食い物日記

2000年7月29日

食べ物を求めてフラフラしていて偶然妙なたこ焼き屋を見つけた。 「日本一うまい」などとおおぶろしきを広げている。 店の前には「ここが一番うまいと思う人は署名を」などと書いてあって、 ノートまで置いてある。脱サラしてたこ焼き屋という人らしい。 で、あまりに気になったので買ってみた。 で、結論だが、おいしい。これでマズかったらおもしろいだけでガッカリなのだが、 おいしいのでタチが悪い。しかも、普通のたこ焼きではない。 ソースも青海苔もなく、ダシと塩味で直球勝負なのだ。 食べるとスープというかダシが口に広がる。 タコは微妙に生の状態を保っており、はごたえとともに新鮮なうま実も広がる。 肝心のダシは上品で、塩味もしょっぱくなるギリギリのラインであり絶妙である。 9個で500円と高めといえば高めだが、ネタとして十分に価値がある。 なお、白川通りを北大路をすぎて北へ行くと道の東側にあるのだが、 頼まれてから焼くというスタイルを堅持しているので15分ほど待たされる。 少々の覚悟がいるだろう。

リカーマウンテンの近くまで行ったので、実験として酒を買ってみた。 今回は「北の誉」の純米生貯蔵酒だ。で、結論から言うと、 うまくない。後味が悪いのだ。えぐ味が強く、かといってうま味が強いわけでもない。 菊姫と比べてみると差が歴然とする。深みのある濃い酒でありつつも 後味もすっきりしている菊姫の前では勝負にもならない。 やはり速醸はダメか。 銀盤のなどは確かに米は削っているし純米ではあるのだが、 やはり味が浅く、えぐい。確かに米の削り具合も重要ではあろうが、 それよりもやはり発酵過程こそが重要なのであろう。 基本的に山廃工程をやっている酒蔵のものは山廃工程で作った酒でなくても 高いレベルにあることが多いらしい。山廃工程は速醸工程よりもはるかにむつかしく、 それを行えるだけの技術をもっているというだけで随分と違うからだそうだ。

2000年7月21日

今日の果物。まくわうり。黄色いウリである。 見かけだけ見ればキュウリからメロンへの進化の途上にあるような物体だ。 まず切ってみる。すると、匂いはまるっきりメロンである。 これは、と味に期待もかかる。 種のあたりの見かけもメロンっぽい。 で、食ってみる。確かにメロンはメロンだ。しかし、メロンになりきれていな い。 甘みが中途半端なのだ。加えて食感が妙にボケたリンゴに似ている。 つまりはスイカっぽいのだ。 (メロン+キュウリ+スイカ)/3といった物体であるという結論。 金を出して買う気にはならないが、いい経験をしたということにしておこう。

肉屋発見。デカいかたまりから切り分けて売ってくれる上に、 妙なものもあつかっている。牛の尻尾や、羊、鴨なんかまで売っているのだ。 というわけで試しにマトン300グラム(100グラム70円!)をかたまりで買ってみた。 クサいクサい言われるマトンだが、寮のジンギスカン大会で食っていたのは マトンだろうから、慣れっこなはずである。ああ、久しぶりだ。

結論。所詮肉。おいしいにはおいしいが、鮮度のいい魚の敵ではない。 しかしまあ、みんなでジンギスカンというのはなかなかいいかもしれないな。 ちなみに、臭みはまるでないので安心していい。

2000年7月20日

猿山がいきなり来たので、一緒に天一。 はじめて食うだけに驚いていた。奴でも何が入っているかわからないのだから、 天一はまったく恐しい。ちなみに今日は体調が悪く、スープを残してしまった。 体調によって味があれほど変わる食べ物も珍しい。

今日の果物。さくらんぼ。ばあちゃんから送ってきた果物もこれで最後である。 しかし、オレはあまりこれが好きではない。なぜかはわからない。 味が嫌いなわけでもないし、面倒だというのもそれほどの原因でもないのに、 なぜか好きではないのだ。しかし食えばそこそこおいしい。 と、その後謎の腹痛が。食いながらも痛くなってきていたのだが、 食ってる途中でやめるのもなんなので全部食った。 しかしやっぱり痛い。なんだろう。何かとんでもない毒でもついていたのか。 それとも天一との食いあわせが悪いのか。

2000年7月19日

魚を食おうと思って買ってきた塩サバは、ただただしょっぱかった。 油っこいのはともかくとしてもしょっぱいのはいけない。 一匹138円なだけはある。

しょっぱいわ。

アイスがうまい。スーパーカップさまさまである。 多くて安い。この際おいしいかどうかはどうでもいいが、 けっこう味もいい気もしないでもない。栞が好きなのもうなづける。

だから油っこいって。しかもその油が臭い。酸化している証拠だ。 油ののった魚ほどすぐに食わねばものすごい勢いでマズくなるのだ。 これはダメだ。オレの負け。魚は新鮮なものに限る。

