食い物日記

2000年3月27日

魚は鮮度が命である。断熱容器を買わねばなるまい。 東京の宴会でそれを思い知った。ジャンプに行って見てこよう。

豆をおきっぱなしにしていったら、見事に発芽していた。 長いものでは1.5センチくらい根がのびている。 ここまでのびると逆に栄養が減ってしまうのだが、 加熱時間は短くてすむ。蒸して食おう。

ここ数日まるで繊維をとっていなかったので、 強烈な便秘に苦しまされた。大便が出ない日があるなど 普通の生活では考えられないことである。 これからは常にほしぶどうを持って歩くようにしよう。

外食はたいがいおいしくない。しかし、外食をしたという心理的な満足感があるのは 確かだ。さすがにオレでもえんえん玄米と豆と魚では飽きるのである。 というわけで、外食をした気分になるのに最もふさわしい「肉料理」を 二、三開発しておこう。外食して肉を食っても、どうせおいしくないのだ。 例外は二郎の豚肉くらいか。

2000年3月20日

黒砂糖飽きた。きもちわるい。

51円では何も買えない。おろせばいいのだが、 おろせば使ってしまう。それはよくない。 というわけで、チャパティにトマトソース。 だが、次チャパティを作れば小麦粉も切れる。 ライ麦粉だけではおいしくないし、 とうもろこし粉は役に立たない。 もう、終わりだ。

大豆発芽中。これが頼みの綱だ。うちに一番いっぱいあるものは 大豆なのである。このもやしを蒸したものと米を半々くらいでまぜて食う。 10日くらいもってくれ。

2000年3月19日

金がない。米を温存するために、ひきつづきチャパティを焼いて食う。 と、ふと見るとココアがある。 そこで、これをチャパティに混ぜてみることにした。 ところが砂糖がない。白い奴は深みもなにもないので、 黒砂糖を買ってきた。所持金が51円になってしまったが、 仕方ない。耐えよう。あと10日で今月も終わりだ。 で、ライ麦、小麦全粒粉、黒砂糖、ココアを混ぜて焼いてみた。 とりあえずマズくはない。だが、量を食べているとイヤになってくる。 やはり砂糖はそういうものなのだ。 毒とは言わないが、少なくとも食う必要のないものである。 というわけで、残った砂糖はそのまま食うことにしよう。 かたまりの黒砂糖なのでそういう芸当ができる。

最終兵器は豆だ。まだ大豆が3kgくらいある。 これで食いつながねばならない。 しかし、この大豆がやっかいなのだ。火を通したが最後、 放っておいたら冬ですら一日と保たない。 春になれば半日でもヤバかろう。 すぐ食える状態で保存できない食い物というのはまことにやっかいである。 やはりもやし化させて、食う分だけとって蒸すのがいちばんいい。

ひもじくて、黒砂糖をかじっていた。甘いが、同時にかなりしょっぱい。 煮詰めただけのさとうきびはこんな味をしていたのか。 しかし、甘い。茶を入れよう。

2000年3月18日

トマトソースを作って、チャパティにつけて食う。 米もまた温存せねばならないからだ。 小麦粉はまだしばらく保つだろう。 で、そのトマトソースだが、どうにもうまくいかない。 トマト缶の質が悪いのかなんなのか、 味が不自然なのである。妙に薄っぺらい。 トマト特有の酸味とうま味の調和がない。 スパイスや塩の問題ではない。 できることならばちゃんとしたトマトでやりたいものだが、 トマトは高い。とりあえず安くていらんものの入っていなさそうな トマト缶を探さねばなるまい。

2000年3月16日

近頃はまともにメシを作っていなかった。 やることが多すぎてダルかったのである。 で、ふと米の袋を見てみると、 小さい。持ってみると軽い。 米がもうないのだ。 この米は忘れるくらいまえに20kg通販で買ったもので、 20kg8000円と安くてうまい、いい米だ。しかし、それでもやはり8000円である。 今この時期に8000円を出すのはまさに至難の技だ。 しかし米だけは欠かすわけにはいかないのである。 もはや一刻の猶予もない。バイトで金をかせがねば明日はないのだ。 ついにオレは食い物のためにバイトせねばならなくなったのか。

