまったが。 見ている間にオキノームは2回。看護師に確認したところ、 一日2,3回ならまあよかろうとのこと。それ以上増えるようなら オキシコンチンを増やす必要がある。

食欲はどうにかならんか?そう思って調べたが、西洋薬にはそういうものはないようだ。 平岩医師の本に食欲が出るホルモン剤の話があったが、 本来の使い方ではないので保険適用がなく、 この病院で出してくれる見込みはまずない。 となれば漢方だ。食欲がないといえば六君子湯である。 ただ、筋肉に力が入らず、寝汗をかく、というのはいかにも補中益気湯の証であり、 補中益気湯も食欲増進効果はあるのでそっちの方がいい気もする。 迷い所だ。しかし、補中益気湯は当帰と黄耆が胃にこたえる可能性がある。 今は食欲が最優先だ。 というわけで、六君子湯が効くのかどうかを試すために、 そのへんの薬局でツムラのを買ってきた。12日分4000円と安くない。 12日分とは言うが、医療用の半分の量だから実際には6日分でしかなく、 医療用であっても倍量使って丁度いいという話であることを考えれば3日分でしかない。 とはいえ、副作用で具合を悪くしては元も子もないので、 まずは一包だけ飲んでもらった。胃の不快感なし。効いた感じもない。 味も特に不快ではなかったようだ。 そこで帰る前に二包湯に溶いて置いてきた。 明日聞く。

寝汗が出るのは漢方的には弱ってる証拠だ。 表面の防衛力が落ちて隙間ができて汗が漏れてくる、という解釈をする。 それに使う薬が黄耆で、補中益気湯はそれをごっそり含んでいる。 これを今の知識で解釈する方法を私は知らないが、 たぶん体温の設定値が低くなっているのだろう。 人体には体温の設定値を決める所があり、 それより高くなると汗をかいて下げ、それより低くなると 震えたりなんなりして体温を上げようとする。 設定値が下がれば、大して暑くなくても汗をかくのではなかろうか。 身体が省エネモードになると、体温の設定値を下げてエネルギー消費を抑えるのだろう。 黄耆はそういう状況を改善する薬物なのではなかろうか。 しかし、まずは六君子湯から行く。 食欲を増進すると臨床試験で結果が出ているし、保険で出せるから、 医師に出してもらえるかもしれん。 うちで煮ていってもいいが、 人参が高すぎるので党参で代用しており、効くかわからん。 品質が安定しているであろうツムラの方が今は良かろう。

基本元気で寝汗だけが問題なら桂枝加黄耆湯とかなんだろうが、 今は明らかに虚しているので、食欲が多少なりとも改善したら補中益気湯の方がいい気がする。 それならうちで煮た方が効くだろう。自分やひつじこで実験済みだし。 あれを飲むと妙に動ける印象がある。

でもまあ、補中益気湯は日本漢方的には「小柴胡湯の虚証用」っぽいんだがな。 柴胡升麻は消炎で、弱い感染があって微熱っぽい感じに適用するとある。 元々も栄養状態が悪い状態での感染症に備えた薬なので、 確かにその使い方は合う。しかし補中益気湯の柴胡升麻は升堤なる効果を 目的とすると考える流派もあり、それは筋肉の緊張を高めることだという。 妙に動ける感じなのはその升堤によるものだろうか。 まあ単にプラセボかもしれんのだが。 NK細胞が活性化されるという論文もあるが、眉唾ではあるな。

とにかく、動いてもらい、食べてもらう。明日の朝はたまごサラダ。

クラロワ勝てんなあ。1000目前まで行ったが、4連敗して900まで落ちた。 レベル6に上がったというのに。なんかだんだん辛くなってきたが、 せめてアリーナ4に上がるくらいまではやろう。 そのへんまでやればゲームが見えてくるのではなかろうか。 ゲームがガラリと違って見えてくるようならまた続け、 それが見えないようならやめてしまうことになるのだと思う。

でも考えてみたら、少し攻めに寄せすぎたかな今日は。 移動中だから集中できてないのもあるが。 やはり反攻に徹しよう。こちらから手を出して勝てるのは格下だけだ。

2016年06月23日

城ドラ。グリフォンは城攻めで恐ろしく使えるのだが、 亀などの対空がいる状況で城壁にターゲットして動きを止めてしまうと一方的に殺される。 また、バトルバルーンにはそれなりに縦距離を取っても寄っていってしまい、 足止めにはなるものの、やはり殺される。

チビドラは剣士5体でも倒せない。城壁を犠牲にして魔導機兵を出すか、 遠くに剣士を置いて囮にしてからのアーチャーによる中距離攻撃が良い。

小さなコンピュータ(Raspberry pi zero)を買った。本体は800円しかしない。 そのうちサーバをそれに置換する予定。

2016年06月22日

食後高血糖がヤバいという話。 HbA1cが高くても合併症にならない人がいて解釈に困っていたが、 食後の高血糖は合併症とよく相関するからこっちがヤバいんじゃないか、という話。 インスリンが出なくなっている人は四六時中高くなるのでHbA1cが上がるが、 インスリンがそこそこ出る人は食後が高くなってその後は下がる。 インスリンがそこそこ出るにも関わらず食後が高いということは、 それだけ糖質をガッツリ食っているということで、 インスリンも出るわけだから、 インスリン有害説を取れば当然のことだということになる。

今の治療の礎になっている臨床試験をいくつか見ておかないとな。 血糖を下げれば合併症が起きない、という結論が出ているはずで、 それと矛盾しない説明ができないなら既存の理論には勝てない。

弟、放射線治療科受診。 6/27にCTとMRI。7/4と7/5に定位照射。150Gyというべらぼうな線量を当てる。 しかし、ミリ以下の正確性が必要なので、事故は起こり得る。 もし事故って脊髄に当たれば半身不随くらいはありうるという理解。 今のところ一件も経験していないらしいが、 何十年もやっていればいずれは起こるだろうと思ってはいるという。

尿はまだ自力では出せない。 便も出ない。これは浣腸なり何なりで一度出してしまうという。 脚のしびれが消えず、力が入らない。たまにビリッと腰から膝にかけて激痛が走る。 神経っぽい痛みだ。困ったことだが、 かつての背中の痛みと似た種類であれば腰への骨転移が濃厚になるわけで、 それよりはマシだろう。 なお、背中の痛みはまだ強いようで、 オキシコンチン40mg/日+オキノーム数回。 痛そうにしていないので手術で軽減したのかと思ったが、 麻薬の量が増えたことの影響の方が大きいのかもしれない。 定位照射で癌を抹殺しないことには麻薬なしの生活はできないのだろう。

そして困ったことに傷の治りが悪い。さすがにまるで治らない状態では放射線など当てられないので、 どうにか蛋白質をそれなりに食べて、身体を動かして元気になってほしいものだ。 リハビリの強度は日に日に上げているらしく、 また、痺れがある割には筋力もそれなりにあるようで、それはいい知らせである。 しかし痺れが取れないことには退院もおぼつかない。 車椅子で導尿プラス浣腸、なんて状態で家に帰るのはかなり辛い。 しかし、状況によってはその覚悟も持っておくべきなのだろう。

