食い物日記

1999年11月30日

合宿のメシはなかなかおいしかったが、 やはりああいう手のこんだものはなかなか おいしいと感じにくい体になっているらしい。 しかしながら、 手がこんでいなければいいというものでもない。 例えば鯛の刺身なんかははごたえはいいが、味そのものは弱い。 死んですぐそのまま食うのは確かにいいのだが、 うまみの元であるアミノ酸というやつは タンパクが分解してできるものなのである。 鮭のようなやわらかい魚だとうまみが広がるが、 どうも鯛の刺身はいまひとつだ。 やわくて油ののった魚ほど刺身にした時にうまみが強い気がするのだが、 どうだろう。

例会に行ってなすすべもなく帰る途中コンビニで肉まんを買って、 あうーっといいながら食う。でも、これがまたおいしくない。 なすすべもなく、あうーっと鳴く。 たまに味覚が正常化していることが 逆に不幸なのではないかと思ったりもする。

チンゲンサイを蒸して食う。味付けは魚醤とオイスターソース。 チンゲンサイのはごたえと微妙な甘みにオイスターソースの甘み、 魚醤の深いうまみが加わってかなり幸せなおいしさになっている。 ああ、舌が肥えるっていいなあ、と思う。

1999年11月28日

米が来た。明日振りこんでこようと思ったが、日曜日では仕方ない。 それにしても20kgは多いなあ。

小豆を煮てあんこにするが、どうもまめまめしすぎている。 あんこというのはこれほどまめまめしたものではなかったように思うので、 市販のあんこは何か細工がしてあるに違いない。 砂糖が少ないからかもしれないが、それだけとも思えない。 塩もいれた。一体何が足りないというのか。

納豆プロジェクト始動、とおもったが、明日から拳法の合宿なので延期。 道場帰りで腹が減っているが、メシを炊くのも面倒だし、豆は水につけていない。 いや、せっかくだから米を試すのもいいか。 メシの炊き方を改良せねばならないこともあるし、炊こう。

酒をなめてみる。すると前飲んだ時よりも味が濃い。 舌が敏感になっているらしい。 どうやらまともなものを食っていると味覚がするどくなるのだろうか。 しかし、ここまで味が濃くて甘いと少ししつこい。 そろそろこの酒もなくなってくることだし、酒屋にでも行ってみよう。 次はとりあえず甘さより酸味が強いのにしてみようか。

あんこについて調べてみると、 何度も煮る水を捨てているレシピが多い。 さらに砂糖の量がべらぼーだ。豆1に対して0.8〜1.1くらいの砂糖を入れている。 こちらは豆290gに砂糖90gだから豆1に対して砂糖0.3程度。 これでもちょいと足りないもののそこそこ甘いので、 その3倍もいれたら甘すぎるに決まっているではないか。 一方、水をすてているのはアクを抜いているということだ。 しかし、アクとは言うものの度を越して抜けば抜けるのは豆の味そのもの。 増してや加熱して煮ている状態で水を捨てるのは大量の栄養を捨てる行為に他ならない。 改良するならむしろ水の量と加熱時間。2倍量の水に一晩つけて、 そのまま鍋にたたきこみ、砂糖を豆1合あたり60g入れて弱火で1時間。 余熱で20分。このあたりがおそらく標準だろう。 味はゆっくりと冷めていく時にしみこむので、 火を止めてからが勝負なのだ。温度が下がる速度は遅い方がいいので、 そういう意味でも保温性のいい分厚い鍋が必須である。 薄いアルミ鍋ではおいしい煮物はできないのだ。 しかし、あんこというのは作り方や用法から考えてみればまるっきりジャムである。 豆ジャムだ。ゲル状ではないにせよ、固形化するあたりも似ている。

小豆の食い方を開発せねばならない。 あんこは無用に甘いのでおかずにはならないのだ。 やはり豆ごはんしかないのだろうか。発芽が期待できない以上サラダにもならない。 困ったものである。まだ1.7kgもあるというのに。

1999年11月27日

米を注文した。月曜には20kg届く。 有機栽培の玄米だ。身内で玄米がほしい人がいたら、 一合60円でわけるので言ってほしい。 米1に水1.5の体積で炊けば、おそらくただの炊飯器でも食えないことはない。 栄養で悩んでいる人にはおすすめする。

裏切りの大正金時。発芽してもやわくなるだけで甘くならないのだ。 発芽率も悪い。つまりまったく意味がない。 仕方なく砂糖を入れて煮る。 そして裏切りの小豆。ぜんぜん発芽しない。発芽している奴もいるので、 豆の特性ではない。温度が悪いのかもしれないが、今は冬だ。仕方ない。 仕方ないので、こいつも発芽を待たずして煮てあんこにしてしまおう。 やはり発芽王は大豆だ。特に黒大豆は味、栄養ともに最強の豆である。 もう大正金時は買わないことを誓った。 今回の豆の中ではズバぬけて使いみちがないのである。

魚醤を買ってきた。中国産で、材料は水と魚と塩というあまりにも単純なものだ。 ところが、買ってしばらくして後悔しはじめた。 びんも開けてないのに猛烈に臭いのである。 ブルーチーズもはだしで逃げだす悪臭だ。 オイスターソースの匂いが強烈になった感じではあるが、もはや格が違う。 これは大豆醤油にとってかわられたのも当然だ。 少量まぜるにとどめて、スパイスをきかせないと到底耐えられまい。 これから、このために買ってきたほうれんそう(80円)を炒めて食ってみる。 果たして食えるのか否か。