こんな魚ばかりだったらみんなが肉に走るのも当然だ。 はるかに魚の方がおいしく食べるための条件がキビしいのである。 魚はやはり生を基本としたい。

今日の果物はスイカ。小粒で300円。 小粒といっても1kgくらいはゆうにあるので、 重量で考えればなかなかお買い得な果物と言えるだろう。 野菜で言えばキャベツだ。 しかし、ひさしぶりに食って思ったのだが、スイカっておいしいのだろうか。 甘くて、水っぽくて、確かに食っていて気持ちがいい。 しかし、味というよりも、なにかこう「スイカを食うこと」そのものが 気持ちいいのであって、「スイカがおいしい」から気持ちいいというわけでは ない気がする。しかし、それはともかくとして、食っていてこれほど 爽快な果物はないだろう。味で言えばマンゴーやキウイの方がずっと好きだが、 この爽快感はスイカでしか味わえないのである。 これに匹敵するのはヤシの実くらいだろう。 1リットル以上入った変なジュースを一気飲みする あの快感もまたすばらしい。また売ってくれイズミヤ。

丸太町白川のポロロッカに妙な果物が売っていた。 名前を忘れてしまったのだが、メキシコ産で断面が五角形で、 パパイヤの親戚らしい。デカいのでスターフルーツではない。 値段が異常に高いので買えなかったが、 いずれ是非試したい。それにしてもなんて名前だったっけか。

果物の定義はなにかと言われると困るが、「普通は加熱しないで生で食う実」 というくらいが妥当か。トマトやキュウリが微妙になるが、いいや。 どうせ習慣によるのだし、調べたら民族によって違うかもしれない。 そもそも、野菜と果物を分けているとすら限らないではないか。

2000年7月18日

奈良に行く前に腹ごしらえをしようと思って出町の商店街に行った。 すると、なんと台湾バナナが約1kgで85円だったのだ。 普通なら100g30円はする品である。確かにかなり古くなったものだとは思われたが、 バナナの場合は黒くなるので見た目以上に古いということはないし、 真っ黒になっていなければ十分食えるので問題ない。 どうせだからと2皿買おうと思ったが、「3皿200円」と言われてつい買ってしまった。 3kg。一体どうするのだろうと思いつつ飲み物がほしかったので牛乳1Lを 148円で購入。これで今日の食料は大丈夫だ、と思いながら電車にのって牛乳を のみまくっていたのだが、重い荷物をもって歩いているうちにバナナも牛乳も あまりにジャマに思えてきたので、牛乳を一気飲みしてしまった。 さて、今度はバナナだと思ったが、とても食える状態ではない。 腹が牛乳で満ちているのである。やむを得ずそのまま奈良の大学についたが、 当然バナナを食うヒマはない。低温室を借りておかせてもらって実験をする。 結局重いものを持って帰るのはイヤだし、かといってこの場で全部食うのも到底 無理だったので、そこの研究室の人に「みやげ」と 称していくらかバラまいて帰ってきた。 なお、実はメキシコ産マンゴーが198円で売っており、 帰りに買おうと思っていたのだが、 残念ながら出町に着いたときには8時を過ぎて店は閉まっていた。 買って奈良まで持ってゆくべきだったのか。口惜しい。 ところで、やはりバナナは台湾産が良い。甘さが違う。

今日の果物はパパイヤとアボガド。それぞれ298円、100円である。 パパイヤは高校時代にとんでもなくマズいものにあたって以来、 ほとんどトラウマになっていたのだが、 ここらで本来のパパイヤを食べておこうと買ってみたのである。 結果。甘いけどねっとりして甘いだけ。 金を出して買うならマンゴーの方がはるかにおいしい。 そしてアボガドだが、これは油が食いたくなったから買っただけだ。 オレはけっこう頻繁に食っている。なお、アボガドは熟し具合がむつかしい。 熟れてないと固くて青くさくて食えないし、熟れすぎると妙な匂いが出る。 押してみて微妙にゆがむくらいがいい。色で判断することもできるが、 押した方が早いだろう。ブニブニしすぎていたら熟れすぎなので注意だ。 醤油でもかけて食うとなかなかさわやかである。

桃は皮をむいてみると人体の組織によく似ていると思うのだがどうだろう。 ほどよく白いところに赤いところが点在しているあたりが、 切って毛細血管から血がもれはじめた組織によく似ている。 なかなかグロテスクな果物だ。

2000年7月15日

道場の帰りにリカーマウンテン。菊姫の山廃純米を買ってきた。 おいしい。味が濃くて強烈な自己主張がありつつ、 ちゃんとまとまっている。酒っぽい酒だ。フルーティーと称される 薄味系の酒とはまるで違う。

2000年7月13日

今日はパイナップルを買ってきた。 フィリピン産のすでに黄色くなった完熟品だ。 実においしゅうございました。

今日の野菜は大根。あまっていたはまちのアラで煮た。 しかし、さすがにアラが冷凍庫で二箇月ほど眠っていたものなので風味がよくない。 やはり買ってきた日に使うのが吉だ。