祖母が死去した。94と聞いていたが、91だったらしい。 自分の親との年齢差くらい覚えとけようちの母。 一昨日のCTで見た感じ回復の見込みなしという状況だったそうだ。 大血管が詰まったか破れたかして広範囲に脳が破壊されたのだろう。 意識を失うレベルに重症な脳梗塞は実は稀で、 大抵はろれつが回らないとか、表情が半分動かないとか、 そういう地味なレベルで表れる。 脳出血で意識を失うような状況になれば、覚悟が必要になるということだ。

弟がこんななので、両親は金曜までこちらにいて弟の世話をし、 金曜に福島に帰るという。金曜に火葬。日曜夜に通夜、月曜に葬式となるそうだ。 下の弟は出席するが、私はその間弟についていることになったので福島へは行かない。 初七日の時か、あるいは次の機会には福島へ行くことになるだろう。

ばあちゃんにオトモを見せられなかったことが悔やまれる。 血のつながった二世代上はこれで一人もいなくなった。

十分長生きした、と言えるんだろうが、 食い物や受ける治療を吟味できればもっと違ったんだろうなという気は濃厚にしている。 糖尿だとは聞いていたが、それを初めて聞いた時には何も知らなかったので そういうものかと思ったし、 糖尿のことを詳しく知った頃には祖母のことを気にかけていられるような 余裕はなかった。「年なんだからいろいろあるよね」は思考停止だ。 親4人に関してはそんな手抜かりがないようにする。 不健康は許さん。まずは状態を把握し直さねばならんな。

2016年06月21日

低インスリン療法はまだまだ賛否が分かれている。 糖質制限派の中ですらだ。 高血糖が単独で有害か否か、というのが焦点になっている。 厄介なのは、健常者や、肥満型の糖尿病患者では、 高血糖と高インスリンは同時に来るので、 高血糖だけが悪いかどうかがわからないということである。 太らずに糖尿になるタイプでしか これら二つのことを分離して観察できない。 つまり、多くの糖尿患者及び健常者に関しては、 血糖とインスリンを分けて考える必要がそもそもないと言えなくもない。 糖質制限して両方減らせばそれでいいからだ。

しかし、糖質制限しない人を合併症から救おうとすると、 インスリンが有害と考えるか高血糖が有害と考えるかで 治療が変わる。 インスリンが有害なら、とにかくインスリンを増やさないことに集中するから、 SU剤などのインスリンを促進する薬は使わない。 一方高血糖が有害ならば、その害を除くために 必要ならインスリンを増やす薬も使うことになる。 さらに、高血糖なしのインスリンも有害なのであれば、 糖尿でない人間もインスリンから守るべきだ、という話になる。 糖尿を伴わない高血圧や動脈硬化の類がインスリンによるのだとすれば、 糖質制限の重要性は増すし、糖質制限できない時にも 治療ができるはずだという話になる。これは大きな違いだ。 どちらが良いのかはそのうちわかるだろう。 出版によって知られればその治療へ走る患者が多数出るはずで、 うまく治らなければ当然呪いの声が上がってくることになる。

弟、まだ尿も便も出ない。さすがにマズいだろ。 泌尿器科から薬が出たらしいが、何の薬かは聞いていない。 調べてみるとモルヒネによる尿閉ではコリン作動薬と アルファブロッカーを併用するらしいが、 そうよく起こる副作用ではないともある。 硬膜外麻酔でもない限りそうは起こらないらしい。 脚がしびれているのと関係あるのかもしれない。 まさか神経に傷がついたのか。

なんで高血糖は単体でも悪い、って断言できるのだろう。 肥満型なら確実にインスリンも一緒に出ている。 そして肥満型が混ざっているかどうかの情報はたぶんない。 インスリン濃度を測定して無関係だった、 というならわかるが、たぶんやってないし、 インスリンは変動が激しいので空腹時に測ったところであまり意味がない。 HbA1cのようにほどよい平均値が出てこないからな。

2016年06月20日

弟にMCTオイルを届けてきた。何にでもかけて食え。 中鎖脂肪酸は体脂肪の構成要素になれないからか、 通常の脂肪と違う代謝経路でいきなり燃やされるので太りにくい。 体温も上がるだろう。 本当にいきなり燃えるのかどうかはよく知らないが。 例えば使い切れなくて便から捨てる、みたいなことにならないのかはよくわかってない。 とにかくカロリーを取ってほしい。

リハビリ。大した運動量ではなく、どの程度動けるのか、どこが弱っているのかを 探っている感じ。太股から下に謎の痺れがあるらしく、嫌な予感がする。 妙に腰も痛いらしい。 その後医師にもそのことを言ったのだが、 とりあえずCTとMRIを入れて見てみよう的な感じ。 筋力が異常なほど弱っている、というわけでもなかったので緊急性は低いと判断されたのだろう。 他にも嫌な予感がする要素はいくらでもあって、 傷の治りが遅く予定していた入浴がなくなったこともそうだし、 術後六日経つのに大便が出ていないこともそうだし、 まだ自力で小便ができていないこともそうだ。

モルヒネじゃないかなあ。術後、一日あたり80mgとかのモルヒネを 注射でつっこんでいた。モルヒネの副作用では便秘が有名だが、 尿閉もあるらしい。もしそうならば、 今日で点滴が終わったこともあって明日あたりには回復が期待できるのかもしれない。

もう一つ。弟は慢性的な猫背で、これが血行を悪くして諸々負担をかけているので いいかげん直してもらおうと思っていた。 しかし、手術の結果なぜか猫背に近い形で脊椎が固定されてしまい、 完全な形では直せなくなってしまったらしい。 脊椎を固定する手術ってのはそういうものなのか? 直立した感じで固定しちゃダメなの? そのへんは医師に直接聞いていないのでわからないが、 すぐにどうこうできるとも思えない。 過去より未来だ。遠い未来には開けて直せる日も来るかもしれない。 今はできることをしよう。 猫背に関係なく肩甲骨と首がとにかく動かないので動くようにして、 その周辺の血行を良くしてもらう。 手が冷たくなりがちなのはそのあたりの血行と無関係ではあるまい。 顔が前に出っぱなしなので、 脊椎の上に乗せないと背中から腰に負担がかかりっぱなしになる。 当然歩く効率も落ちる。体力が落ちている以上、効率を上げることは昔よりもずっと大切だ。 ただ若干脊椎が猫背気味なのは厄介で、どこかで壁がくる。 膝と腰で吸収すれば軽減できるとは思うが、万全とは言えない。 本当なんでそんなことになってるんだろう。 手術を要する所まで対策が遅れたことを後悔するネタがまた一つ増えた。

この先私や子供やひつじこが医者にかかることは何度でもあるだろう。 どういうふうに医者を使うかは命に関わるほど重大な問題だ。 下手にああだこうだ言ったために裏目に出たこともあるわけで、 何も言わずに任せた方が良い結果になることはある。 右手の骨折の時なんてまさにそうで、下手に侵襲が少ないやり方を選んだために 再手術になって傷が余計に増えた。まさか侵襲が少ないやり方が出来栄えで劣る、 なんてことがあるとは思わなかったのだ。 これは腹腔鏡手術なんかでも同じことが起こる可能性があるということであり、 高い授業料ではあったが未来に活かせる。 諸々考えた上で、何も言わずに任せるという選択をできるくらいの度胸と周到さを持とう。 下手に言うことで医者の失敗を誘うこともあるのだから。ベストを求めてはいけない。 妥協が必要だ。完璧な医療を受けられるほどの金は払っていないし、払う手段もないのである。 そして、そもそも医者にかかるような状況になった時点で負け、 ということはいくら強調してもし足りない。