排水管がつまった。なんとかしないと大変なことになる。 というか、今大変だ。 どうしたものか。気づかずに水を出していたため、 流しに水がたまっていてこれ以上水が出せないのである。 なんとか棒でつつくしかないが、 もし深いところでつまっていた場合はどうしようもなくなる。 とりあえず、排水されるまで使用不可だ。 しかもこの様子だとある程度排水されて いじれるようになるまでに数時間はかかりそう。 切ったほうれんそうをどうしてくれよう。

バケツで流しにたまった水をくみ出して外に捨てに行くのを3回くり返して、 なんとか鍋が洗えるようになった。そこでほうれんそうを炒めてみる。 ビタクラフトを1分強火で加熱し、ほうれんそうを投入。 その後1分したら魚醤を入れる。たちのぼる悪臭。 これ、本当に食えるのか?くさいものにはふたをする。 それでもただよう悪臭。火を弱めて1分。どうも匂いが弱まった気がしてくる。 おそるおそるふたを開ける。そこに待っていたのはなにやら食えそうないい香り。 おそるおそる食ってみるが、どういうわけかまったく臭くない。深いあじわいだ。 ほうれんそうの味はそのままに、ほのかな塩味、そして、なんともいえぬ香りとうまみ。 これは使えるぞ。 ただし、加熱前の魚醤の悪臭が付近にのこっているので、それだけがさみしい。 とりあえず、魚醤が使えることがわかった。 600mlで500円と安い。塩気もうまみも醤油よりもキツいので、 量は半分くらいでいいようだ。そう考えればそう高いものではない。 これをベースにしていろいろな味つけが楽しめるだろう。 ただし、加熱調理しないと地獄なのが欠点ではある。 また、冷蔵庫に入れておくと他のものに匂いがうつりはしないだろうか。 常温保存も不安である。

1999年11月26日

米がつきた。麦が尽きた。椎茸が尽きた。市場に行かないと明日はない。 麦の通販はないものか。

1999年11月25日

りんご10個450円で買ってくる。一個250g近くあるので、 皮を剥いても200g程度は残る。 これに砂糖をその半分程度加えるから約3kg。 莫大な量ができる。タッパー二個でも足りない。

腹が減っても豆を煮ている間はなにもできないので、にしんを焼いて食うのみ。 大豆を砂糖入りで煮て、果たしてあんこになるのかを確かめるのだ。 だが、ならなかった。 きなこと砂糖をまぜてもちにかけて食ってるんだから そういう味になるのだろうと思ったが、 やはり大豆は大豆である。 それに60分程度の時間では大豆は食うのに十分なくらいやわらかくはなっても、 ツブれるほどやわらかくはならないのだ。 小豆は主張がない豆な上にすぐやわらかくなるから ああいう芸当ができるのだろう。大正金時ならあんこになるかもしれない。

黒豆を煮る。おせち料理によくある奴だ。 2合の豆を一晩4合の水につけ、そのままビタクラフトにぶちこんで煮る。 弱火で30分、余熱で20分。 その後砂糖を大さじ二杯入れ、香りづけに醤油を少々。 これで十分である。市販の黒豆は砂糖がとんでもない量入っているので 豆の味などふっとんでいる。 おそらく発芽させてあれば砂糖はいらないだろうが、 この黒豆は発芽率が悪いので仕方ない。 学祭でこれをもっていけばもっと売れたのにと思うともったいない。

小豆と大正金時の発芽実験を開始する。 小豆に関しては発芽によって甘さが増せばその分砂糖を少なくしてもあんこになるし、 大正金時も発芽でおいしくなるならそれに越したことはない。 だが、発芽した大豆が異常においしいので、 大正金時はもうお呼びでないのかもしれない。 これはサラダ用として買ったが、大豆がサラダになるなら用はないのである。 なんといっても高いのが問題だ。 ところで、食えるようになるのに必要な加熱時間を超えて加熱するのはよくない。 発芽小豆はおそらく5分も蒸せば食える。 ということは、発芽小豆をメシに入れて炊くのはもったいないということだ。 その三段論法からして、 発芽小豆はすでに炊いたメシにまぜて食うのがいいだろう。 味はともかくメシの色は変わらないので、それだけがさみしい。

1999年11月24日

納豆失敗。糸はひいているし、納豆な匂いもするが、 カビまみれである。雑菌が侵入したのは明らかだ。 そこで納豆についてWEBで調べてみた。 その結果、納豆菌は高温に耐性があることと、 納豆の発酵は好気的条件(酸素がいるという意味)で行われることがわかった。 つまり、殺菌は容赦なく熱湯や高温蒸気で行い、その後は雑菌が入らないように、 かつ通気性が良くなるようにせねばならない。 糸のひき具合からして温度管理はそうおかしくなかったと考えられるので、 次もこたつでいく。さて、次はまず豆をもっとやわらかく煮る。 やわいほど菌の侵入が簡単だ。発芽の後1時間以上蒸すことにする。 鍋に直に入れたのではこげるので、ザルごと入れて蒸す。 金属で取手のないザルが必要である。 そして、その後豆が熱いうちに 納豆の容器に熱湯を注いで作った納豆菌液をまんべんなくかける。 次に、蒸して殺菌したふきんにくるんで煮沸殺菌したタッパーに入れる。 この作業は電子レンジでやると楽だろう(あかりの生活の知恵)。 タッパーのふたは端を少し開けたままにし、これをこたつに入れる。 豆が大粒であることを考慮すると、 30時間後にはおそらくこれで完成されるはずだ。 なお、納豆は冷凍が効くらしくこの上なく便利な常備菜となる。 成功したらキロで作ろう。 次に豆を注文する時には小粒のものにすると、安く扱いが楽になる。

