食い物日記

2000年5月26日

うなぎのかばやきが一匹380円だった。どんな味だったか思い出せないので、 試しに買ってみたのだが、これがまたうまくない。無茶に脂っこく、あまったるく、 魚の味など微塵もしない。この脂っこさはあまりにも不自然なので、 間違いなくエサをたらふく与えられてロクに動かなかった養殖モノであろう。 確かに特売の安物ではあるが、 思い出してみればいつ食ってもこんな味だった気がする。 とすると、うなぎのかばやきというのはおいしくない料理なのだろうか。

うなぎ。思えば不思議な魚である。今だかつてこの魚をかばやき以外の料理法で 食べたことがない。肝をおすいものにしたりするとは聞くが、 結局メインの食べ方はかばやき以外に知らないのである。 しかし、あれほどの濃い味つけをしてしまった後では本来の味など知るべくもない。 煮たり焼いたりした後であれば味の相当抜けていることだろう。 果たしてなぜこのような食べ方が主流になっているのか。

うなぎは高い。これは間違いない事実である。 高くなったのは評価が高い、つまりはおいしいからであろう。 しかし、そのへんでお目にかかるうなぎは、タレの味をさっぴいてもなお うまいとは到底思えない代物である。 一つの可能性としてはうなぎにもグレードがあり、 グレードによって値段と味がとんでもなく違うということが考えられる。 ハイグレードなうなぎはおいしく、ちゃんとした料理で食べることができるが、 グレードの低いものはこれくらい濃い味をつけないと食えたものではない、 ということだ。しかし、それも推測である。 結局、どうにかして丸で良質のうなぎを手にいれて料理してみる以外に うなぎの味を知る方法はないのだ。

ちなみに、オレの舌が一般人のそれとはかけはなれてしまったために おいしいはずのうなぎのかばやきがおいしく感じられないだけ、という可能性は 否定できないので注意してほしい。しかし、 元々おいしいものをそのまんま食べるというのが文化的ではないにせよ 一番健康的であることは疑いようがないのであり、 食い物を食うのは命をつなぐためだ。 無理にこんな分野で文化的になっても 体にとってはいい迷惑であろう。 先進国人の死因の大半は栄養不良からくる老化促進と臓器不全によるのである。

2000年5月24日

なぜか肉が食いたくなったので、シチュー用の100g100円の牛肉を買ってきた。 ギリギリの弱火でジリジリ焼く。 油はしかない。中がまだ固まっておらず、かつヤバい細菌は死滅 という状態が望ましいのだが、そうそううまくはいかず火が中まで通ってしまった。 なお、オレはあの霜降りというやつが嫌いである。 無駄に脂っこいし、やわらかいのは確かだが味がおいしいわけでもない。 そして何より高い。 焼きすぎてもやわらかいのが長所だが、 焼きすぎなければ100g100円の肉の方が味が濃いわけでオレはどうでもいい。 陸上動物の脂に味はないのだから赤身をギリギリの加熱で食うのが一番だ。 しかし、やっぱり魚を食うほうがいい。

霜降りというのは、肥満した牛の肉である。デブである。 それもタダのデブではない。 ふつう脂肪は脂肪でかたまってたまる。皮下脂肪やら内蔵のまわりの脂肪やら、 そんなのが普通のたまりかただ。 しかし霜降りという奴は 筋肉組織の中に脂肪がたまっているのである。 人間で置きかえてみればその不自然さがわかるだろうが、 一体どうやればそんな状態になるのか想像もつかない。 さらに考えてみれば脂肪は酸化されやすい物質だ。 肥満が老化を促進する効果はかなりのものだが、 それは酸化された脂肪が無差別にDNAやらタンパク質を破壊して まわるからだと言われている。 養殖のハマチにせよ霜降りの牛にせよ、脂肪はかなり酸化されているはずだ。 脂やけした鮭やにしんがマズいことを考えれば、 余計にうまいとは思えない。 養殖が天然に劣るのは、 おそらくそのあたりのことが大きいのではなかろうか。 ちなみに、肉は100%養殖である。