日常できること。まず糖質を食べすぎないこと。たぶん諸々に効いてくる。 糖質以外も食べすぎないこと。食事を頻回に取らないこと。 人は思ったより食べ物を必要としないし、頻回に取ると恒常性を乱す。 あとは感染症対策。何より無駄に人が多い所に行かない。 そして、寝る。疲れない。 あとは風邪や不調は軽微なうちに治す。補中益気湯と小柴胡湯は上手に使うと 役に立つ。怪しい時はまず寝る。そういう時には食べない。 基本食いすぎなんだよ絶対。会社にアーモンド置いておくと食べ続けるから良くないな。

2016年06月19日

土曜日6/18、福島にいる祖母が倒れた。すでに94なので、何が起こってもおかしくない。 突然に意識を失い、 救急車で地元の比較的大きな病院に運ばれたとのこと。 脳梗塞の既往があり、今回もその疑いが強い。 意識障害が出るのは比較的レアケースで、 脳梗塞とすれば、脳細胞が死ぬ範囲がかなり広い可能性が高い。 なにせ土曜日なので、どの程度の処置が行われたかは不明。 少なくとも検査らしい検査はしておらず、 一番効果的であるらしいt-PAなる薬を点滴されたかどうかもわからない。 この薬は発症後3時間しか使うチャンスがないので、 もし「月曜日まで様子見ましょう」なんてことだとそのチャンスはなくなる。 そして、日曜の夜の今も意識は戻っていない。 母はすでにこのまま目を覚まさない覚悟をしている。

祖母はかなり高齢になるまで血圧は低い方だったという。 しかし、いつからかかなりの高血圧になり、 身体のそこかしこに問題が起こるようになった。 祖母は糖尿持ちなのだが、いつ糖尿と診断されたのか知らない。 そして、どのような薬を使っているかも知らない。 もしSU薬を使っていたりするならば、 インスリン有害説の妥当性を評価する症例が身近にもう一件あった、 ということになるのかもしれない。 今度薬を確認してこよう。 祖母にはもはや役立たないかもしれないが、父や母、 そしてうちらがこれから治療を選択していく上で 判断材料の一つになる。 例のインスリン有害説を唱える医師は、 「年齢が高くても血圧は簡単に下げられる」と主張しており、 その人の患者では血圧と年齢に相関が見られないという。 それが本当かどうか、是非とも他の医師に追試してほしい。 これが本当かどうかで選択すべき治療が一変してしまう。

でもまあ90超えの高齢者に低血糖を起こしやすいSU剤なんて出さんか、 と思ったが、 そうでもないなこの感じだと。 まあ確認すればわかる。叔母が管理してるだろたぶん。

なにせ田舎だし、高齢なので、糖が良くないなんて思ってないし、 料理に砂糖をドバドバ入れるし、付き合いで菓子をもらいまくり、 仏壇はいつも菓子が置いてある状態だ。そしてそれは全て消費される。 なにせ台所に砂糖の30kg袋があるらしいからな。 糖尿にならない方がおかしい。そして太ってもいる。 太っているということは、確実に2型の糖尿病で、 インスリン抵抗性も高く、インスリンもかなりの量出ているのだろう。 膵臓が壊れてインスリンが出なくなれば痩せてくるものだからだ。 HbA1cがいくつなのかは知らないが、比較的低いのであれば インスリン分泌能が保たれている可能性が高い。 そうなると、アマリールなどの血糖降下薬なしでも インスリンは結構な量出ていることになり、 例のインスリン有害説が正しければそれによってダメージを受け、 動脈硬化が進んでいくということになる。

叔母が心配だ。母の姉。祖母同様の食生活で、肥満がある。 まだ糖尿ではないらしいが、時間の問題だろう。血圧が気になるところだ。 おそらく母方の遺伝子は太る才能があり、インスリン分泌能が高いのだと思う。 同様の問題は叔母の娘にも言える。いとこだ。まだ30台だから 何の兆しもなかろうが、放っておけば同じ運命を辿りかねない。 弟のように癌になる可能性だって上がってくる。 しかしまあ、いかに肥満が癌リスクを上げるとは言っても、 30台で癌を発症するのは半端なく運がない人に限られるだろうとは思うが。

うちの母も問題だ。弟につきあって糖質を制限気味にしているのと、 リピディルを飲んでいるせいで 肥満の進展はおおよそ止まって血圧も落ちついているようだが、 体重はまだ重いし、長年の喫煙で肺機能がガタ落ちしており、生き物として相当に脆弱な状態にある。 禁煙してしばらく経つし、一番酷い時よりは回復しているが、万全からは程遠い。 これを長生きさせるのは骨だ。 長生きしたいと思ってない、などと言っていたが、 今回弟の状況を見て、そう楽には死ねないことを思い知っただろう。 健康に気を使うことは割に合うのだ。 好きに生きる方が大切、などと言っていても、 いざ病にかかればかなりの確率で後悔することになる。 病の苦しみも、それに伴う治療の苦しみも、生半可なものではない。

義母と義父も安心とは言い難い。 義父は糖尿なので糖質制限的な生活を受け入れてもらえたが、 おそらくそれほどの強度ではない。 また、理屈を理解してもらえていないので、ドレッシングが油の少ないタイプだったりする。 たまに菓子も食べているようだ。 なので、義母は痩せないし、義父のHbA1cも6台前半から下がってこない。 さて義父は少し前に腰痛を患って、それが二週間も引かないというかなり心配な状況だったのだが、 どうも回復したらしいと聞いて安心していた。しかし、また腰痛がぶり返して、動けなくなっている。 本当に回復していたのか? 泌尿器科で癌だったりしないか不安だと訴えたらしいのだが、 「そんなことがあったら大変だ」とだけ言われたらしい。 検査はしたのか?していないのか?よくわからない。 前立腺肥大があってアボルブを飲んでいるのでPSAは当てにならない。 そもそもPSAは低くなく、癌が潜んでいる可能性は十分にある。 にも関わらず癌でないと断言できるものなのか。専門家だけに私の知らない理屈で断言できるのか。 せっかくの機会だからCEAでも測ってみたらいいのではないのか。 なにせ一度も全身検索したことがないのだから、 ここらで一回やっておいて心配事を消しておくべきだと思える。 それで癌でないとわかれば、普通に整形外科に行くなり、整体を使うなりすればいい。 腕のいい整体師が近くにいるという話だし。 しかし義父的には医師のお墨つきをもらったのでもう検査は不要だと思っているようだ。 検査が恐いのはわかるが、検査を怠った時に起こることの方がよほど恐いことを どうにか伝えたいと思う。そもそも義父の兄上だって癌で亡くなったのではなかったか。 いや、だから余計に恐いのかもしれんが。