玄米5、麦3、小豆2のニセ赤飯がなかなかうまい。 ダシは昆布のみを用い、多少の醤油と酒を入れた程度だが、 おかずがいらない。 しかし、豆を発芽させないで食うのはもったいないので却下か。

昆布や干椎茸の使い方が増えたおかげで、 それらがあっという間に減っていく。 メシを炊く時でおかずがない時にはダシで炊けばそれだけでうまい。 というわけで椎茸もまた市場でキロで買わねばなるまい。 コストが高すぎてもしんどいので、どんこでなく香信でも止むを得ない。 今まで使ってたのは推定100g前後で580円というけっこう高いものなのだ。 キロ2000円を切るような安物があるといいのだが。

いりこがほしい。 原料が所詮いわしなのだし、昆布や椎茸よりも安いかもしれない。 そうすると、うどんの汁やみそ汁が安く作れる。 やはりそういう用途にかつおぶしはちょっとおそれおおい。 市場でキロで買う。

黒大豆の発芽率がやけに悪い。こう悪いと発芽させる手間の分損である。 高い豆だし、とりあえず煮て食ってしまおう。

身欠きにしんを焼いて食う。尋常じゃなくうまい。 疲れ、睡眠不足、空腹の三重苦の上に、 最近まったくといっていいほど油をとっていなかったのが効いたに違いない。 二枚も焼いて食ってしまった。 いつもなら一枚で腹が重くなるほど油こい魚だというのにだ。 そしてまた醤油が合う。見事なハーモニーだ。 醤油そのものにもほのかな甘みがあってもうたまらない。 ああ、古い安物を捨ててしまったのは間違いではない。 しあしまあ、焼く時にとんでもなく煙が出るのが面倒だ。 次はもっと乾燥した奴にして、ダシで煮て食うことにしよう。 冷凍しておけばもつし、煙も出ないし、油もほとんど酸化しないし、 コゲもしない。おそらく焼くよりおいしいに違いない。

豆は人気がない。 こんなにおいしいのにと言ってもオレの味覚にすぎないわけだ。 それというのも、豆が澱粉のかたまりであることに原因がある。 アミノ酸も糖もすくないので味が薄い。 ただボソボソするのみなのである。 こうなると発芽させるのは最低条件であると言っていいだろう。 サラダだろうがあんこだろうが納豆だろうが味噌だろうが全て発芽させてからやる。 それによって塩やら砂糖の量を極限まで減らすことができるだろう。 そうすれば、豆ももっと食べてもらえるかもしれない。

1999年11月22日

行商用に炊きこみご飯10合を炊いている。 ふと見ると豆もだいぶ発芽しているので、 夕方には蒸してサラダにしよう。これも行商する。 なお、黒豆は納豆にするので、これも蒸してこたつにしかけることにする。

と思ったが、黄大豆の半分を蒸してみる。 はたしてどうかと思ったが、これはまたうまい。 異常なほどうまい。甘いのだ。

黒大豆が発芽OKなので、蒸す。 納豆にするにはおそらく相当やわらかくしないとダメっぽいので、 いつもの倍の30分蒸すことにした。 その間に炊きこみご飯3の準備。 ダシは椎茸と昆布とかつおぶしという3大ダシ。 ただしかつおぶしはコストがべらぼーなため、 3.2Lにわずか40gしか入れない。 2Lに80gが標準なので、まったく香り程度と言えよう。 今回はちりめんじゃこがないので、そういうことをしてうま味を増さなくては つまらないのである。それに何度も同じものを作っていっては飽きられる。 商売人としてはバリエーションを豊かにする努力をすべきだろう。 ちなみに、今までは麦初心者のために玄米8麦2で炊いていたが、 今度は玄米5麦5の比率にする。食感も変わるので新鮮に違いない。 しかしまあ、次は一体どうやって趣向を凝らしたものか。 このままではあと一回で椎茸も底をつくし、 かつおぶしもコストうんぬん以前にあと100gしかない。 金がなくて買物にもいけないため、 こうなるともう豆しかないだろう。 それには小豆がいい。パンがそう大量にできない以上、 あんこもそう量はいらない。そこで、小豆の半分(1合)をメシに回す。 つけている水が赤くなるため、ニセ赤飯のできあがりとなる。

培養装置(別名ザル)が2つ開いたので、 次の栽培の準備をする。しかしよく考えればこの学園祭はかせぎ時で、 今発芽スタンバイさせても学園祭中には間にあわないのだ。 そこで、発芽せんで食える豆で狙ってみる。 まずは大正金時。これは例のサラダにする。 次に+小豆。これは発芽させれば甘くておいしいらしいが、 その時間がないのであんこにする。 そして、小麦全粒粉パンを大量に焼いて持ってゆき、 おこのみでつけて召しあがっていただく。 炊きこみご飯ばかりでも飽きられるので、 次はパンで勝負である。 だが、小麦粉も実はあまり残ってはいないのだ。