2000年7月12日

とうきびウ○コ。そう、昨日はあまりの野菜ほしさに 特売の古くなったとうきび(内地名:とうもろこし)を4本98円で買って 蒸して食ったのである。とうきびも古くなるとマズくなるわけで、 やはりマズかった。 その上、ひさびさのとうきびはオレの胃にはキツかったのか、少し便がゆるい。

今日の野菜はアスパラガス(8本100円)と、謎の瓜(100円)。 アスパラガスは蒸して食う。瓜はどうしていいかわからないが、 とりあえず蒸してみる。野菜なんて蒸せば食えるものが大半なのだ。 そういえば大根もかってきた。いつぞやのハマチのアラと一緒に 煮ればおいしいのは証明済みだ。野菜万歳。

うちの研究室には植物マニアがいる。マンゴー、パパイヤ、キウイなどを 食った後、種を植えるのが趣味というすごい人だ。 どれもちゃんと育つらしい。パパイヤの種などはとうふのパックに水をひいて そこにつけておくと、もやしのごとく生えてくるとか。 その後どうするかは別にして試してみよう。 それにしてもマンゴーはおいしい。 沖縄産のものが特に美味だというが、一個二千円とかするらしくちと手が出ない。 次にマシなのは赤いやつ。青いやつは水気がなくておいしくない。 マンゴーは赤、だ。

アスパラガス。うまい。香りがたまらないし、甘みがさわやかだ。 料理法は蒸すだけ。 まずアスパラの太いところに包丁で縦に裂目を入れる。 これで中まで火が通る。ビタクラフトにごく微量水を入れ(スプーン一杯とか)、 強火で蒸気が立つまで熱する。その後2つに切ったアスパラを いれてふたをし、1分ゆすりながら強火、その後火をとめて1分静置。 おわり。なにもつけずそのまま食える。何かつけるなら醤油、酢味噌など。

謎の瓜。生でかじってみると、まるっきりキュウリ。 基本的にはデカくてエグ味の強いキュウリだ。 しかしこのまま食うのは辛いので、 軽く蒸してみることにした。 すると、味がなくなってよくわからない物体に。 わずか1分蒸しただけでこれではどう料理しても味がなくなるだけだ。 ダシ汁で煮たらおいしいかもしれないと思ったりもするが、 それはつまりダシの味である。 こんなものにそんなすごい栄養があるとも思えないので、こいつは却下。 冬瓜ともなればもっと違った味があるのだろうが、 基本的には同じようなものなのだろうな。

2000年7月5日

なんとなく酒屋。妙なものを見つけたので買ってみた。 米で作ったビールのようなものだ。炭酸が微妙に入っており、 発酵はあまりすすんでいないのでアルコール度も低い(6%)。 濾過もしていないのでにごり酒の一種とも言える。 「にごり米ビール」だ。ビールに対抗して需要を確保しようという作戦だろう。 というわけでコンセプトはおもしろいのだが、 実際に飲んでみるとどうもうまくない。 酸味にまざって妙なえぐさがあるのだ。 また、味に深みがない。アミノ酸が少ないのだ。 水でうすめられたような薄さが気になる。

一緒に買ってきたにごり酒も味見してみる。 えぐい。アルコールが普通の日本酒並みにキツいものだから 余計にキツい。酒としての調和がとれていないのだ。 純米だからどうだとかいう次元ではない。 どういう発酵をしたのか知らないが、ともかくもこれはちょっと飲めない。 もともと実験として買ったからいいが、 やはり酒は高くないとダメなのかという気になってくる。 これほど差があり、そのわりに値段はそんなに変わらないのに なぜこんなものが生き残っているのだろう。

今の状況では一升瓶を買ったとしても 味がダメになるまえに使い切れない。 酒は飲む用途のみならず料理にも使う。 いい酒で作る料理はやはり一味違うものなのだ。 特に甘味が強く、アミノ酸が強い酒は料理にも向き、 かつオレの好みでもある。 しかし、最近はほとんど料理をしていないのでそういう用途もない。 平日から酒をかっくらっているような余裕はないし、それほど酒好きなわけでもない。 しかし今日は妙に酒にさわりたくなった。 そこでせっかくだからと妙なものを試してみることにしたのである。 300ml瓶ならそう金もかからないし保存がどうとかいうことも考えなくてすむ。 しかし、妙なものは所詮妙なものにすぎない。 もっと試せばおもしろいものも見つかるかもしれないが、 そこまで酒に執念を燃やす気もない。 おいしいとわかっているものだけで十分だろう。 もうやらん。今までのところ天狗舞の山廃が最多ポイント。 次に一升瓶を買ってくるなら菊姫あたりだろうか。 しかし、それはいつになるのだろう。

2000年7月1日

夜中、清水と天天祐というラーメン屋に食いにいく。 妙に甘みのあるスープがウリで、ラーメンとしてはかなりの出来な店なのだが、 今日はどうも味がエゲツなかった。味の素のような後味が残る。 体調の問題か、それとも味が落ちたのか。


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