せっかく家を新築して、気持ち良く生活できるようになったのだから、 それをできるだけ長くできるように身体のメンテをちゃんとやった方がいいと思うのだがなあ。 私が言った方がいいか。どうもひつじこが言うと聞いてもらえない。 父親が娘の言うことを聞いたら負け、みたいな感じがあるのかもしれない。

身近な人には健康であってほしい。 それは別に優しさなどではない。私の都合だ。 どうにか健康であることを強制すべく、 健康に気をつけざるを得ないように誘導していきたい。

弟はようやく導尿の管が取れたが、尿が溜まったまま出ない。 まさか神経が傷ついて排尿できなくなっているとかないだろうな。脊椎いじってるし。 しかしそうなったら普通は垂れ流しだよな。詰まることはない気がする。 まさか前立腺肥大があるとも思えないし、原因がわからない。 ともかく日曜の夜で対応が手薄になるということで、再度導尿管。 実に困る。余計な管がついていてはリハビリの邪魔だ。 さっさと立って歩かないと筋力が回復しない。 普通に元気にならないと退院できず、化学療法が止まったままになる。 本当毎度毎度何かしらトラブルが起こる。

固形物をいまいち食べる気にならず、病院食が糖質まみれの糖尿病食で 食べられない状況の弟が、ついに生クリームに手を出した。 前はそんなの嫌だと言っていたが、 カロリー取って体重減少を防がないと点滴でブドウ糖つっこまれる という状況に至って決断したらしい。そして飲んでみたら普通に飲めるようで、 着実に消費している。便も出やすくなるしいいだろう。 もっとも、 金曜の段階で栄養補給のために点滴が指示されてしまっており、 看護師はそれを勝手に修正できないので、 土日はブドウ糖たっぷりの点滴を受けてしまっている。 一日100gくらい入ってるんじゃないだろうか。500mlあたり33gもあった。 血糖値が150近くまで上がる状況で、実に困る。 そしてそれで200超えたらインスリンをつっこむ取り決め。 糖尿の治療ガイドラインは狂ってるとしか思えんのだがな。 しかし、向こうにとっては 「患者の家族が変なこと気にしてるな面倒くさい」でしかない。

つうか、豆乳とソイジョイはそれなりに食べてたわけで、 それをちゃんと医者にアピールすれば点滴は避けられたはずなんだがな。 点滴分くらいのカロリーは余裕で取ってたはずだぞ。 あるいは、出た食事を横にいる親なり兄弟なりにこっそり食わせてしまえば そんな面倒なことにならないわけだし、それくらいの不真面目さはあったっていい。 しかしそういうことはしたくないらしく、全量そのまま残して記録を残してしまう。 そして点滴の中身を気にしてないのでブドウ糖つっこまれてることに気づいてないという。 本当もっと自分で治療のことを考えてほしいんだが、そうも行かんのかなあ。 行かんのだろうなあ。

医者は良くしてくれるが、医者がかけてくれる手間には限度がある。医者は過酷な職業だ。 大手の病院であれば、ガイドラインがある分野であればガイドラインには従ってくれるので おおよその質は担保されるが、患者にガイドラインから外れる条件があってもガイドライン 通りにやる医師は多い。カスタマイズするほど効率が落ちるし、ミスも増える。 そしてガイドラインに書かれていないこともあり、そういう時にどうするかは医師による。 大抵の患者は知識がなく、病気について考えたり調べたりすることもないので、 医師が治療を決めるしかないし、それで問題になることもないのだが、 ガイドラインを作る際に考慮していた患者の集団とズレていることが明らかであれば、 ガイドライン通りというわけには行かない。 そこは患者側が医師に話を聞いてもらうよう努力した方がたぶんいい。 例えば、骨転移の放射線は3Gyを10回、というのは確かに世界標準で一番分がいいのだが、 それを決める際に参考にしたデータに胃癌患者はほとんど含まれていない。 悪性度が高いほど再燃率が高く、また、胃癌が放射線の効きにくい癌であることから言って、 胃癌患者である弟には効かない可能性は高かったはずだ。 年齢も全然違うから、治療に求めるものは単純な緩和ではない。 多少博打になっても命を延ばす方向にズレてくる。 だいたい放射線を当てて効かないとなれば、後の治療の選択肢がかなり削られて不利になる。 最初から手術して定位照射という選択肢を出すことは 果たしてできなかったのだろうか。そうすれば手術の範囲も小さくて済んだはずだし、 放射線で皮膚の治りが悪くなる問題もなかった。 エビデンスがその意味ではそのまま役に立たない、という可能性は常に 考えた方がいい。自分が典型的な患者であればエビデンスは助けになるが、 外れた要素があったり、自分が治療に求めるものが普通とズレていたりする場合には 標準治療が最良の治療にはならない。 標準治療派の医師ですら、標準治療が最良である患者は6割か7割しかいないと 言っていた。弟は明らかにその多数派から外れている。

でも放射線最初に当てる時にそれを医師に言っても、 ムカつかれるだけで何もいいことはなかっただろうなと思う。 最初から定位照射という選択肢はもしかしたら保険が効かないかもしれないし、 そういう治療は公立の病院ではそもそもやってもらえない。 そこで自由診療でやってくれるクリニックを探すのはハイリスクすぎる。 医師の質が全く読めなくなるからだ。 だから今回に関してはこれ以外のやりようはなかったのだろう。 それより悔いるべきはゾメタが遅れたことと、検査が遅れたことだ。 それは私が口を出せばマシになっていたはずで、ひどく後悔している。 癌患者が「背中が痛い」と言えば、それは骨転移だろうよ。 すぐにでもPETなりMRIなりで判断してゾメタなりランマークを開始し、 次の手を打つべきだったのだ。

まだ戦いは終わっていない。後で後悔するようなネタがないか今から考えておかねば。 母は「先のことは考えないで、今は回復して退院することだけ考えよう」と言っているが、 それではまた同じことになる。長く生きられないことを受け入れつつあるのだが、 私は仮に長く生きられないとしてもやれることをやりたい。3ヶ月が6ヶ月になるだけでも 意味はある。先手を打とう。

しかし、身体についている管が全部取れるまでは 確かにどうしようもないので本人にはそれを優先してもらわんといかんな。 とにかく食ってもらわんと。薬だと思って油と蛋白を食べてもらわないといけない。 傷が治らんし、筋肉が痩せる。 一番CEAが高かった時期に比べればまだ若干の猶予があるが、 その時とは体力が比較にならんほど落ちている。 下手に痩せると一気に悪液質に落ちかねん。一度そこに落ちればもう終わりだ。 そして動く。リハビリは厳しくやってもらわないといけない。 あいつは自発的にはやらないが、強制されれば多少しんどくてもやる男だ。 理学療法士が厳しく言えば、黙々とやるだろう。是非とも厳しくやってもらわねばならん。 明日の朝やはり行くかな。医者が来る時に横にいた方がいい気がしてきた。