黒大豆を結局40分蒸し、納豆菌をセットしてこたつの中に置いた。 まだ固めなのだが、鍋底にはりつきはじめたので止めざるを得なかったのだ。 次は水を5〜6mm張って、 それで45分煮る加熱することにすれば大丈夫なはずである。 どうせ水は蒸発して残らないので栄養が逃げることはない。 それにしても24時間後に本当に納豆になっているのか。 それともただの腐った豆になっているのか。興味は尽きない。 なお、菌元として買ってきた納豆そのものは残っているので、 かつおぶしのダシガラと混ぜて醤油をかけて食う。 するとうまい。ダシがほのかに残っているし、 はざわりもザラザラしていいし、醤油の香りもいい。 もちろんダシをとる前のかつおぶしならもっとおいしいはずだが、 ここで重要なのはダシをとったかつおぶしも おいしく食べる方法があるという事実なのである。

この2日間の食い物行商のおかげで備蓄がとてつもない速さで減りつつある。 米はすでに21合(約3Kg)を消費した。残りは2Kg前後しかない。 麦も9合(約1kg)を消費し、すでに残り800gを割っている。 小麦は元から備蓄がかなり減っており、 椎茸もあと一回炊きこみごはんをやれば消える。 ちりめんじゃこはすでに失われた。 豆類はあるが、すぐに食えるものではない。 冷凍庫に身欠きにしんがあるが、 この身欠きにしんは乾燥度が低く、煮てうまいタイプではない。 そのため、売りに出すにはパンチに欠ける。 鮭もまだあるが、鮭を売り物にする方法は多くはない。 焼いたものを持ってゆくわけにもいかず、 刺身もあっというまにダメになる。 せいぜい炊きこみごはんの具にする程度だ。 というわけで、売り物にも困るし、 学園祭が終わってから仕送りが入るまでの生活もしんどい。 もちろん売れば金が入るのだが、 どうせそれは最終日のコンパ(二次会以降だけしか行かないにしても) で消える運命にあるのである。 なかなかシビアで燃える。 しかし、こうなると来年の学園祭では部内で売るにとどまらず、 店を出してみてもいいかもしれない。 味の評判はいいようなので、たぶん大丈夫なのだろう。 しかし、規模を大きくしてできるものとなるといろいろと考えねばなるまい。 ダールを売るなんて死ぬほど楽で簡単でいいのだが。

昆布を煮ながら酒を飲む。飲むといってもなめる程度だ。 これから自転車で夜の町を走ろうというのによっぱらっては話にならない。 それにしてもこの久寿玉という酒の味はかなり濃い。 淡麗だと思っていたのはやはりウソだ。 舌がおかしかったに違いない。 たぶん濃醇な部類に入る酒だろう。 もしこれが淡麗なら濃醇の奴はとんでもない酒だということになる。 そして、甘い。それもかなりとんでもなく甘い。 おかげで料理に入れると甘みが強く出て、非常に重宝する。 しかし、ただ飲むには甘みがしつこいかもしれない。 今度は辛口の酒を買ってこよう。 しかし、これ一本を部の人にふるまったら気持ちがいい男なのだろうが、 いくらなんでも金がない。 そういうこともあって、いっぺいはかっこいい男だ。

1999年11月20日

蒸しパン作戦2。醤油と油を入れ、 かつ砂糖じゃなくてはちみつにしてみた。 すると、なかなかうまい。 微妙な醤油の香りと、押しつけがましくない蜂蜜の甘さが心地良い。 あとはふくらし粉でふくらませてそれぞれの分量を洗練させれば完璧だろう。 ただ、細かく挽いた粉がほしいところである。 おそらくこの粗い粉ではふくらませる途中でバラバラになる。 それに何よりもうどんが食いたい。

豆が目覚めつつある。明日あたり発芽を始めるに違いない。 楽しみである。 ところで、発芽でそんなにうまくなるなら、 発芽した豆で味噌を作ったらメチャクチャうまいのではなかろうか。 発芽した豆の味を見てからやるかどうか決める。 しかし、黒大豆でも味噌はできるはずだが一体どうなるのだろう。 黒い味噌ってのはおもしろいかもしれない。 コストが若干高くはなるが、話のネタにはなかなかいい。

黒大豆は一見黒いが、実は黒ではなくとんでもなく濃い紫なのである。 水につけておくと、水が紫色になるのだ。 きれいだが、何か不気味だ。

1999年11月19日

豆を朝早くとりにいく。大きさのわりに重い箱だった。 なにせ10kgである。さて、問題はこれをどうやって持って帰るかなのだが、 結局中の袋をリュックに放りこんで、箱をつぶして持ち帰ることにした。