2000年3月10日

メシを炊く時間がなかったので、 昨日ついでに買っておいた300g100円のそばをゆでて食う。 つゆはいつぞやもらったうどんつゆ。 で、味の方なのだが、そばは所詮そばで、つゆは所詮つゆ。 つゆは確かにダシが効いていていいのだが、 ちと、効きすぎる。こんなに後味が残るのは自然のダシではない。 アミノ酸添加している証拠だ。 マズイとは言わないが、あまりおいしいとは言えない。 もらっておいてなんだが、あまり使い道はないかもしれない 煮物にはやはりかつおぶしをけずりたいし、こんぶがある。 しいたけも買えばある。3大ダシグッズを自分で調合するのが一番うまいのだ。 ああ、かつおぶしとしいたけ買いてえ。 でも、今は金があったら同人誌印刷費。次はコンピュータ増設。 食い物は最後だ。 たらこは大切に食おう。ちりめんじゃこは大切に食おう。 にしんは大切に食おう。 でも、時間がたつほど味は落ちる。それが悲しいかな現実。

2000年3月9日

最近の食生活。たらこ、ちりめんじゃこ、にしん。以上。 宴会の余りがまだまだ残っているからである。 特にたらこは冷蔵庫にいれておいた分だけで数百グラムあり、 再冷凍するのも気がひけるので食ってしまうことにしたのだ。 おそらく今オレは日本でも有数の「たらこ食う人」だろう。 ちなみに、この3倍くらいの量がまだ冷凍庫に眠っており、 冷凍したぶりの身もまたあまっている。 そしてこれを食いながら飲んでいるのが奴等の残していった甘酒。 砂糖を入れて甘くしてあるので凶悪に甘い。 買ってきた奴等も全部は飲まずに帰ったという 事実からしてそのことを裏づけている。 だが、放っておいたら腐ってしまうし、 捨てるほどマズくない。だから結局飲んでいる。 それはいいとして、 ぶりの刺身が食いたい人はお早めに言ってほしい。 そろそろ生食限界になる。 オレ一人で刺身をこの量食う気もしないので、 誰も申し出なければ残念ながら照り焼きにしてゆっくり食うことになるだろう。

2000年3月8日

一段落ついたところで、良月らがきていた時に何を食っていたかを 書いてみよう。

ラーメン屋「天下一品」
京都に来て総本店で食わないのもおもしろくなかろう。 しかし、二郎に慣れた彼等にはちとぬるすぎたようだ。 もっとも東京の天一は大したことはないらしく、 ドロドロさに驚いていた。 さらに、東京の天一は100円は高いらしく、 安さにも驚いていた。
中華料理屋「王将」
安い店はないかと問われてそうなった。 2度も行ったくらいである。 オレはそう安いとも思ってはいなかったが、 確かに中華料理屋としては安い。 500円で食えるのだ。 奴等の住む東京はなんでも高いらしく。 700円以下でメシを食うのは至難だという。 なお、王将の味は並で、特に言うことはない。
スパゲッティ屋「マダン」
一番安いのと二番目に安いのをたのむ。 そして実感。ここは安い方がうまい。 ごてごていろいろ入れていないのでうまいのだ。 トマト、タマネギ、ハーブにスパイス。 これが基本であり全てである。 ホワイトソース系はのっぺりしている上にいらんものを入れているので好かんし、 あまりごてごて具が入っていると味が乱雑になる。 トマトとにんにく系で十分だ。 奴等も量のわりに安くておいしいのに満足していたようだ。
カレー屋「ガラムマサラ」
天一に行く時に偶然発見したのだが、 ここがまた変でうまい。 1100円と値は異様に高いが、 カレーを逸脱した味と盛りつけが素敵である。 インド風というわけでもないが、日本で普通に見るカレーとは明らかに違う。 色は茶色が濃く、味は複雑で何が入っているのかさっぱりわからない。 盛りつけも、木の盆に木の皿にメシを盛り、木のおわんにルー、 そしてつけあわせにたくあんという変さだ。 ちなみに、閉店直前に入ったため、腰のまがったおばあさんにものすごい 勢いでイヤがられた。メシ屋に入って「食ったらすぐ帰れ」と言われたのも はじめてだし、食ってる横で店の人がテレビをみながらボリボリ何かを 食っていたのもはじめてだ。怒る前に「これが京都か」という思いが こみあげるその様を、是非みなさんも体験してほしい。 それだけで1100円の価値はあった。 なお、これを食ったあと妙に腹の調子がおかしく、 しばらくは食欲がわかなかった。 量のわりに腹にたまる、と言っていいのかどうかは不明だ。
たこ焼屋「蛸安」
イベント後たまたま寄った。 異常に高かった気もするが、有名なだけに食ってみねばなるまい。 で、別に大したことはなかった。 「ばくだん」というのがあって買ったのだが、 中は蛸のかわりにうずら卵が入っていただけで、しょんぼりだった。
ラーメン屋「山さん」
イベントに行く途中に寄って食った。 とにかく安いだけなら最強クラスの店である。 600円で特大(2玉)は安い。並なら500円である。 味もかなりといえばかなりだが、 味にうるさい奴等や今のオレにとっては少々低レベルだ。 天一や二郎のようにどこかつきぬけていれば味など あまり気にならないが、なまじ普通のラーメンであるだけに気になる。 腹だけはたまった。