体重は57kg。170cmだからBMIは19.7。18台に落ちなければ痩せすぎではない。 まだ猶予はある。しかし奴は何故か未だに脂肪が多いので、筋肉量はその分だけ少ない。楽観視できない。 なんで脂肪が減らないんだ?脚はやせすぎな下の弟と変わらんくらい細くなったというのに、 腹周りの脂肪が減らん。内臓脂肪もそれなりにまだあり、そのために中性脂肪が高く、 そうなるとインスリン抵抗性が解除されないので血糖値も下がりにくい。 糖質制限してても痩せない人がたまにいるが、あれは何でなんだ? ひつじこをよく調べることで何かヒントが掴めるかもしれん。

食事の回数が多いことはまず疑わしい。 回数が多いというか、一度に食えないのでダラダラ食い続けているのだ。 インスリンが出る回数が多いので脂肪合成が走ってしまう、という可能性がある。 回数を減らすか、厳密に糖質ゼロに近づけるかすれば改善する可能性がある。 あとは食った脂肪がそのまま蓄積している可能性もあるが、 これは食う脂肪を中鎖脂肪酸にシフトさせれば軽減するはずだ。 あれは人体の構成材料にはならず、燃やすしかない油だからだ。 わざわざクソ高いMCTオイルを買ったのだから是非とも使ってもらおう。 あとは蛋白を食いすぎてそこから糖新生して脂肪に変換されている可能性もあるが、 奴が食べすぎているとは思えん。 カロリーが多いから痩せない、という話ではないだろう。

クラロワ復帰。相性を真面目に考えてやってみることにした。 変なキャラを全部外して、基本的なキャラとおぼしきものだけにしてみる。 群れには矢。 中型大型の地上進撃にはガーゴイル。 いなければスケルトンで時間稼ぎかロボか騎士。 空には槍ゴブリンと銃。 特に子ドラゴンには銃。 溜まったらジャイアント。 可能なら後ろに銃。これを愚直に続けていたら、勝率がだんだん上がってきた。 といっても、まだアリーナ2だが。一度は3に行ったが、その後負け続けて720まで落ちていた。 今日も戦法を変えてすぐは負け続けて660まで落ちたが、その後回復して770。

2016年06月16日

手術は6時間かかったが問題なく終わった。 第7、第8、第10、第11胸椎にネジを2本づつ刺し、間を金属棒で連結している。 ネジ8本はそれぞれ小さな傷を作って刺し、 第九胸椎の処置だけは大きく開けて背中側の骨を削り、 腫瘍をそれなりに丁寧に掻き出したという。 まず心配されるのは感染、そして傷が塞がらないこと。 高血糖になれば感染の危険が高まる。 歯なり傷なりから血中に細菌が入って、それが金属の異物の周りで増殖すればアウトだ。 基本的な免疫力が高まらないといけない。蛋白を食えということだ。 糖尿なので不利ということもある。 そして放射線を当てた後なので皮膚が線維化しておりつながりにくい。 これに関しては通導散が多少なりとも助けてくれるといいのだが、 放射線後もう半年飲んでるんだよな。 それでまだ変色が消えないとなると期待はできんか。 漢方医に聞いてみようかな。

部屋に帰ってきた時にはとにかく痛そうだったが、 モルヒネの点滴を始めたからか、 それなりに穏やかになって寝ているのか起きているのか わからない感じになった。私はずっと手を肩と腕に当てて気功ごっこ。 ひつじこには効くが、頑固に心を開かない弟にも効くかは不明。 こうして弱った時であれば多少は効くんじゃないかと思うんだが。

両親はこれから毎日見舞いに来るはずで、初日に疲れすぎてもまずいので先に帰し、 私は追加で2時間ほど気功ごっこ。 夜10時ごろ最後の血糖測定が終わって、 眠りを妨げるものがなくなったので帰ることにした。 寝ているのか起きているのかはわからなかったが、呼吸はゆっくりで脈拍も遅い。 血圧は低いが低すぎず、おそらくはリラックスできているだろう。 痛みはコントロールされている。私が元気なら朝までいても良かったが、 疲労で倒れかねないので帰ることにした。 どえらく疲れたので、おそらくそれなりに気は流せていると思う。 相手が受け取らない時にはさほど疲れない、ような気がするのだ。 もっとも、6時間椅子で待ち続けた上に、そもそも風邪で体調が悪いので、 そのせいと言えばそのせいだろう。しかしこういうのは信仰心が大切なので良しとする。 人は触れられていると安心するものだ。犬ですらそうなのだから。

「糖尿病に勝ちたければ、インスリンに頼るのをやめなさい」という本が出て、 それなりに物議を醸している。 糖尿病がヤバいのは高血糖状態が続くと合併症が出るからだ、 というのが常識なわけだが、 それを否定する内容だからだ。 合併症の元凶はインスリンであり、高血糖そのものは合併症にはつながらないという。 その根拠になるのは、300とか400とかいう高血糖状態を放置しても 合併症が出ない患者が多数いる、という観察だ。

過去の事例からも、 単純な高血糖が悪いわけではなさそうだ、ということは知られていた。 急激に血糖を改善すると合併症が悪化することは広く知られているし、 平均血糖値が低くても合併症が激しく出る人がいることも知られている。 これらについては血糖値の変動が合併症の原因だろう、という説明が良く出てくる。 先の本の仮説はこれと矛盾はしない。 血糖値が大きく下がるのはインスリンが出た時だからだ。 これを確認するには、 インスリンを使わずに急激に血糖を下げた時に合併症が出るかを見たり、 急激に上昇はさせるが急激には下げないような状況を作って 合併症が出るかを見たりすればよい。 そしてこれに関しても仮説はもっともらしい。 インスリンを使わずに急激に下げることはできないのでこれは実験できないが、 急激に上げて下げないことは容易にできる。 糖尿病患者が糖質をドカ食いして薬を使わなければよく、 それは無治療で普通に食べている糖尿病患者がそのまま当てはまる。 治療しなければ合併症が出ない、という観察が本当なら、そうだ。

反論がある。糖尿で足が腐る人はいて、 そういう人は当然無治療だ。だが合併症が出ている。 これに対しては、治療で入れるのに匹敵する量のインスリンが出ているからだ、 と言えば筋は通る。なぜそれでも糖尿なのかと言えば、 それはインスリン抵抗性で説明できる。 太るとインスリンが効かなくなり、同じ量のインスリンで処理できる血糖が減る。 結果高血糖が観察されるわけだ。しかしインスリンは出ているので合併症は起こると。 論理に破綻はない。

では1型はどうなのか。膵臓が全くインスリンを出せない場合、 血糖は全く下がらない。全て尿中に出てくるし、こういう人は長くは生きられないのが常だった。 インスリンがないのに死ぬような合併症が起きているではないか、 というわけだ。これに対して、例の本では「1型は別。インスリン必要」と言っており、 統一理論にはなっていない。 高血糖自体が悪い、という説であれば1型と2型を区別せずに扱えるので、その方が魅力だ。 主流がそちらなのはそれゆえだろう。

1型と2型の区別を症状でやるか原因でやるかは 必ずしもはっきりしているわけではないようだ。 そもそも高血糖という現象を見て原因を特定することは難しい。 白人の2型はほぼほぼ肥満でインスリン抵抗性によるが、 日本人の2型にはかなり痩せている人も含まれる。おそらく原因が異なるのだろう。

1型がインスリンで長生きできることは、1型の問題がインスリンの問題であることを 示している。インスリンと別の何かが1型では壊れ、 2型では保たれている、というような 話ではない。