もう一度くりかえそう。大豆5kg、小豆2kg、大正金時2kg、黒豆1kgである。 一合あたりの重量はそれぞれ、120g、145g、130g、120g。 よって一合あたりの値段は、91円、109円、127円、101円。 豆がほしい人には一合そんくらいで分けます。 身内の人は言ってください。 それで、とりあえず黒豆と大豆をそれぞれ2合づつ水につけている。 黒豆は発芽させてのち蒸して、半分をサラダ、半分を納豆にする。 高い豆なので、発芽させずに食うのはもったいないのである。 一方大豆は発芽させずに今日の夜に煮てしまい、やはり納豆にする。 こいつも本当は発芽させたいのだが、待ちきれない。 とにかく発芽させるためのザルとボールを一個づつ追加せねばならない。 なお、発芽させて蒸した状態でも分けます。 商売っけを出すのもどうかと思うが、 金がないのは事実だし、豆が好きになる人が増えるのはわけもなくうれしい。

豆はきたが、食えるのははるか先の話なので、 とりあえず食う気がせず残っていた乾燥たたきわりグリーンピースをスープにする。 たまねぎも何もないので豆だけ煮る。 しかし、やはり具なしではダルにはかなわない。 この豆はイエロースプリットほど味が濃くないのである。 でもまあ、飲めるので良しだ。 この豆はもう買わないだろうが。

醤油を買ってきた。ヤマサの「吟選しょうゆ」。大豆と小麦と塩しか使っていないものだ。 うちで今まで使ってた奴となめてくらべてみると、別物。絶対同じ種類のものではない。 いくらオレが健康教信者じみているとは言え、これはいくらなんでも違いすぎる。 偽物だったんだね。オレが食ってた醤油は。

粉消費作戦2。蒸しパンを作る。さすがにライ麦を混入すると別物になるので、 小麦だけでいく。粉2合に砂糖大さじ2を入れてこねてみた。 それを丸いまま焼いて中の水分だけで蒸そうとしたが、 さすがに水がすくなすぎて蒸せない。 そこで、鍋に水を張り、皿をおいてその上に生地をのせて蒸してみる。 蒸すためのザルのようなものがあると水がたまらなくていいのだが、残念ながらない。 そうして十分。できたのはもちもちした重い物体。 米でなく小麦でできたもちそのものである。 やはり発酵させるなりふくらし粉を入れるなりしないとダメらしい。 しかし、固さや重さはともかく味はいつものものだ。 ちょっと砂糖が多すぎたかもしれないが、その程度で十分食える。 次は砂糖を半分にし、塩の買わりに醤油を入れ、油を少し入れてみる。 そして火が通りやすいように一合づつに分けて丸める。 もちろんふくらし粉も買ってこよう。 イーストだと待つのがうっとうしいし、温度管理が面倒なのである。 炭酸水素ナトリウムが体にいいとは思えないが、 悪いということもないだろう。 普段豆ばかり食って十分にカリウムをとっているはずので、 多少のナトリウムなど問題ではない。

帰ってきて腹が減っているので、豆を煮る予定をやめてメシを炊いている。 豆は両方とももやしシフト(発芽スタンバイでもいい)させる。 発芽準備が進むほど加熱時間が減らせてうまいのである。 ザルも2つうまっているためこれ以上栽培することもできず、 せっかくの豆を発芽させずに食う気もしない。 というわけで、豆が食えるのは3日後だ。

1999年11月18日

実験中に豆がとどいてしまい、 明日郵便局までとりにいかねばならない。 面倒だし、どうやってそこから10kgの箱をもってくるのか。 まあ、それはいいとしても納豆を作るのが一日遅れたのは悲しいことである。

粉消費作戦実行中。冷凍してあったカレーを出して、パンを焼いて食う。 ふとチーズがあったらいいなあと思って店に行ってみるが、 キロ1000円程度と高いので断念する。 牛乳で練ったらバリエーションが出るなあと思ったが、 不意に保存のきかないものを買うことに抵抗を感じてしまう自分。 干しぶどうも高い。バターも高い。砂糖もないのだがどうも買う気にならない。 りんごも高い。そんなこんなで結局何もかわずに帰ってきた。 もはや穀物と豆以外のものを買うのに罪悪感すら感じるしまつである。 それというのも今月は金を使いすぎて恐いからだ。 自転車とられたのが痛かった。

前のカレーの問題点を探ってみよう。まずスパイスの調整が甘かった。 カレー粉しか使わなかったためだ。 粉にする前の丸のスパイスを常備して 使う直前に粉にして入れるのが有効なはずだ。 次に肉を入れたことそのものが失敗だった。 デロデロとなんだかわからない物体になってしまって見た目も悪いし、 量を入れすぎて味がおかしくなっている。

カレーはスパイスの集合体であるだけに、 いわば香りしかもたらさない。 辛みはあるが、ほとんど香りだ。 うまみ成分はアミノ酸なわけで、それを何かで補わなければならない。 カレーの場合はそれを鳥ガラと入れた肉に頼るわけだが、 そいつらの出すダシをカレー粉の破壊力につりあうほど強く するにはよほど濃くせねばならない。 それには金と手間がかかる。 とすると、もっとダシの強いもので作れれば楽なはずだ。 そしてダシといえばかつおと昆布であろう。