さて、大宴会のことも書かねばなるまい。 コピー本完売記念、及び初参加で50部売れた記念打ちあげである。 初参加で50部売れたら大宴会だなと清水が言ったらしく、 そうなった。しかし残念ながら経費(サークルの財布) から出せるほどもうけているわけもなく(というかマイナス) 単なる割り勘となった。 食ったものは以下の通り。

酒は以下の通り。

魚は全てその日(6日)の朝に4人で市場に行って買ったものだ。 ぶりは尻尾のゆがんでお造りに使えないものがキロ950円で、 6kgのを買った。 たらこは近海もので最上級ながらバラバラになって値の下がったものが 3キロ5000円。3キロ樽まるごとで買う。 そしてかえりちりめんがキロ1400円で、1キロ。 生のたこがキロ1100円。これを約2キロ。 ぶりは身を刺身にし、アラで大根を煮た。 いわゆるぶり大根で死ぬほどうまい。 ぶりは今の季節脂がのっており、まさに吐くほどうまい。 「肉のあぶらは「油」にすぎないが、魚のあぶらは「脂」で 「旨」味が入っている」、とはかたはらが言った言葉だ。 たらこも最上級品だけに塩が薄く、鮮度がよく、 とろけるようなうまさだ。 さらにたこも、自分で最適な時間だけゆでたために かたくなりすぎず、風味も失われず、まるでほたてのような風味を強く感じる。 これはあっという間になくなった。ちりめんじゃこも肴としてよく、 酒がすすむ。もう少し野菜があったらよかったというのが反省点だろう。

もちろん酒の方もいいものを集めた。奴等が石川までわざわざ行って買ってきた 菊姫と、土産にもってきた越の寒梅。 菊姫の原酒は主張の強いうまさで、 越の寒梅はその抜けるような飲みやすさと後に残るさわやかな香りがすごい。 それは売れるだろう。菊姫のにごりも甘味が強くておいしくてよかった。 うちにあった天狗舞は残念ながら古くなって風味がとんでいたが、 それでも並のものよりはおいしい。 まさに、いいものづくしだった。

ちなみにかかった金は一人あたり3500円前後。 8人いたのが大きいとはいえ、それほど高いわけでもない。 日本酒は一人2合くらいは飲めたし、 魚類に至ってはその前の昼飯に食ったり次の朝飯に食ったりしたにもかかわらず 相当あまっている。 今もたらこは1.5キロくらいあるし、ぶりもまだ4分の1の身があまっているほどだ。 ワインも半分あまっているし、ラガービールは手もつけていない。 それを考えればコストはかなり安くなる。 こういうことを体験すると、 宴会は自分達で企画するに限ると思うようになる。 準備もまた楽しいではないか。 オレがコンパの類にいかなくなってきたのはそういうことも大きいのかもしれない。 同じ金でもっと楽しく、もっといいものを食えるのだから。


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