インスリンが全くないと、ブドウ糖が使えない。余る。尿に捨てる。脱水を起こす。 ケトンが濃くなってpHが下がり、ケトアシドーシスになる。 インスリンは糖新生を止めるブレーキでもあり、これがないと糖新生が止まらないので ブドウ糖が増えまくって余計に悪化する。 2型でこれが起こらないのは、インスリンが多少なりともあって糖新生にブレーキがかかるために、 ここまでブドウ糖が増えないからかもしれない。しかし2型であっても、血糖値が急激に上がるような 糖のドカ食いをしたり、汗をかきまくったりすれば同じことが起こる。 2型でなくても起こる。ペットボトル症候群はまさにそれだ。 というわけで、ケトアシドーシスに関しては統一した説明ができる。

1型で無治療の場合、死因は何なのだろう。ケトアシドーシスや脱水で死ぬなら上の説明が使え、 これだとインスリン有害説と矛盾しない。いわゆる合併症っぽい合併症で死ぬ場合は矛盾する。 しかし、1型で無治療なんてことはまずなく、インスリンを使いまくりながら生きていき、 同時に合併症にもかかる。しかし厳格な糖質制限でインスリンの使用量をギリギリに抑えている バーンスタイン医師は、合併症を免れており、「インスリンが悪い」と矛盾しない。 あれ?1型も同じに扱えないか? ケトアシドーシスを避けるために糖新生抑制スイッチとして働く量のインスリンは必要だが、 それ以上はない方がいい、というのは筋が通る。

2016年06月14日

13日、弟が入院した。 椎骨全摘のような大きな手術はやらず、 骨の後ろを開けて腫瘍にある脊髄の圧迫を取り、 ダメになった椎骨の上下2本づつをネジと棒で連結して固定する。 どうもダメになった第九胸椎だけでなく第十胸椎にも病巣がある可能性があり、 その場合はいじる範囲が一つ広がることになる。

弟は食欲がなく、オキシコンチン20mg×2でも除痛できず、 オキノーム(即効性医療用麻薬)を一日二回飲んでいる状況。 仮に大きな手術に切り換えるとしても、別の病院をこれから受診するような 余裕はなさそうだった。 ソイジョイのクリスピーな奴は食えるらしく、それと豆乳で栄養を補給している。 嚼めば肉でもチーズでも食えそうなものだが、食べる気がしないという。 そもそも、「噛んでいると気持ち悪くなる」とか言って、よく嚼まない。 胃が小さく噴門がない以上、よく嚼まないと消化できず気持ち悪くなるのは 当然なのだが、奴はそういうところで妙に頑固なので行動を改めようとはしない。 嚼めよ。マジで。 なぜ胃の手術後まだ元気だった頃に 噛む習慣をつけるようしつこく言わなかったかと後悔している。 医者が手術後の食べ方の指導や介入を全然してくれないなんて思わなかったのだが、 それは言い訳だろう。一緒に暮らしていない以上限度があるし、 こっちにはこっちの生活がある。しかし、それでも悔やまれるものは仕方ない。

元々食事には妙なこだわりがあって、 馴染みのあるものしか食べようとしなかったし、 行動パターンを変えることをとにかく嫌がる。 それを責めることはできないが、 まだあきらめてほしくはないわけで、生き残る道を模索してほしいとは思う。 どうやったら気持ち良くいい方向に向かってもらえるか考えるしかない。 本人の意思が重要、というのは正しいが、こっちにはこっちの都合がある。 おせっかいだろうが押しつけだろうが、生きてもらいたい。 どうしたものかな。

使ってない薬としてはイリノテカンが残っている。 TS-1にしてもゼローダにしても1/4とかの量でしかやってないので、 量を増やせば効く可能性はある。 しかしこれらは身体を害する毒だ。効いたとしても無限に続けられるものではない。

あとはニボルマブ(オプジーボ)がある。効くかもしれない。試すことはできる。

それ以外はほとんど宗教とかスピリチュアルとかの話になる。 しかしそれはそれなりに重要で、 心が平静で愛やら喜びやらに満ちていれば、 リンパ球が増える。弟は好中球比率が高く、 言うならば身体が常に臨戦態勢だ。外敵に備える方にエネルギーを割きすぎていて、 メンテがおろそかになっていると読める。 そういう体質の人間は癌に弱いと言われているし、 頑固で、人と交わらず、早起きでせっかちなタイプは癌に弱い、と言っている人もいた。 本当かどうかはかなり怪しいにしても、まさに弟そのものだ。気にはなる。 治るかどうかはともかくとして、 愛と喜びに満ちて悪いことは何もないので、 そっちの方向に持っていければいいのにとは思う。 それで本当にリンパ球が増えれば、オプジーボなどの免疫を利用した薬の 効きも良くなる可能性がある。というか、それくらいしか希望がない。 しかし、この心の問題が一番厄介なのだ。なにせ弟だからな。

昨日は詳しく手術の説明を受けた。医師は誠実で、自分の腕に自信を持った 信頼できる人だと感じた。しかしその説明を母は聞きたくなかったようだ。 たまたま肝臓の病変が落ちついているとは言っても、 骨転移がこのように進展して放射線も効かないとなれば、 客観的には病気が進行していると言わざるを得ない。 胃癌であればまずやらない手術であるという。 すでに終末期と言っても過言ではない、とまで言われた。 残された時間を穏やかに過ごす方が良いのではないか、ということだろう。 ただ、この痛みの中で穏やかに過ごすのは無理で、 まだ半年程度の時間があるならば、一か月ほど術後の痛みで苦しんでも 割に合うという判断はできる。手術をやってくれるのはそういう判断だろう。 いつ椎骨が圧壊して麻痺して寝たきりになるかわからない状況であり、 放射線を当てるにも脊髄を巻きこまずに当てられる段階はとうに過ぎている。 こうなると手術以外の手がないのだ。 手術で脊髄と病変の距離を空けられれば、定位照射できる可能性も出てくる。 そういうことをきちんと聞かされれば、目の前が真っ暗になるのも当然だろう。 私やひつじこに置き換えれば、 オタマやシノンがそういう状況になっていることに当たるわけで、 とても平静にいられるものではない。 本人にそういうことを聞かせたくない、という母の思いもわかるが、 知らないまま悪化してその日が来るよりはマシだろうと、 今の医者の大半は思っているし、私もそう思う。 まだ戦えないわけではないし、戦うには状況を知る必要がある。 人体に致命傷を与える場所にある腫瘍はまだ小さいのだ。 この状況から回復した人だっていないわけではない。

懸念がある。手術で痛みが取れる保証がないことだ。 骨がぐらついていることによる痛みであれば、 動かした時に痛くなる。しかし弟の痛みは動きと関係ないという。 そうなると、腫瘍が脊髄を圧迫したり、周辺組織を破壊していることによる痛みであり、 補強では痛みが取れないかもしれない。 もちろん、脊髄への圧力を逃がすこともするし、すぐ削れる範囲で腫瘍も削るのだが、 それでどれくらい痛みが取れるかは未知数だ。 もしかすると、術後に定位放射線をやらないと痛みが取れないかもしれない。 手術の傷が治ってからということになれば、一月くらいはかかるはずで、 その間抗癌剤もやれなければ癌がさらに悪化することすらありうる。 さらに、定位放射線をやっても効かないとか、 やった後すぐに再燃するとか、そういう考えたくない可能性も当然ある。 その時は打てる手がほぼない。 そうなってから慌ててニボルマブを試したところで間に合わないことは考えられる。 もうやってしまっていいのかもしれない。