どうせだからとことん日本風にしてみよう。 残るはしょっぱさと甘みと酸味だ。 しょっぱさは塩だが、日本人なら醤油である。 味噌は匂いが強烈なので保留としよう。 カレー粉とぶつかりあったら目もあてられん。 ちなみに醤油はアミノ酸も出すのでうまみも増す。 さて、甘味はやはりタマネギか日本酒だろう。 そして酸味はというと、普通ならレモンかリンゴ酢がメジャーだ。 バーモントカレーといういものがあるくらいで、 カレーにリンゴ酢はなかなかいい。 また本家のインドではヨーグルトをいれて酸味を出す。 これを日本風にするなら米酢だが、それは恐い。 具も問題だが、里芋とか大根とかにするともはや カレーを入れる必然性がまるでない。 せめて具は人参やじゃがいもにしておこう。 一体どういう味になるのか試してみたい。 とにかく鳥ガラでダシをとるのは面倒なのだ。 かつおぶしと昆布の恐しさが骨身にしみる。 カレー丼とでも名づけるか。 おそらく味はそうひどいものではないと思うのだが、 醤油や酒やかつおやこんぶの香りとカレー粉の 香りがぶつかってどういうことになるかが不安である。

醤油にもいろいろある。スーパーで十数種の醤油を見たところ、 たいがいは「脱脂加工大豆」を使ってるものだ。 まともな大豆もいっしょに使ってることが多いが、 量のバランスは書いていないので、当然脱脂加工大豆が多いに決まっている。 どうせ輸入クズ大豆の加工品で圧倒的に安いに決まっているのだ。 酒だって醸造アルコールが50%以上入っているのはめずらしくもないではないか。 他にもアルコールを入れているものもあるし、砂糖を入れているものもある。 ひどいのになるとアミノ酸を直で入れているものまである。 これは適当なタンパクを塩酸で加水分解して 水酸化ナトリウムで中和したもののことである。 というわけで、次は「大豆、小麦、食塩」だけを使ったものを買ってみよう。 本来醤油はそれらだけでできるはずだ。 見るとリットル400円でそう高いものでもない。 さすがに通販で最高級のを買うと送料の分とんでもなく高くなるのでそれはやらない。 そんなことをやるなら自作した方がおもしろい分得である。 ところで、うちの醤油(キッコーマンの標準のやつ)をなめてみたが、 どうもアルコール臭やら何かイヤな匂いがする。 この印象の半分以上が知識によるまやかしだとしても、 こういうものがおいしくなく感じられるようになってしまった以上、 おいしく感じられるものを探すしかない。 ひょっとしたら「これが醤油」と思っていたイメージが くずれ去るほど本物はおいしいかもしれないのだ。

醤油といえばかなり伝統の調味料だが、魚を原料とする魚醤の方が先らしい。 文化人類学な人がそんなことをどっかのサイトに書いていた 場所は覚えていないので興味がある人は魚醤とか 醤油とかスパイス文化圏とかで検索してほしい。 よく考えるとオレは魚醤というものを味わったことがまったくない。 しかし考えてみれば大豆ごときのアミノ酸よりも魚のアミノ酸の方が強烈である。 ダシ味と塩味のバランスは普通の醤油ではどうしても塩味に傾くのだが、 魚醤ならばだいぶダシ味が強かろう。 問題は匂いなのだろうが、おそらく慣れの問題である。 醤油が大豆ものばかりになったのは、 魚より大豆の方が生産が安定しているために 経済として成り立ちやすいからではないかとその人は書いていた。 また、都市化につれてだんだんと味の好みがクセのないものに偏ってきて、 匂いの強いものが消えていったということもあるらしい。 そういえばフランスでもブルーチーズの需要が減ってこまっているらしいので、 たぶん同じ理屈だろう。 それはそれでおもしろいのだが、それとは別に魚醤に挑戦してみる気になってしまった。 魚の栄養が凝縮しているとすればうまいはずだし、 当然栄養も強いはずなのである。ただでも動物性のものが不足気味なので、 そういうものでとるのもおもしろい。 ただ、値段が問題だ。 リットル1000円を超えるとなるとよほどうまくないと釣りあわない。

1999年11月17日

パンにつけるものがないため、 なんもつけんでも食えるパンを作る工夫をしてみる。 第1弾はホットケーキ化計画。 砂糖とバターをたたきこむ。 余った古いバター推定50gと、 きび砂糖大さじ2を小麦2合ライ麦2合の生地に入れる。 結果、いい感蝕を得た。 しかしながらちと油がくどい。 それにバターは高いので、他の手を考えよう。 ふと牛乳で練ってみたらどうかと思いつく。 1合で4合の粉をまとめられるのだから、 コストもそう高くはならない。 動物性のものなどほとんどとっていないのだし、 それくらいはいいだろう。 ただ、保存がきかなくて面倒くさいのが欠点か。 脱脂粉乳はマズいだろうし。

1999年11月16日

荒挽きじゃだめだ、荒挽きじゃ。 荒挽き小麦粉にはとうもろこしのような ネバらないものを混ぜてネバらせる力はない。 3:1でも生地にならないのだ。 次は細かいのを買おう。 パンにはとうもろこしを使えないので、 ダールにでもたたきこんでみようか。 味が変わらなければいいし。 デロデロしていいかもしれん。

とうもろこしダールに挑戦。今日も食ってばっかりだな。 しかし、野菜を食ってないこともあって、 いくら食ってもコスト的に問題はない。 それに体重も気になる。 単純にカロリーが足りてない気もするのである。