魚醤を捨てた。ちらほら使ってはいたのだが、やはり使い切れなかった。 前にも増して妙な匂いを出すようになっている。 しかし、捨てたら捨てたで流しがにおってたまらない。 恐しい調味料だ。おいしいのは確かなのだが、それ以外のところで扱いに困る。 近頃妙に部屋が匂っていた原因はこいつであった。 ゴミが腐敗している匂いでなかったので安心したが、臭いのはいっしょ。 この匂い、あなたに届け。

臭いのは流しではない。ビンそのものだ。洗ってなおこの匂いとは恐るべし魚醤。 ちと早いが出してこよう。耐えられん。

2000年5月23日

レポートを書くためにコーラでドーピング。 甘すぎるって。毎回そう思ってもう買わん、って思うんだが、 なぜこうも過ちをくりかえすのだろう。 何が入っているかもわからないというのに。

2000年5月19日

昨日炊いて余ってたメシにかえりちりめんをかけて食っているのだが、 これは煮干しだ。ちと大きすぎた。 しかし、おいしいことに変わりはなく、 難点があるとすれば微妙な苦味が加わっていることと、 ボーリボーリよく噛まないと食べられない点くらいだ。 キロ1200円と安かったのでこれでもよし。 ダシもとれるぞ。

2000年5月18日

朝6時に起きて、さあ市場へ行くか、という時に気がついた。 今日は一限があり、解体の時間まで考えるとまるで間にあわないのだ。 いくらなんでも実験が終わるまで置いておいたらダメになってしまう。 おあづけ。

とか言いながら行ってきた。収穫はかえりちりめん1kg(1200)、 やりいか一ぱい(1500)、天然はまち1.3kg(750)。 しかし当然さばく時間がない。やむを得ず、いかだけバラして授業へ行く。 現在8時36分。あと3分でリミットだ。 で、そのいかだが、赤い。皮はすぐはげるし、はごたえがすごい。 しかし残念なのはするめいかと違って肝臓が小さいことだ。 あまりに小さいので捨ててしまったが、そのぶん身が多いということで我慢しよう。 実験が終わったら例会にでももっていくか。 金をとればこの高い買物もそう大したダメージではなくなる。 いかは保存が効くからいいが、はまちはそうはいかないのだ。

いかの処理をやって身を冷凍保存したのだが、ゲソがジャマくさかったので その場でゆでて食った。これがまた異様にうまい。 はごたえといい、ほとばしるうまみといい、もうたまらないのだ。 イカは赤いほど良いのである。 RUINがかつてやけにイカの赤さにこだわっていたのはこういうことだったのだ。 考えてみれば函館にいたというのにほとんどイカを食う機会がなかったのは けっこうもったいない。

ミューズリーを4kg買ってきて研究室に備えつけた。 これで研究室での栄養補給は完璧だ。あとは牛乳さえ切らさないようにすればいい。 また、ついでにグァバジュースを買った。 グァバというのがどんな果物かはわからないが、 とりあえず印象は「酸味のある桃」。 100%ジュースのくせに妙に甘いのが気にはなるが、 なかなか濃厚でおいしい。1リットル320円と妙なものの割には高くないので、 そこそこおすすめだ。当然こんなものを売っているのはMAKIである。

いっぺいとまさしろにはまちを食わせる。 このはまち、はまちだけに未熟で、脂ののりもそうよくはないため 3月のぶりほどのおいしさはない。しかし、これもまた淡白で悪くない味だ。 ちなみにアラはまだ残っているので、これで大根を煮る予定。

2000年5月17日

魚食いたい。 そのへんのスーパーで売ってるダメになった奴じゃなくて、 鮮度抜群な奴だ。とりあえずそう言っても仕方ないので 身欠きにしんを焼いて食う。しかしオレが食いたいのは生の魚なのだ。

市場に行こう。なんとかして行こう。 早く寝て早く起きればそれも可能だ。 今日は幸い早く終わったから、早く寝れば行くことができる。 それにしても、やはり魚は生で食うのが一番うまい。 魚のフライとか、ムニエルとか、そういう料理が果たしておいしいか。 ソースの味しかしない気がする。もっとも、生で食える魚を手に入れるのは 大変なので、そういう料理も仕方のないことなのだが。

しめさば。準刺身の称号を与えてもいいであろう料理である。 新鮮なさばが手に入れば、酢はそんなにキツくなくていいので、 かなり刺身に近いものが食べられる。それも数日。 こんなにいいことはない。さばが安いといいのだが。

ゆでたこ。適度にゆでられたものは中毒になるほどおいしい。 もちろん生が最良ではあるのだが、生は皮をはがねばならないので 少々面倒なのである。 というわけで、1分くらいゆでたのが最良。 2分ゆでるとまるでダメになるので注意だ。 しかしタコにも弱点がある、保存がまるで効かない上に、 一匹丸で買ってくると一人で食える量ではないし、なによりけっこう値がはるのだ。 「タコ食う会」というのを企画したら、みんな食うか?