そんなこんなで日常の活動がおろそかになっている。 この先どうやって食っていくべきか、みたいなところで悩んでいることもある。 といっても元々家事も子育ても得意とは言い難いわけで、それは言い訳かもしれない。 単純に下手なのは確かだ。 ひつじこには怒られっぱなしである。

こっちとしては「いろいろ大変なんだし容赦してくれよ」 と言いたくなってしまうが、ひつじこが凄まじく大変で寝られないのを 助けられてないのは事実だ。こういう状況において、無能は罪だろう。

できればもっと手を抜いてほしいのだが、 手抜きの方法はひつじこ自身で編み出すしかない。 私が「こうしたら手を抜けるんじゃね?」とか言っても、 所詮やってない人間だけに的外れになる。 つうか、怒られる。 会社でも実装担当者にああだこうだ言いすぎて怒られることがあるし、同じだろう。 こういう時にはでしゃばるべきじゃない。 もしうまく行かないことがあれば、その時には私がやればいい。 とりあえず皮付き豚バラの角煮は私がリベンジしてみることにするか。

肉が固くなるのは、加熱が過ぎた時だ。 肉は68度になると収縮して固くなる。 そして水が十分にある状態でずっと加熱していると、ゼラチン化して柔らかくなる。 ここまで煮ないといけない。 一方で臭みは抜きたい。水嶋理論によれば臭みは細胞外液にあり、 それは55度程度で出てくる汁におおよそ含まれるという。 以上を満たすには、まず60度の湯で十分に置き、水を捨て、 鍋に野菜と肉を入れてオーブンに入れ、極力ゆっくり加熱する、 という手が考えられる。 前もって焼けば肉が収縮して細胞外液が抜けるので臭みも抜けるが、当然固くなる。 その後のオーブン加熱でゼラチン化すれば同じに思えるが、 水をかなり抜いてしまっているので汁に漬かった状態にしないと ゼラチン化が進行しにくいように思われる。 まあ今度試してみるとしよう。

弟に付き添っている父から電話。 血糖75で低血糖とみなされてブドウ糖点滴されそうになったと。 いらんと断わったらしいが、それはそれで厄介だ。面倒な患者認定間違いなしである。 私が知る限りにおいては、75程度は低血糖ではなく、 丸一日断食していれば普通にある値だ。 ケトンを作って燃やしていれば何ら問題ない。 むしろ、感染しにくくなって手術前後の コンディションとしては都合がいいくらいだろう。 そういう論文もあった。 だいたい、健康診断の基準値は60-109だ。

癌患者を診ている糖質制限派のある医師は、 手術から帰ってきたらガッツリ悪化していた 患者をしばしば見ると言う。 ブドウ糖点滴と入院食で血糖値が上がりまくるからではないかという。 しかし糖質制限はまだとてもメジャーな考えとは言えない。 糖尿病系の医師の間では知られてきているようだが、 外科ではほとんど知られていまい。 まして癌患者の場合食えなくて痩せていった挙句に死ぬことが多いわけだから、 とにかく食わせろという話になるのもわかる。

さてどうするかな。「ほらこんな状況なんで、 信仰みたいなもんですから多めに見てくださいよ」路線と、 「一応専門医もこう言ってますし」路線を折り混ぜるしかないか。 点滴はたぶん完全には回避できん。 あまり面倒くさい患者認定されると後が厄介だ。 元より糖質制限は相当粗いようから、大差ないだろう。 カツサンドのパンを除いたところで糖質は結構入っている。 市販のタマゴサラダも同様だ。

念を入れて、ケトニアというものを注文してみた。 カロリーの大半が脂質で糖質が少なく、それなりに蛋白を含み、 ビタミン類を添加した飲み物だ。 難治性のてんかんに苦しむ子供のためのケトン食療法というものがあって、 それに使われる食品である。糖を気にせずに蛋白と脂質を取れる手軽な飲み物、 というのはあまりないので、試してみることにした。 届くのは7月中旬になるし、味も不明なので弟が飲めるかどうかはわからないが、 余ったら余ったで私が飲めばいいし問題ない。念のためだ。

しかし、断糖という方向性がそもそも正しいのかはわからんよなあ。 確かに血糖が上がりまくれば手術どころではなくなる。感染の危険も増す。 その意味では血糖は低い方がいい。ただ、際限なく低くていいかはわからない。 たぶん70未満までは落ちないと思うので心配は不要だと思うのだが、 医師がそう思うかはわからない。 また、それとは別に、そもそもカロリーが足りてない状況を放置していいかどうかは また別問題だ。多少血糖が上がってもエネルギーの補充を 優先した方がいい可能性はある。 糖質制限を徹底したいなら脂質でカロリーを取ればいいのだが、 どうもそれも容易ではないようだ。一日中生クリーム啜ってろ的な話になるのだが、 まあやりにくいわな。弟そのへんは頑固だし。

そもそも、「血糖が低い方が癌が進行しにくい」は所詮仮説だ。 理屈なんていくらでも作れる。実証されてない。 こういう話もあるが、少数例にすぎない。 実際、それなりに糖質制限していてもこうして進行しているわけで、 効かないと断じてもいいかもしれない。 そんなことにこだわって好きなものが食えない方が問題で、 ラーメンでもカツ丼でも食いたいものを食えよ、というのはもっともだ。 しかし、肺転移までした胃癌でこんなに進行が遅いことはそうそうない、 というのも事実であり、糖質制限が効いているが不十分、という可能性はある。 そこを弟も評価して糖質をそれなりに避けて生活している。 昨日聞いてみたが、米を食う気はないらしい。 決めたことに関しては頑固に守る。それはそれで厄介なのだが。

そういえば、日曜日は わいわいフェスタなるイベントに行ってきた。 正直何のイベントなのかよくわからないが、NPOが絵本の読み聞かせをしていたり、 高校生がバルーンアートをやっていて子供にくれたりして、 子供らはそれなりに楽しんでいた様子。 しかし諸々カオスで、占い師やらアロマやらのよくわからない出店があったり、 生協がシュークリームを配りながら勧誘していたりして、なんだかよくわからない。 会場自体のノリもすごくて、 エセナおおたは男女平等推進、キッズな大森は児童虐待防止が主な活動っぽく、 世界がDVと児童虐待で満ち満ちているような印象を受ける。

男女平等は正しくて、女性の課長やら部長やら政治家やらがこんなに少ないのは 何かが間違っていると私も思う。プログラマも同様。半分女性だったらすごくいい。 しかしそこでどうやってこれを是正すべきか、 ということになるとそう簡単ではないだろう。 制度をいくらいじっても、経済的合理性の問題と風習の問題を両方ケアしないと 解決は望めない。もちろん制度で無理矢理にでも是正し、 あとは皆がそれに慣れるのを待てばいい、という考えもあるだろうが、 制度に対して呪いを吐く人が出てくれば、その呪いは制度で有利になる人に対しても 向けられることになる。経済的合理性は人心以上に厄介で、 もし女性を増やすことで不利になることがあれば、 経営者はあの手この手を使って迂回しようとするだろう。 だから、女性が偉くなることで多数が得をしないといけないし、 それに納得しないといけない。 そういう方法を考えることに智恵を使った方がいいと思う。