とうもろこしダール失敗。 味がない。とうもろこしは元より味がないのだが、 どういうわけか豆の味すらなくなってしまった。 とうもろこしの呪いか。 おかげで何を入れても味がない。 塩をいれてもしょっぱいだけ。 カレーをいれても辛いだけ。 レモンをいれてもすっぱいだけ。 ダシがない。ダシが。 これどうしよう。1.5Lくらいあるんだけど。 味のないカレー風味のおかゆ状のものが目の前に広がる。 とうもろこし粉は所詮増量剤、 あるいは栄養強化剤にすぎないということを実感した。 パン以外には一切使えない。

これからせっせと荒挽きの粉を消費してしまおう。 小麦とライ麦は1:1でまぜればパンになるので、 それでまずはライ麦の荒挽きを食いつくす。 余った小麦荒挽きはそれだけで焼いて食う。 その後ライ麦と小麦の全粒粉を買ってきて、 コーンフラワーと混ぜて荒挽きコーンフラワーを消費する。 これで荒挽きともさようならだ。 というわけで、これから当分ニセパンと豆。 ジャムが尽きたのではちみつしかないが仕方ない。 りんごが安くないとジャムは作れないのだ。 もうこうなると意地で、加工食品は一切買わないぞ、 という無駄な決意をしたくなるのである。

そこで味噌、醤油、豆腐、納豆という 4大大豆加工食品について調べてみた。 結果、醤油以外はがんばれば自分で作れることが わかったのである。

味噌は米こうじさえ入手すれば作れる。 昔はどこの家庭も自分で作っていたのだから、 オレにできないはずがない。 とにかく大豆をグチャグチャにして米こうじと塩と混ぜて、 密封して発酵させればいいだけのことだ。 発芽させてからやってみたらおもしろいかもしれない。 ためしにこうじの割合を変えて2種類作ってみよう。 しかし、考えてみると味噌を使うような料理は 味噌汁くらいしかうかばない。 うまけりゃ必死になって作るんだろうが。

一方、納豆は豆を煮て納豆菌をたたきこんで 42度で丸一日おけばいいので簡単である。 話によると42度という温度は冷蔵庫の放熱板を使えばいいらしい。 これも発芽させた方がおいしいはずだが、 発芽することによって発酵に影響が出るかもしれないので、 実験が必要である。うまくいけば蒸すだけでいいので、 栄養と味の損失が最小限になる。 ちなみに納豆菌は納豆を買ってきて水に菌をとかし、 少量たたきこめばそれでいいはずである。 つまようじの先にちょっとついた奴が 一晩あけたら数リットルのビーカーに一杯に増えている光景を 見ているだけに、なんら不思議はない。

最後に豆腐だが、これは手間の割に報われない気がする。 とにかく、豆を煮てグチャグチャにするというのがすでに面倒で、 できたものの保存がきかないのも面倒だ。 副産物のおからは確かにいい食い物だが、 大量のダシ汁を使って料理せねばならず割に合わない。 しかも、とんでもない量のおからが出るにもかかわらず、 おからの保存もままならないのである。 豆腐はやめておこう。

ちなみに醤油にも実はいろいろとヤバげなものがあることがわかった。 ちゃんとした醤油ばかりではないということだ。 材料をみてから買った方が良い。 大量にあやしい物質をいれている恐れがある。

1999年11月15日

白花豆。確かにおいしい。上品で、ふくよかで、デカくて、 甘みが強くて、あ、ああ。しかし、そう「ズバぬけて」 大正金時よりおいしいいわけでもない。 コストを考えるとやはり大正金時の勝ちか。 それに、やはりもやしには勝てないのである。 こいつを発芽させたらもっとうまいんだろうな。たぶん。

粉は細かくひいてあった方がネバるので応用範囲が広い。 ブツブツしたパンも好きなのだが、パンにしか使えなくなる。 ピザもどきとか、うどんもどきを作るにはやはりよくネバる方がいいのだ。 ましてやイーストをたたきこんで発酵させようなどと思ったら、 ネバりがないとどうしようもない。 次からは全部こまかいのを買ってこよう。 なにしろうどんが食いたくなったのだ。

1999年11月14日

豆のすずきに電話して値段を聞くと、あーらびっくり。 大豆も小豆もキロ600円である。大正金時が値上りしていたが、 それをはるかにうわまわる大豆の小豆の値下げがうれしい。 金をおろしてきて、早速注文した。 大豆5kg、黒大豆1kg、大正金時2kg、小豆2kg。 送料代引き手数料込みで8400円である。水曜日に来る。 一見大金に思えるが、一体これでどれだけ持つことか想像もつかない。 大豆は豆腐に納豆にサラダにペーストに…。まさに王者の豆である。 醤油や味噌すら作れるらしいが、それはちょっと上級だろう。 黒大豆はいわゆる黒豆だが、これがただの大豆とどう違うのか実に興味がある。 若干高いが1kgくらいはいいだろう。こいつで納豆を作ったらやはり黒いのだろうか、 などと考えると楽しくて仕方がないではないか。 そして大正金時はサラダ及び豆ごはん用である。 こいつほど煮ただけでうまい豆は今のところ知らない。味が濃いのだ。 モリモリくっていると至福である。そしてとどめの小豆。 もやしにして蒸して食うのは当然のこと、それをもちろんあんこにもする。 安い小豆が手に入らず断念していたが、キロ600円ならなにも障害はない。 ようかんでも、おはぎでもなんでもつくれるのだ。 食生活の充実はまさに豆とともにあると言えよう。 それにしても、北海道なまりを聞いたのは何年ぶりか。