たら鍋。 高い金払ってロクなものが食えないコンパをやるよりは これをやった方がいい。みんなで料理して食うのは楽しいものだ。 ちなみに、たらは刺身でもおいしいらしい。 生で食える鮮度のたらはあまり出回っていないのだが、 見つかったとすれば生で食べてみたいものである。 肝臓や白子もポーチして食べればおいしいという。 ところで、新鮮なたらは身が透明なピンク色である。 白いのは冷凍したものなので味が薄いのだが、 スーパーでは白いのしか売っていないので 鱈の身は白いのだと思っている人が多いに違いない。

カツオ。安くて楽な魚No1の称号を与えたい魚である。 ブリもいい線行ってるのだが、やはりブリは冬の魚であろう。 カツオは安ければキロ700円程度。3Kg以上がおいしいので 少量買うことはできないが、 イヤになるまで食っても一人400g程度だから、4kgのカツオなら6〜7人は食える。 一人500円くらいでイヤになるまで食えるのだ。 肉でこれに対抗できるのは羊肉くらいだろう。 また、カツオは段階的に保存度の高い料理に移行させていくことができるので、 多少多めに買ってしまってもなんとかなる。 刺身がキツくなったら表面を焼いてタタキにすれば、一週間程度は保つ。 それもキツくなったら蒸してしまうと冷凍保存ができる。 これは。また、煮てもかなりの保存が可能だ。 「カツオ食う会」というのを企画したら、みんな食うか?

2000年5月16日

今日ミューズリー以外に口にしたものは、 誰かのさしいれらしき妙なケーキだけだった。

2000年5月15日

今日ミューズリー以外に口にしたものは、 誰かのおみやげらしき妙な饅頭だけだった。

2000年5月14日

ミューズリー生活。

2000年5月13日

朝市場に行きたい。望みは土曜日だ。 しかし、今日はハイキングとやらがあって無理。 ということは来週の土曜までおあづけ。 こうなったらミューズリー生活しかないか。 このまま外食もどきを続けていたら金も健康も失ってしまう。

スーパーではまちが売っていた。安かったので買ってみたのだが、 これがまたうまくない。前に食ったぶりとはまったくの別物である。 ほとばしるようなうま味がなく、そのくせみょうに甘ったるくて気持ちわるくなる。 こんなにも差があるものなのかと思い知った。 やはり丸のまま市場で新鮮なものを買う以外にまともな魚を食う手段はないのである。

2000年5月9日

まともなものを食わせてくれ。 せめて作る時間を。

2000年5月6日

もうすっかり夏である。夏といえばヤシの木なのだが、 イズミヤに行くと、ヤシの実が置いてあった。

さて、問題はこいつが何者かだ。直径25センチくらいの球で、 重さは3キロくらいある。そういえばヤシの実に穴をあけてストローをつっこんでいる 光景を見たことがある。ということはこの中は液体である可能性が高い。 知らずに切れば何もかもオジャンである。 そこで金属バット(棒状でなく皿状の方だ)をとり出してきて、 その上でまっぷたつにしてみることにした。 で、まっぷたつ。そこで中からヤシ太郎などと言うと季節が冬 になるのでやめておくとして、思った通り透明な液体がわき出てきた。 バットになみなみとたまる。1リットル以上あるのがおそろしい。

で試しに飲んでみたのだが、おいしい。微妙な酸味と微妙な甘みがさわやかである。 1リットル半400円というと高いジュースだが、 このさわやかさは砂糖をブチこんだそのへんのジュースでは味わえないだろう。 気になる人はイズミヤに走ってくれ。 ただし、並の包丁では歯がたたないかもしれないので、 そういう時は中華包丁か、ドリルか、根性のいずれかを用意しておこう。


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