プログラマに関して言えば、 達人女性プログラマがたくさん出てくればそれが一番簡単だと思う。 プログラムが得意な女性は、女性が学びやすい方法をバンバン編み出して、 後輩を育てまくってほしい。 経済的合理性は長期的には風習よりも強い。女性が書く方が儲かるのならば、 必ずそうなる。腕が立つ女性が増えればそれが一番簡単確実だ。 政治家だろうが課長だろうが、難度に違いはあっても、話の構造は同じだと思う。

ただ、出産がある分の不利は問題で、 こいつを軽減することも同時に考えないといけない。 すぐできることとしては無痛分娩がある。痛いよりは痛くない方がいいだろう。 他にも出産に伴う負担を軽減する方法の開発にはもっと資金が投入されていいと思う。 あとは母乳とか言わないで粉ミルクにして、男がやればいいんだろうが、 私はやってないので強くは言えない。 将来的には病院に人工子宮を置いて胎児を育てて もらうべきだろうが、それは未来の話だ。 それが進めばまさに「地球へ」や「マージナル」的な状態になる気もするので、 それが幸せかどうかはわからんのだが。

一昨日から風邪。昨日今日と小柴胡湯。 昨日一日で喉と鼻の奥の痛みはおおよそ消えたが、 口が苦いのとイマイチ気持ち悪いのはまだ治らない。 昨日は雨の中病院まで行って医者と話したりして緊張したので仕方ない気はする。 せめて断食しておけば良かったか。

2016年06月03日

なんか久しぶりに人に仕事を渡す仕事をしている。 あんまり気が向かないが、お客さんに「やりますよ」と言ってしまった手前仕方ない。 綺麗にまっとうして、さっさと本来の路線に戻そう。

webAudioなるものがあって波形を流せることがわかったので、 Sunabaをブラウザに移植する際の技術的な問題はほぼ消えた。 となると、やらないといけない。 誰かやってくれないかなあ。

糖質制限で痩せるか?痩せるとは限らない。 まず人体には蛋白質を脂肪に変換する機能がある。 次に、食べた脂肪が蓄積しないという保証は今のところない。 自分で試した範囲では太らないが、いろんな人がいるし、 理論的な裏付けもない。過剰な油は消化できずに便に出ていく気もするが、 そうなる量には個体差があるだろう。 また、現実には糖質をゼロにはできず、 人によってインスリンが出る糖質量は異なるので、 反応がいい人ならわずかでもインスリンが出て脂肪を蓄積する可能性がある。 おそらくひつじこはそうで、それなりに削っていても体重が減らない。 蛋白質を食べすぎている可能性もあるにはあるが、 それよりはインスリンの反応の良さによるのだろう。 うちの糖質制限は緩いので、調味料や人参、キャベツなどの糖質は制限していない。 それでも10gや20gにはなり、これはインスリンが出るには十分な量である。 ひつじこが痩せようと思えば食事回数を減らすのが一番効果的なのだろう。 ただし、体脂肪率27%というのはむしろ少ない方であり、 平均と比べてどうこう言うのであれば痩せる必要は微塵もない。 ただ、私は平均はすでに太りすぎだと考えており、 ひつじこの体脂肪率はまだ高いように思う。

もう少し考えよう。 ひつじこの場合は糖質食べまくりだった時期の方が 体重が少なかった。妊娠出産に伴う安静で筋肉が落ちて太りやすくなっている、 という説明もあるが、糖質を食べる量はそれこそ天地の差だ。 糖質がそんなに太るなら、今の方が太るのは変だ。 玄米にミューズリーにスパゲティにパンで、糖質祭だったのである。 カロリーの大半を糖質から得ていたはずだ。 確かに全粒粉だったり玄米だったりしているので GIは低いが、そんなにGIって重要なのか? 肉の量は少なく、魚や大豆が多かった。 あるいは、ひつじこは糖質の処理が下手な体質で、 うまく消化吸収できない体質なのかもしれない、という仮説はありうる。

糖質制限の導入は2012年の8月あたりだ。 なかなか妊娠せず不妊のクリニックに通っていたのが 2012年の年末あたりだが、その直後1月には妊娠。 糖質制限を始めた瞬間に妊娠、と言ってもそれほど誇大ではない。 そして、その頃には体重は軽かった。 そのままつわりになり、おおむね順調にシノンを産んだ。 確かそこから体重が40kg台に戻ることはなかったんだっけか。 だとすると、糖質制限によって太っていると考えるのは自然だ。

昔のひつじこは食が細く、何かと熱を出したし、寒がりで、 蚊に刺されたりぶつけたりすると痕が長く残った。 今はよく食べ、熱を滅多に出さず、暑がりで、痕もさほど残らない。 これが玄米食によってもたらされたのか、 糖質制限によってもたらされたのか、漢方によってもたらされたのか、 加齢によって自然にそうなったのか、 さてどうだろう。一緒に玄米を食うようになって、食う量はアホみたいに増えた。 熱を出さなくなったのはいつごろからっだっただろうか。 痕が残らなくなったのはいつごろからだっただろうか。 2014年の夏頃に加味逍遥散を1ヶ月くらい飲んだ時期があった。 糖質制限導入後2年近く経っているので、 あの前後で何かが違っていたとすれば漢方による可能性はある。

数日前からオタマに桂枝茯苓丸を飲ませている。1日2回10丸づつ。 オタマも痕が残りやすい体質で、かつてのひつじこによく似ている。 ひつじこの母上も静脈瘤が足の甲に多くあるし、 父上も顔色から見てオ血があるタイプに見える。 どうも遺伝的にオ血があるタイプなのだろう。 オ血なるものは仮説にすぎないが、 オ血を治すと言われている薬を飲んで、オ血っぽい症状が減るのであれば、 それを「オ血がある」と言うのは便利な表現だと思う。 かつてのオタマの皮膚症状はそれはもうひどいものだったが、 あれは受け継いだオ血と糖質を受けつけない体質によるものだったのかなと 思わなくもない。ひつじこはかつて食が細かったが、それは糖質の害を受けやす かったからかもしれない。そしてオタマがやけにデカいのも、 ひつじこが糖質を食べまくったことと無関係ではないだろう。 シノンもオトモも平均より若干小さいくらいだ。

ひつじこのご両親にも桂枝茯苓丸を飲ませたらマシにならないかな。 静脈瘤に桂枝茯苓丸が効いたという報告は数多い。 漢方的には癌はオ血の最たるものであり、 大腸癌を患った経験があることから言っても、また、女性であるということからしても、 オ血であると仮定してオ血の薬を飲むことは妥当な手だ。 どうもかかりつけ医から防已黄耆湯をもらっているようなのだが、 効くとは思えんなあ。桂枝茯苓丸をもらう方がよほどいいんじゃなかろうか。


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