それにしても、豆と穀物でもう至福である。 野菜など食うのがバカらしくなるほどこいつらは安いし、 保存がきくために買いに行く手間などないに等しい。 魚は趣味に近いのでいちいち市場まで行く気にもなるが、 野菜は趣味にはならない。いちいち買いにいくのが面倒で仕方ないのである。 でもまあ、穀物と豆をこれだけ多種類食っていれば、 まさか栄養が致命的に足りないこともあるまい。

後からとあることに気づいて「豆のすずき」に聞いてみた。 サイトを見ると「味噌豆腐用小粒大豆」というのがあったのである。 値段を聞いたら、キロ500円。うっ安い。本当に豆か。しかし、 小粒の納豆は好きではないし、サラダにしておいしいのはデカい豆なのだし、 ということでとりあえず納得した。次の機会にはそちらも少し注文してみよう。

明治屋に粉を補充に行く。すると、 なんと恐ろしいことに全品2割引セールではないか。 ここぞと買いこもうとするも、金がない。 穀物5kgと白花豆300gを買ったのみにとどまった。 なお、今回はライ麦も買った。

いくら細かく挽いてあっても、 とうもろこし粉だけではパンにはならない。 なぜなら、あれはほとんどでんぷんのかたまりで、 たんぱく質がないためにネバらないからだ。 仕方なく小麦粉を等量いれるとなんとか 焼ける程度にネバるようになったが、 まださらさらしすぎる。 そこでライ麦、小麦、とうもろこしを等量づついれて作ってみたところ、 よくネバるし、味も濃くていい。 これを標準としよう。コストも安い。 栄養もよろしいに違いない。

1999年11月13日

レンティルの食い方に困り、水につけたあとザルにあげて、ポリぶくろをかぶせて 部屋の中においたのが3日前。 毎日2回流水で洗っていたが、ついにこれが茅を出した。 発芽させると栄養は高くなるし、やわらかくなるし、おいしくなるらしいと聞いて やってみたのである。

試しに、生で食ってみる。どこぞの地方ではこれを生で食うらしいからだ。 味の方はけっこうえぐい。シャリシャリともはや豆とは思えないほどやわらかく、 はごたえはいいのだが、苦みというか生臭さというか、そんなものが口一杯に広がる。 ちょっとこれはしんどい。市販のもやしのイヤな風味が強烈になった感じだ。 そこで蒸してみる。時間はさしあたって5分。 まずはここからスタートだ。 すると、おい、なんだこれ。メチャクチャうめえぞ。 ちょっとこれはうますぎだ。イヤな味や匂いが全部ぬけ、 シャリシャリとした食感はほどよく残ったまま甘味が加わって、 ああ、これはうまい。 こいつもサラダにしよう。こんなの何もつける必要はない。 レンティルの一番おいしい食い方はこれに違いないのだ。 しかし、近くのレンティルを売ってる店がおくのをやめてしまったので、 もやしにするのは別の豆にせざるを得ない。 こうなったら大豆をもやしにしてみよう。 大豆のもやしは究極に栄養があって、しかもおいしいらしいからだ。 ついでにもやし栽培用のボールやザルを追加しよう。 常時2つ栽培していればいつでも食える。 うう、金がほしい。

大豆を買えば納豆が作れるらしい。それは実験してみねばなるまい。 大豆を煮て、さめたらそれに市販の納豆を少量加え、 42度で24時間放置する。42度の温度は冷蔵庫の裏なら実現できるらしい。 壁際にあれば熱が相当こもっているはずだからだ。 これを延々とうえつげば、安くできたての納豆を食い続けられる。 キロ1000円の大豆でも、100gの納豆のコストは40円程度になる。 確かに100g50円で買えるので手間を考えると作る意味はないとも言えるのだが、 デカいつぶの納豆は近頃そうそうないし、できたては本当においしいらしい。 というわけで作ってみるつもりだ。 さしあたって大正金時と大豆を山のように通販で買おう。

1999年11月11日

先日キドニービーズのサラダを450gの豆全てを投入して作ってしまった。 そして、それがえんえんと冷蔵庫にある。 なぜかというと、その量もさることながら、 味が大正金時にくらべてかなり落ちるからだ。 いやな風味もあるし、甘味も少ないし、ボソボソする。 ょうど大正金時を安く売る通販サイトを発見したので、 大正金時に全面的に切りかえる。しおくりが入ったら8kgくらい注文してしまおう。 キドニービーンズといえども他の豆よりは味が濃いのだが、 大正金時と比べるのはムチャだったようだ。 そのうち白花豆も試してみよう。もしこちらがうますぎると、 やっかいといえばやっかいである。 なにしろ、あれはクソ高い豆なのだ。キロ1300円を割るのを見たことがない。

米と麦ととうもろこし粉を1:1:1で炊くという暴挙に出た。 挽いた粉だけにとうもろこしごはんになるわけもない。 事実、名前をつけることすら容易でない物体ができたのである。 もうやるまいと誓った。メシにはとうもろこしはまぜられないのだ。 そして、追いうちをかけるような事実。さめるとかたまるのだ。 鍋からおこすのもしんどいという、この所業。


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